概要
20世紀フォックスによる「X-MEN」の実写映画シリーズの第13作(最終作)。
元々は2018年4月公開予定だったが、フォックスがディズニーに買収されたことによる路線変更、そして新型コロナの影響が重なり、度重なる延期の末2020年8月に公開。
日本では劇場公開が見送られ、翌年3月に配信された。
若手チーム「ニュー・ミュータンツ」のコミックにおける第1期のメンバー5人が中心で、これまでのキャラクターはプロフェッサーXが言及されるのみ。
作風も従来とは一線を画する青春ホラー路線となっている。
キャラクター
括弧内は演者 / 吹き替え。
若きミュータントたち
- ダニー・ムーンスター(ブルー・ハント / 清水理沙)
主人公。
ネイティブ・アメリカンの居留地に住んでいたが竜巻で父ウィリアムを失い、保護される。
新参のダニーを優しく迎え、心を通わせていく。能力はオオカミへの変身。
能力は高速移動・飛翔。鉱山にて誤って父親たちを死なせており、能力の制御に難儀している。
- ロベルト・ダ・コスタ(チャーリー・ヒートン / 高橋英則)
ブラジルの大富豪の息子。身体を発火させる能力が目覚めた頃にガールフレンドを傷つけてしまったことがトラウマになっている。
性格に難があり、ダニーとは来た初日からそりが合わない。別次元を介したテレポートや、そこのエネルギーを用いて武器を生成できる。
コミックでは、先んじてシリーズで活躍したコロッサスの妹だが、こちらでの血縁関係は不明。
その他
- セシリア・レイエス(アリシー・ブラガ / 白川万紗子)
5人の指導・監視を行う女医で、自身もミュータント。
コミックでは1997年の『Operation: Zero Tolerance』で初登場した黒人女性。反ミュータント主義者を装っていたが実はかつてプロフェッサーXに救われ育てられており、窮地に陥ったX-MENを土壇場で救出、後に加入もしているが、本作では能力以外は全く異なる。
現在の扱い
当初本作は三部作の第1作となる予定で、コミックにおける第1期の創設メンバーのうちカルマだけ未登場なこと、隔離施設がエセックス社の所属だったことなど伏線もあったのだが、前述した買収と路線変更、そして興行的大失敗を理由に、この計画は棚上げされた。
延期した理由の1つは再撮影だったが、結局は最初のバージョンが使われたとのこと。
なお続編は、第2作はウォーロックが加入するきっかけになった1990年のエピソードを、第3作は1988年に刊行された一大イベント『Inferno』をそれぞれ元にする予定だったらしい。
このためスピンオフとはいえ20世紀フォックスが手掛けた映画『X-MEN』シリーズの最終作であるにもかかわらず、非常に中途半端な扱いを受けてしまっている。
(後年のとある映画でも本作のみ言及がない)
ファンからは作品としてはイマイチだがキャラクター、中でも今や人気女優の仲間入りを果たしたアニャ・テイラー=ジョイ演じるイリアナは(アクションシーンに恵まれたこともあり)好評で、MCUに統合された『X-MEN』シリーズへの再登場を望む声は多い。