概要
シカ科とは、哺乳類偶蹄目の中の動物の分類群である。生息する環境は森林から草原まで、種類によっては様々である。全ての種が植物食である。
名前の由来は古語で「肉をあらわすシシと、皮をあらわすカの両方が得られる獣」という意味であるといわれている。
雄は枝分かれした角を持つ(例外的にトナカイのみ雌雄共に角を有する)。
シカの角は皮膚が盛り上がって作られるもので毎年生え替わる。
夏毛は、大抵、冬毛より鮮やかな色をしている。お尻の毛は、周りより明るい色で、驚くと逆立つ。
日本には、ニホンジカが生息する。英語名は「Sika Deer」。ニホンジカとはいうが東アジア各地に広く分布しており、日本固有種ではない。絶滅種のカズサジカと交代する形で日本に広がったと思われる。
ナウマンゾウやマンモス、オオツノジカやヘラジカ、サイやバイソンやオーロックス、トラ、ヨウシトラ(ホラアナライオンの一種)、ヒョウ、オオヤマネコなど大型の生物(メガファウナ)が軒並み絶滅した現代日本では数少ない大型動物であるが、それでも大陸の鹿などと比べるとやはり小さく、最大のエゾシカでも頭胴長が最大で1.8m以上にしかならない。
肉は食用にされ、フランス料理などでは高級食材扱いである。その色合いから鹿肉には「モミジ」と言う俗称がある。
近年、日本ではシカの増加が著しく、ニホンオオカミやエゾオオカミなど捕食動物の絶滅も相まって、地域によっては(特に北海道東部)増えすぎたシカが山菜や樹皮を食べ尽くしてしまい生態系を変化させてしまっている事が社会問題化している。
北海道では70年代までは絶滅寸前で保護策が取られてきたが、21世紀になると増えて鉄道車両と相次いで衝突、JR北海道を悩ませている。
一方で、環境収容力に達したら自然にある程度が餓死して適応するのではという意見もある。
シカ科の多くは臆病で警戒心が強いとされるが、危険がないと遠慮しない図々しい性格でることが、増加を招いている原因の一つとなっている。
文化的には、鹿島神の神使として扱われ、有名な奈良公園のシカは鹿島神も祀る春日大社によって保護されてきたものである。