概要
『暗黒竜と光の剣』および続編の『紋章の謎』(ともにリメイク版含む)に登場。
マケドニアの貴族出身で、シスターレナの実の兄。争い事は好まないが、マケドニア国の王子ミシェイルの命令で派兵されることになる。DS版以外では、レナがミシェイルからの求婚を拒絶したことが原因とマチスは思っているが、裏設定によるとこれは誤解である。
登場初期はオレルアン王国周辺を占拠する敵兵として出現する。妹であるレナの説得で仲間にできるのだが、そのレナが行動範囲に居ても自分から話しかけてこないどころか攻撃をしかけてくる。
「レナ…お前は今どこにいるんだ」とつぶやきながら実妹に槍を突き立てる様に多くのプレイヤーがツッコミを入れたであろう。
『新・暗黒竜と光の剣』では兵種変更システムの恩恵で攻撃できるようになったレナから返り討ちにされるというギャグまで加わった。
上記のようなゲームシステム上の行動や、SFC版第二部のEDの肩書きが「レナのバカ兄貴 マチス」と書かれたためファンからも「バカ兄貴」と呼ばれている。
ちなみに彼の死亡時のセリフも「ばかな兄ちゃんを許せ」なので、一応自覚はあるようだ。
しかし、久々に会った妹を見て「好きな男でもできたか」「まちがっても盗賊なんかにゃ恋するなよ」と妙に的を射た台詞を言ってレナを動揺させる等、意外と勘が鋭く侮れない一面を持つ。
また、情けない面はあるもののそれ以外は「争い事が苦手」という通り穏やかでフランクな人柄であり、良い意味で貴族出身であるという面を感じさせない。総じて「愛すべき馬鹿」と呼べる人物である。
なお、「新・紋章の謎」におけるマイユニットとの会話では、シスコン属性を大いに発揮し、バカ兄貴っぷりに拍車をかけている。そして妹のために一念発起し、最強の男になるための訓練をしようとするのだが…?妹が行方不明だというのにのんきな兄である。
容姿
赤髪の角刈りにハの字眉毛と、いかにも頼りない顔をしている。
また、顔つきは実の妹のレナとは似ておらず、共通点をあげるならせいぜい髪色ぐらいである。まあ、後発作品に顔も髪も似てないきょうだいがいくらでも出てくるのでまだマシな方なのだが。
FC版ではビラクと全く同じ顔グラフィックだった(所謂使いまわし)。
SFC版にて描き分けられ団子っ鼻の顔に、DS版では鼻がシャープになったので少しシュッとした顔つきになり、レナと顔が似てきた。
DS版より前に出た「ファイアーエムブレムTCG」では、ソシアルナイト版はナヨっとした立ち方をしているが、パラディン版では眉の角度が上がっており、姿勢もピンとしていて勇ましさを感じさせる。
ファイアーエムブレム0では負傷した所をレナに回復させてもらっているイラストとなっている。プロモーションカードなので通常パックには封入されていない。別バージョンの登場に期待しよう。
箱田真紀版の漫画では、かなり美化されてサラサラヘアーの青年になっている。もはや誰てめぇ。
キャラクター性能
上述したように争い事が苦手な性格故かユニットとしての実力はイマイチ。FC,SFC版では武器レベルが良く伸び、HPと力もそこそこ伸びるので全く使えないワケではないが、とにかく速さが伸び悩む。またソシアルナイトは序盤から優秀なユニットが揃っているため、彼のために序盤から育ててるユニットを割く必要がないのも問題である。
SFC版ではキャラ設定を反映したのかFC版では6ポイントあった幸運の初期値が0にされたので、とにかく必殺の一撃が怖い。
「新・暗黒竜」では元々そこそこ伸びた力・守備の成長率が上がったものの、肝心の武器レベルが戦闘回数によって上昇するようになった為、アイデンティティを失う事に…ただその代わりなのかHPの成長率が+40%もされて90%になっている為、壁役ぐらいには使えなくも無い。
「新・紋章の謎」でも成長傾向は変わらず。FC・SFC版ではユニットとしてはビラクよりマチスの方が成長率がほんのちょっぴりマシな程度だったが、リメイクではビラクの成長率がかなり良くなっているため大きく溝を開けられる事になってしまった…
余談
FEシリーズには沢山の兄妹(きょうだい)が存在するが、後発作品でもマチスのように「妹で説得できるのだが、その妹に問答無用で攻撃してくる」タイプの兄ユニットにはもれなく「バカ兄貴」の称号が授けられている。もちろんこれを踏まえてマチスはプレイヤーから「元祖バカ兄貴」と高尚な二つ名で呼ばれることもあるが、流石にあんまりだからかファイアーエムブレム0(サイファ)では「妹想いの騎士」と無難な肩書きになっている。
なお、サイファの「妹想いの騎士 マチス」ではジュリアンに対して戦闘力が+20されるという本気を見せる(実用性はともかく)。その本気、本編でも見せてください…。スキル名は「妹は渡さん!」。しかし、一方で本心ではレナとジュリアンとの仲は認めているようで、「紋章の謎」でジュリアンに説得された時には彼の事を弟と呼ぶぐらいである…兄心は複雑なのである。
なお、ジュリアンは恋人の兄であり、元貴族でもあるマチスに対して全く敬語を使っていないという普通ならかなり失礼極まりない状態ではあるのだが、マチスはそれを咎めるようなことはしない。妹の行動によって戦場に立たされることになった(と思っている)のに恨み言一つ吐かずに妹の身を案じ続けていたり、妹の説得でまだ小規模な軍隊であったマルスの同盟軍に寝返ったりと、メンタル面でいえばかなりできた人物である。
兄妹(きょうだい)という超身内であるにもかかわらず、紋章の最終章のレナを正気に戻すことができない。三枚目な顔グラ、イマイチな能力&成長率、ぞんざいな公式からの扱い、全てにおいて不遇と言える男だろう。
なお、他の「バカ兄貴」と呼ばれる人たちはイケメンだったり、美人とくっついたり、強かったり、ヒーローズ等の外部出演に恵まれていたりとマチスとは比べ物にならない程優遇されている。哀れなり、マチス…。
…が、近年創作物が増加したことによりキャラクターも多種多様化し、消費者側もそれを求める傾向にあるため、彼もいい方向に再評価される時代がきっと来るだろう。
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アンドレイ(FEの漫画版では美形仲間)