概要
主にバラエティ番組やワイドショーでよく見られる、司会者席から直角・鈍角くらいの場所にいる大勢の芸人を一括して言う。
主に2000年代から地上波で頻繁に見られるようになり、一時期のクイズ番組ブームを契機に勢力を拡大、2010年代にはバラエティ番組=ひな壇というぐらいの状況と化している。
この大量の芸人が座る席がひな祭りのひな壇のような複数段式になっている事からこういう名称が付いた。
主な役割は司会者に雑に扱われた時にツッコミをキレ芸で入れたり、芸人同士で弄り合って番組を盛り上げている。
問題点
業界ではビートたけしや太田光などこの形式を称賛する芸人もいるが、この言葉は否定的なニュアンスで使われることが多々ある。
お笑い芸人が大量に出てきた初期こそひな壇芸人は斬新だったが、10年以上経っても性懲りもなく続けばさすがに飽きられるに決まっている。
さらにひな壇芸人が番組を盛り上げるといっても視聴者が他の番組で何度も見た持ち芸を性懲りもなく見せる(それも場合によってはブームをとうに過ぎ飽きられたネタ)のはまだしも、ローカルネタや時事ネタなどごく一部でしか通じないような内輪ネタで勝手に盛り上がり、司会やメインのゲストなど他の出演者や視聴者を置き去りにするどころか、キレ芸に対してもただ奇声をあげて騒いでいるだけでつまらない・不快に思うとの声も多く、現在では山場CM・ワイプに並ぶテレビ離れ(というより地上波離れ)を引き起こしている元凶との声もある。
視聴者からあれだけ批判されても地上波がひな壇芸人を後生大事に抱えているのには、芸人はギャラが安く適当に放っておくだけで、低コストの番組が簡単に作れてしまうこともあるが、吉本興業の株主は全民放局のため民放の要求には逆らえないというのがもっとも大きいようである。ひな壇芸人は他プロダクションの事務所も紛れていることも多いが、こちらは吉本のついでといったところだろう。
また大半の芸人(特に若手などのマイナー芸人)が人気や知名度を得るにはテレビ出演に頼らざるを得ず、営業公演が安定して出なくても不動の人気を得たどころか実質出る必要がないダンディ坂野やテツandトモのような例は奇跡的なレアケースと呼べるような業界としては、出演芸人をとにかく増やしたいのに対し、放送局の方は無名の新人を下手に出して失敗したくないために安定感のある中堅芸人ばかり出演させるせいで、チャンネルを変えても似たような顔触れしか出てこない(この説明だけ見れば前述のドリフの冠番組の1つだったドリフ大爆笑のOPにある「チャンネル合わせば顔馴染み」の一節が当てはまってるようにも見えるが、あちらが彼等の人気を現すような「この時間はドリフで決まり」だったのに対し、実際は「どこで何を見ようと同じ顔触れが似たようなことをやっている」の様なバリエーションの狭さを体現している)のも問題点の1つと言えよう。
いずれにせよ、ひな壇芸人という存在そのものが地上波が視聴者のための番組ではなく、自分達が稼ぎたいだけの番組作りを最優先している証明になっていることは確かである。
さらに2020年に発生しているCOVID-19では
と3密を見事に満たしてしまっているため緊急事態宣言後真っ先に規制の対象となった。その結果多くの芸人がリストラされ、残った芸人もテレワークでの出演に切り替える体制を取っている。
そんな体制の変化が視聴者からもう20年近く疑問視されていた通り、ひな壇芸人がいなくても、テレビ番組は皮肉にも充分に成り立つ(逆に外出自粛も追い風になったこともあって、いないほうが視聴率も却って高くなった)と証明される事態となってしまった。
関連タグ
アイドル:モーニング娘。やAKB48の様なひな壇アイドルも多い。
芸人殺し:芸人以外で笑いやウケを取る事が多い芸能人の通称。
オールスター感謝祭:究極形。
国会中継:皮肉。