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X−MENユニバース

えっくすめんゆにばーす

20世紀フォックスが製作・配給している、MARVELコミックを原作とする実写映画・テレビドラマ化作品のシリーズ。

概要

X−MENユニバースは、MARVEL社(以下、マーベル社)のアメリカン・コミックスの1つである「X-MEN」を原作とした実写映画テレビドラマ化作品のシリーズであり、

の2つから構成されている。

同じようなシリーズには、2008年から始まったMCUがあるが、原作コミックのキャラクターの内、ミュータントのヒーローチームであるX-MENや彼らと対立するブラザー・フットなどはMCUではなく、こちらに登場している。また、配給・製作は全て20世紀フォックスが行なっている。(詳しくは、MCUの該当箇所を参照されたい。)

特徴・沿革

概要にあるように、2000年に開始した本ユニバースはアメコミの実写映画化シリーズの中でも一番長く続いているが、『X−MEN:アポカリプス』が批評・興行収入の両面で芳しくない結果を残したため、一時期はリブートも検討されていた。その後、メインシリーズの続編の製作が発表されたことにより、シリーズ自体は存続したものの、

  • 2018年に公開予定だった3本(『ニュー・ミュータンツ(原題)』、『デッドプール2』、『X−MEN:ダーク・フェニックス(原題)』)の内、『ニュー・ミュータンツ』と『ダーク・フェニックス』では再撮影などの実施に伴う公開時期の延期が決定。この影響で、年内に公開するのは『デッドプール2』のみとなる。
  • 2017年12月には、シリーズの製作・配給を担当している20世紀フォックスディズニー買収される事が発表される。

といった状況が続いており、何かと先の見通しが不透明になりがちなシリーズでもある。

完全なユニバースであるMCUDC映画ユニバースと比較すると、基本的には、続編で構成されたシンプルなシリーズものに近い映画シリーズとなっている(特に、メインシリーズに限定した場合)。一方で、多くのスピンオフ作品の存在や、メインシリーズとスピンオフ作品群の間のリンク度の高さなどを考えると、(実質的に)ユニバースと呼べるぐらいの内容・規模となっている事も確かである。

X−MENユニバースの特徴かつ魅力といえるのは、個性豊かなキャラクター達が織りなす群像劇や様々な能力をもつミュータント同士のバトルであり、それらがそのまま作品の見せ場にもなっている。しかしながら、第一作から描き続けられてきたミュータントとしての苦悩や葛藤こそ概要なんといってもシリーズの肝であり、マイノリティに対する現実社会へのメタファーとして、作品を単なる勧善懲悪モノ以上のものにしている。

元々ユニバースを想定していた訳ではない分、ユニバースの各作品間の矛盾が大きく、ユニバース全体の複雑な時系列が物語を把握しづらくしている事は確かである一方で、メインシリーズの内、新シリーズはユニバースをより深いものにしており、

  • 新シリーズの幕開けとなった『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』は、冷戦期のスパイものとして完成度が高い。
  • 新シリーズの第2作である『X-MEN:フューチャー&パスト』は、過去(新シリーズ)未来(旧シリーズ)、そしてスピンオフ作品群まで取り込んだ上で、ユニバースの一種の完結編として完成されており、単なる集大成としてだけでなく、MCUの『アベンジャーズ』やDC映画ユニバースの『ジャスティス・リーグ』とは別の形で、一つ一つの作品を超えたより大きなストーリーを結実させた成功例として評価されるべきであろう。

(まあ、『フューチャー&パスト』に関してひねくれた見方をするならば、アメコミ風の世界観のリセットを、コミックの実写映画化作品のシリーズでやったと言うこともできてしまうが……)

これに加え、現在では『デッドプール』『LOGAN/ローガン』などのR指定で公開されたヒーロー映画でも成功を収めている。(というか、現在公開中の『デッドプール2』も含めると、今までにX−MENユニバースの公開された11作の内、トップ5にこの3作はすべて入っており、もはやこちらが稼ぎ頭になりつつある。)こういったR指定の作品では、メインシリーズの流れに捉われない、より自由な作風による製作が可能になっており、MCUやDC映画ユニバースにはないX−MENユニバースの強みの一つとなっている。

今後の展開

2017年4月、メインシリーズとスピンオフ作品群のそれぞれの新作が、2018年に3本(『ニュー・ミュータンツ(原題)』、『デッドプール2』、『X−MEN:ダーク・フェニックス(原題)』)公開される事が発表された。(その後、『ガンビット(原題)』(後述)も米国での公開日が設定されていたが……)

ところが、沿革にもあるように、『ニュー・ミュータンツ』と『ダーク・フェニックス』に関しては再撮影などの実施に伴う公開時期の延期が決まり、18年内に公開されるのは『デッドプール2』のみとなった。

その一方で、X−MENユニバースでは多くのプロジェクトが進められており(詳しくは後述)、更には『ファンタスティック・フォー』の関連キャラクターであるドクター・ドゥームシルバーサーファーのスピンオフの企画まで存在していた。

  • これには、2度に渡って製作されたものの、ファンタスティック・フォーの映画シリーズがどちらも失敗してしまったことが背景にある。その為、こういったスピンオフ作品がX−MENユニバースにそのまま合流する可能性もある。が、いかんせん詳細はまだ明らかになっていないので、現時点でX−MENユニバースとの関連性がどこまであるかは明らかになっていない。

そんな中、ディズニーによる21世紀フォックスのテレビ・映画部門(=20世紀フォックスとFOXネットワーク・グループ)の買収が2017年12月に発表された。アベンジャーズとの共演が権利関係上で可能になる一方で、実際に買収が成立するのは2019年夏と言われている。

MCUの方にしても、製作を担当しているマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギ曰く、『アベンジャーズ4(仮題)』までの戦略に変更予定がなく(加えて言うのならば、2020年までの公開予定作品も確定しているので変更する隙間がない)、キャラクターの合流についても目処が立っていない状況(企業買収に関わっている弁護士たちが、両社のプロデューサー達による交渉に許可を与えていない状態だと明かされた)らしいので、少なくとも2021年より前のタイミングでは、スクリーンの中でアベンジャーズとX-MENが共演するのは難しそうだ。

そして2021年にマーベル・スタジオによるリブートが決定した。これによりMCU編入は確実視されている。例外としてデッドプールシリーズは継続する形となった。

作品一覧

No.タイトル全米公開日日本公開日
メインシリーズ
1X-メン2000年7月14日10月7日
2X-MEN22003年5月2日5月3日
3X-MEN:ファイナル ディシジョン2006年5月26日9月9日
5X-MEN:ファースト・ジェネレーション2011年6月3日6月11日
7X-MEN:フューチャー&パスト2014年5月23日5月30日
9X−MEN:アポカリプス2016年5月27日8月11日
12X−MEN:ダーク・フェニックス2019年6月7日6月21日
『ウルヴァリン』シリーズ
4ウルヴァリン:X-MEN ZERO2009年5月1日9月1日
6ウルヴァリン:SAMURAI2013年7月26日9月13日
10LOGAN/ローガン2017年3月3日6月1日
『デッドプール』シリーズ
8デッドプール2016年2月12日6月1日
11デッドプール22018年5月18日6月1日
その他スピンオフ
13ニュー・ミュータント2020年8月28日2021年3月31日配信

ドラマ

  • レギオン(2017年2月~2019年8月放送)

全3シーズン・27話。

プロフェッサーXの息子であるデヴィッド・ハラー / レギオンが主人公。

  • ギフテッド 新世代X-MEN誕生(2017年10月~2019年2月放送)

全2シーズン・29話。

製作中

上記の通りMCUに編入される作品。2024年11月公開予定。

ケーブルやドミノも登場予定と思われる。主演のライアン・レイノルズは『3』の製作に消極的であり、シリーズの実質的な続編となるのはこちらだという報道もある。

『LOGAN/ローガン』の監督であるジェームズ・マンゴールドが製作を務めており、同作に登場したX-23ことローラのスピンオフとなる予定。

『ファイナル ディシジョン』や『フューチャー&パスト』で登場したキティ・プライドが主役のスピンオフ。『デッドプール』の監督であるティム・ミラーが企画を進めており、同役を演じたエレン・ペイジも続投に意欲を見せている。

主演はサム・ライミ版『スパイダーマン』のハリー・オズボーン役で知られるジェームズ・フランコ、脚本は『ワンダーウーマン』のアラン・ヘインバーグがそれぞれ務める予定。

  • ガンビット(原題)

『ZERO』で登場したガンビットを主役にしたスピンオフ。

決して評価が高くない同作の中でもよい存在感を放っていたものの、なにぶん出番が少なかった。その為、チャニング・テイタムが主演・製作を務めるスピンオフ企画が始動。2016年公開を目指し、製作がすすめられていた……が、脚本作業の遅れや2度にわたる監督降板の結果、危うくお蔵入り寸前の状態が長らく続いていた。そんな状況でも、3人目の監督が就任し、2017年の中頃から再び製作が進むようになっていた……のだが、せっかく決まったはずの監督がまたしても降板してしまい、公開時期も再び延期になってしまった。現在、4人目となる監督の面会を進めているものの、予定通りに公開されるかはかなり不透明な状況であった。

そして2019年、企画の頓挫が発表された

また、2015年に公開された『ファンタスティック・フォー』のリブート版は、この『X-MEN』シリーズと世界観を共有した作品になっているという。(…と言われてきたが、この2015年版が大コケした上に、酷評されたので、この設定は実質的になかったものになっている

アースの1つとして

番号は【10005】。

また『フューチャー&パスト』で分岐した世界線には【TRN414】が、『LOGAN』には【17315】が、上記のリブート版『F4』には【TRN554】がそれぞれ振られている。

※"TRN"は"Temporary Reality Number"の略で、ファン界隈で便宜上つけられた番号。

時系列

判明している年(代)を基にざっくりまとめると、次のようになる。

【10005】【TRN414】その他
1962年ファースト・ジェネレーション
ZERO(前半)
1973年フューチャー&パスト
ZERO(後半)
1983年アポカリプス
1993年ダーク・フェニックス
X−メン
X-MEN2
ファイナル ディシジョン
2013年SAMURAI
デッドプール
デッドプール2
2023年フューチャー&パスト
ニュー・ミュータント
2029年LOGAN

※『ファースト・ジェネレーション』は厳密には改変前だが、『ZERO』とのつながりがないため、便宜上ここでは改変後とした。

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