しろバレ、くろバレ
しらなすぎたわんちゃん
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン44話のサブタイトル。
あらすじ
桃井タロウ達は、獣人について話を聞くため犬塚翼を呼び出す。しかし翼の話は、タロウが夏美から聞いた情報とは違っていた。ソノニに「獣人を倒せばコピーされた元の人間は帰ってくる」と教えられていた翼は、本当の夏美を取り戻すためニンジャークソードで獣人の夏美を倒そうとする。しかし、ソノニの言葉は……
主なドンブラ中毒
- 冒頭のソノニの「人間は悩み、苦しみ、欲望を抱く。そういう感情を私たち脳人が理解する事はない……決して」というモノローグとは裏腹に、脳人三人衆には明らかに感情が芽生えていた。芸術を解するようになったソノイ、はるかの新作漫画を読んで感涙するソノザ、そしてソノニは……
- 以前、獣人に成り代わられた翼から、情報を得ようとするドンブラザーズ。翼は内心で「素人のくせに、ヒーローにでもなったつもりか」と小馬鹿にし、「あんたらは素人だ、獣人とは関わらない方がいい」と言い捨てて素っ気なく立ち去るが、はるかと真一が全く同じ内容で毒づく。結局、お互い似た者同士と言う事なのだろう。
- 翼は「獣人を倒せば、コピーされた元の人間は帰ってくる」という事だけは教えたが、獣人の夏美から聞かされた「獣人が死ねば、コピーされた元の人間も死ぬ」という情報とは食い違っている事をいぶかしむタロウ。この段階で情報共有できていれば、後述する展開は起きなかったのだろうか……
- そんなシリアスな話もどこ吹く風でパフェを食べていたジロウは、「また田舎に帰ります」と報告。スマホの待ち受け画面のルミちゃんとのツーショット写真を見せびらかすが、つよしが覗いた画面にはジロウ一人の姿しか映っていなかった。そして思わず「この人、やっぱり変だ……!」と心の中で戦慄。この続きは次回にて。
- ソノニに焚き付けられ、夏美に戦いを挑む翼。「仮に私を倒せたとして……本当の夏美も死ぬ」と告げられても信じようとせず、ニンジャークソードで斬りつけて深手を負わせる。しかしとどめを刺そうとした時、ソノニが夏美を突き飛ばして助け、代わりに斬られてしまう。なぜ獣人を庇ったのかと問われた重傷のソノニは、自分が翼に嘘をついていた事を明かして詫びる。それはソノニの中に翼への『愛』と共に生じていた、『嫉妬』の為せる業だった。
- その場に現れて翼を追い払った上で、「人間に思いを寄せた者は処刑される」という脳人の掟に従い、瀕死のソノニを処刑しようとするソノイ達だったが、どうしても殺す事ができない。これまで共に戦い続け、共に人間世界に感化されてきた仲間を処刑することなど、そうそう出来るはずもなかったのだ。まああいつすら斬れなかったから当然か。
- みほを傷つけた犯人である翼に決闘を申し込むつよし。翼はみほが獣人だと伝えるが、怒りと憎しみが爆発したつよしは聞く耳を持たず、半狂乱で暴れた挙句、キジブラザーにチェンジ。この時点では翼がイヌブラザーであることを知らず、つまり一般人相手に変身して襲い掛かったことになる。
- 翼の伝え方は初めてそう告げた時から変わらず「みほはいない」「いい加減にしろ」と繰り返すだけのもの。もっと話をする時間が取れていれば……
- そもそも、つよしはドン30話にて、獣人リストにみほの名前が載っていたのを見たはずである。だが「絶対調査ミスだよ〜」とぼやいていた通り、つよしは未だにそれを受け入れられていないのだ。
- ちなみにこの決闘の場所は、よりにもよって令和一作目のライダー主人公と敵側のリーダーが互いに悪意に呑まれた状態で死闘を繰り広げたあの立体駐車場だった。しかも雉野は「お前は……絶対に許さない!」と或人と同様の発言。偶然か必然か、あちらも44話の出来事である。
- 本当に一般人だったらそのまま死んでいたところだが、対抗して翼もイヌブラザーに変身。ここでお互いの正体に驚き……もせず、ノーリアクションのまま死闘を繰り広げる2人。そして手裏剣攻撃に耐え抜いたキジブラザーはドンブラスターを乱射して、イヌブラザーを変身解除に追い込んだ。「とどめだ……!」生身の翼に対して殺す気満々でキジブラザーが必殺技の引き金を引こうとした瞬間、またも飛び込んできたソノニが翼を庇い、ドンブラスターの直撃弾を喰らう。
- 無関係のソノニを撃ってしまったつよしは動揺し、変身を解除する。それ以上に衝撃を受けた翼は彼女に近寄ろうとするが、ここで「ええい!おいあんた、褒めてくれ!」と空気を読まないにも程がある超電子鬼が乱入。ヒトツ鬼を前にしては流石に争ってもいられず、翼とつよしは力を合わせて超電子鬼からソノニを守ろうとする。
- しかし苦戦に陥ったところで、タロウがお供達を引き連れて登場し、「行くぞ、お供達」といつも通りの号令。終盤も終盤の44話目にして、幻とまで言われたスピンオフからほぼ1年後に、初めてメンバー全員の同時変身を披露するドンブラザーズ。長かった……
- 同時変身の際に翼がしれっと混じるのだが誰も言及せず、変身しても全員ノーリアクション。習慣って怖いね。
- 超電子鬼は倒されるが、ひっそりと戦いの場から立ち去っていたソノニ。ニンジャークソード(今回ドンムラサメは空気を読んだか登場せず)で斬られ、キジブラザーに撃たれ、もはや彼女の命は尽きようとしていた。雪が降り始める中、当てどなく歩き、階段から転げ落ちて倒れたソノニはもう目を開かない……
- ソノニを見つけて抱き起こした翼は「死ぬなソノニ!」と必死に呼び掛ける。そこに現れたマスターは翼のキビ・ポイント(かなりの量が溜まっていた)をほぼ全て消費してソノニを甦らせた。生き返った事に安堵しながらも、翼は怒りの表情でソノニを突き放す。呼び止める彼女の声を背に「よせ!話すな……来るな……俺を見るな……二度とお前には会いたくない!」と血を吐くような言葉を残して、翼は去って行くのだった。それは自分を騙して夏美を殺させようとしたソノニへの怒りか、それとも彼女を本当に愛してしまいそうになった己自身が許せなかったのか……
- 一方で、これまで翼への愛ゆえに騙し、弄んできたソノニは皮肉にも彼に真っ向から拒絶されるという、極めて人間的な感情を味わうことになる。「愛という名の血」を流したのは、彼女の方だった。
- なお、今回のキビ・ポイント消費に伴う翼のペナルティについて、Twitterでは「ソノニに対して僅かにあった思い」という考察をする人も見受けられた他、一部視聴者からは「一緒にいるとソノニに情が移ってしまうため敢えて突き放したのでは」と言われている。
- 全てが終わった後、自宅で夕食を食べていたはるか(&久しぶりの重い空気から明るいエンディング)だったが、何か大切なことを忘れていることに気づく。そして自室で寝ようとした辺りで……
「……ってええぇー!?犬塚翼が……イヌさん!?ワンちゃんがぁぁぁ!?!?」
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遅せぇよ!!もう許してやれよ……
とまぁ、正体バレしてなおこの扱いである。そして安定の顔芸オチ。