ガタノゾーア(ウルトラ怪獣擬人化計画)
ぎじんかがたのぞーあ
概要
ウルトラ怪獣擬人化計画で登場したガタノゾーアの擬人化キャラクター。
デザイン担当は娘太丸氏
どういうわけか幼い少女のような姿になっており、邪神としての面影はまったくない。また、原作で海中から姿を現したためか、スク水を着ている。スク水には先輩がいるのだが…。
特徴的なアンモナイトのような貝殻からは蛇の頭が顔を覗かせている(劇中でティガを石化したことからメデューサを意識したのかもしれない)。『怪獣大図鑑 Vol.1』では、「ヒマな時は顔を出してる蛇さんとお喋り」という一文があることから、本体とは別に意思を持っている模様。一部の触手は独自の意思を持つという小説版の設定を反映したのだろうか?
デザインを担当した娘太丸氏によると、頭が重すぎてすぐに転ぶという致命的な弱点があるそうだ(これにより、お馴染みの上下逆の顔になるという解釈らしい)。
本作ではそこまで強大な存在としては描かれておらず(ただし、シャドウミストを生成・散布する能力は持っている)、ピグモンやメカギラス、カプセル怪獣といった並の怪獣と同列の扱いとなっている。性格も臆病かつ控えめで、勝手に写真を撮られて大慌てしたり、湖に潜んでいた正体不明の存在にビビッて逃げ出したりする始末(邪神らしくないという点に関しては第24話でウインダムからもツッコまれている)。
本人もそのことを気にしているのか、日々「邪神らしさを磨くための練習」をしている模様。
上記の「頭が重すぎてよく転ぶ」という部分もネタにされており、空を見上げていて転んでしまい、起き上がれなくなって困っているところをペガッサとガッツに助けてもらった他、教室に入ろうとした際に、頭がつっかえてひっくり返ってしまうという一幕もあった。第24話では「重心が上手く取れなくて(水中から)いつも逆さまに出ちゃう」とも話しており、「どうしたら上手くできると思います?」とウインダムに相談していた。
「…食べ、たい……」
キービジュアル第2弾の背後に小さくではあるが描かれており、なんとまさかの登場が決定してしまった(擬人化された姿ではあるものの、『ティガ』劇場版の回想シーン以来、実に18年ぶりの映像作品登場となる)。
抜擢の経緯について本作の脚本を担当した下山健人は、平成のウルトラ怪獣の中で一番強いということや、「かわいい女の子が、実は…」というギャップがいけるかもしれないという判断から、いろいろ提案された中からガタノゾーアを選んだと語っている。
劇中では、終盤で登場。
ペガッサ星人こと平賀サツキが発生させたダークゾーンの中にいたところをブラック指令に発見され、救出される(この時は、髪が途中で触手に代わらずに普通のロングヘアーになっている他、最大の特徴であった頭の殻の大きさもだいぶ縮小され、殻から顔をのぞかせていた蛇の頭のような部位もオミットされている等、元のデザインと比べてかなり簡略化された姿をしていた)。
なお、ブラック指令はサツキが闇の世界から召喚させたと推測していたが、実際には冒頭でサツキが力を暴走させてダークゾーンを発生させた際に、運悪く飲み込まれてしまっただけである模様。
そのままアジトに連れ帰ってソウルライザーで解析した結果、かつて世界を滅ぼそうとした闇の邪神:ガタノゾーアの力を宿した怪獣娘であることが判明したため、対GIRLS引いては世界征服のための切り札としてブラック指令からは多大な期待を寄せられ、手始めに池袋の街中で(ブラック指令のリア充達への個人的な憂さ晴らしもかねて)ひと騒ぎ起こしてやろうと画策される。
しかし、そんな期待をよそにガタノゾーアは一向に目を覚ます気配がなかったため、業を煮やしたブラック指令が無理やりたたき起こしたところ、お腹をすかせていることを訴える。試しにシルバーブルーメの持っていたチョコを上げたところ、体が肥大化して、そこから蛇の頭のようなものを覗かせたお馴染みの姿に変貌、邪神としての片鱗を見せ始める。
チョコを食べさせれば力を取り戻していくと睨んだブラック指令は、部下たちに命じてありったけのチョコを買い集めてガタノゾーアに食べさせ、結果、指令の推測通り、ガタノゾーアは本来の姿と見紛うほどの巨大で禍々しい姿へと変貌を遂げる(これがキービジュアル第2弾に描かれていた謎の黒い怪獣の正体である)。
ところが、購入したチョコの中にうっかりブランデー入りのものが入っており、このせいで酔っ払って意識が朦朧とし、力を制御することができなくなり、指令の命令を無視して破壊活動を始めてしまう。
あのガタノゾーアの力を受け継いでいるだけあってその戦闘力は圧倒的であり、かけつけたGIRLSの面々やブルーメ・ノーバですらも全く歯が立たず、最早打つ手はないかに思われたが、ブラック指令のとある一言がきっかけでサツキは異空間にガタノゾーアを放逐することを思いつき、ダークゾーンを発生させる。
目論見通り、ガタノゾーアは異空間に吸い込まれるが、最後の悪あがきとしてサツキを触手に絡めとってそのまま自分もろとも引きずり込もうとする。しかし、ブラック指令の催眠術による妨害を受けて失敗し、尚も抵抗を続けたものの、最後はサツキがソウルライザーでガタノゾーアの変身を強引に解除させたことで完全に活動を停止、そのままダークゾーンの中へと消えていったなお、サツキとブラック指令はダークゾーンが消滅する直前に辛くも脱出に成功している。
以上のことからわかるように、本作のガタノゾーアは(あくまで母体が人間の少女であるということもあってか)自分から率先して悪事を働こうとしたわけではない。
寧ろ、街中でわけもわからないまま異空間に突然吸い込まれ、ようやく目を覚ましたと思えば無理やり力を引き出されて暴れさせられ、挙句の果てには手違いで力を制御できなくなったために再び異空間に封印されるという踏んだり蹴ったりな目に遭っており、ある意味でこの作品最大の被害者であると言っても過言ではない。
また、ダークゾーンの異空間内の時間の流れは不明だが、最初に取り込まれてからブラック指令の救出まで外の世界では数日が経過している。この時は怪獣娘に変身していたから命の危機に陥らなかったと強引に理由付け出来なくはないが、ラストでは変身を解除されて異空間内に放置されている。不憫。
ただ、本作はゼットンがガタノゾーアの消息を不審がるという何かのフラグのような意味深なシーンで幕を閉じており、今後続編が制作された際には、また再び登場してくれる…かもしれない。
演じる小倉は、ガタノゾーアについて、「怪獣の時の怖い姿と怪獣娘の可愛い姿のギャップが好き」と語っており、オーディションを受けた時から「絶対に演じたい」と思っていたとのこと。また、「寝息の演技を頑張ったので聴いてほしい」とも語っている。
また、小倉は同作でノーバを演じる石原夏織と以前ユニット「ゆいかおり」を組んで活動しており、解散後に共演するのは今作が初めてとなることから、ファンの間では非常に大きな注目を集めることとなった。
なお、アニメ作品への初出は劇場版だが、映画の公開に先駆けて行われたボートレースまるがめとのコラボ企画では、アニメ本編仕様のデフォルメされたデザインも発表されている。