概要
ドクタケ忍者隊首領兼ドクタケ忍術教室校長。49歳、水瓶座、A型。
初期からの登場人物(原作コミックスでは第6巻から登場)で悪役として欠かせない存在。初登場は1989年の朝日小学生新聞。
人物
城主への忠誠心が高く、城主の命により、様々な悪事を働いている。かなり卑怯な手も堂々と使うが、その一方で部下やドクたまたちを思いやる一面もあり(部下は稀に反発したり言うことを聞かない事もあるが基本的には尊敬している)、憎めない人物。部下と彼は深い絆で結ばれており、一時は乱太郎の父親が本気でドクタケ忍者隊に入ろうとしたほど。頭も大きいが、人間としての度量も大きい。
数々の悪さをしてきたおかげで忍術学園を含め他の城や町の人からも評判が悪く、忍者に暗殺されかかったこともあり(ただし、その忍者は「ドワタケ城の首領」を暗殺するよう依頼されていたが、ドワタケ城が存在するのかは不明)、命を狙われた際に居合わせた土井半助に「思い当たる敵はいないの?」と問われると、「○○城にも嫌がらせしたし、○○城も怒らせちゃったし、○○城にも不幸の手紙を送ったし……」とあまりにもたくさんの城の名前を挙げたため、土井から「それだけ敵が多けりゃ今助けてもいつか暗殺されるでしょ……」と呆れられている。
アニメ版では既婚者かつ婿養子という設定であり、妻の名前は稗田西瓜(ひえた すいか)であり、美人だが怒ると恐く、婿養子故に逆らえず、なお妻に奉仕する生活に疲れ単身赴任でドクタケ城に就職したということになっている。
上記のように、『落第忍者乱太郎』及び『忍たま乱太郎』でも読者や視聴者の人気が高い。本人もそれを自覚しており、腹心の部下の風鬼に「あんまり悪いことをすると人気に傷がつくぞ」と呼びかけたり、乱太郎ら忍術学園の下級生を全員誘拐した際は、彼らが「もしかしてあいつは漫画のタイトルを乗っ取る気じゃないか!?」と心配する(彼らの考えたタイトルは「悪徳忍者八方斎」)などの楽屋ネタも多い。後に八方斎が主人公で忍術学園が悪役の漫画「ドクタケ忍者八方斎」が作中で登場している。
禿げ頭で、顔と頭が異常に大きく、胸をそらして高笑いするとひっくり返って転ぶ(または部下に支えてもらう)のがお約束のギャグとなっている(余談だが、実写映画で八方斎を演じた松方弘樹氏は、たびたびビートたけしから「松方さんが刑事やるんなら、頭がでかいから頭デカ」などネタにされており、キャスティングもそういったネタである可能性がある。)。コミックスでも長いアゴがしょっちゅう枠線からはみ出す上に、回によっては下のコマにいた八方斎自身がそのアゴを「なんじゃこれは?」と言って触った場面もある。
転ぶと一人で起き上がれないため、部下に起こして貰っている(この際、部下のボケで「起こせ」をもじったオコゼやおこしを出されることもある)。
また、乱太郎らに「冷えたザーサイ」だの「冷めたチンゲンサイ」などと名前を間違えられるのもお約束。
しかも、名前を素直に呼ばれると寂しがり、乱ちゃんやきりちゃんがワザと呼んであげると大喜びして彼らの頭を叩くのもこれまたお約束。
名前の由来は「冷えた八宝菜」のもじり。
サラサラストレートヘアーランキング第3位受賞。先代お頭に感謝しているようだ。
能力
忍者としての実力は高く、一年は組の面々からは具体的な実力として「山田先生と互角」と言われている。様々な兵法に通じているほか、相手を欺くのは天下一品(自分が騙されることも多い)。また、原作では、一流の幻術使いに匹敵する腕前を披露したこともある(その理由は読者からの応援のハガキをもらったから)。ただし、頭が重いという明確な弱点を抱えている。
普段は間抜けな印象が強いものの対外的には強い影響力を持つ人物であり、作中屈指の実力者である雑渡昆奈門も要注意人物として八方斎には一目置いている。タソガレドキがドクタケに手が出せないのも八方斎がいるからであるとされ、黄昏甚兵衛は八方斎をドクタケ城から遠ざける計略を立ててドクタケを攻め落とそうとしていた。逆にドクタケ側も最強勢力であるタソガレドキには容易に手が出せず、八方斎の存在によって2つの城の均衡状態が保たれている。
鎧を着こむ、坂道で戦うといった手段で頭が重いという弱点を回避する事ができ、そうなれば作中でもトップクラスの実力となる。特に忍術学園の山田伝蔵とは幾度もタイマンで戦っており、20期の対決では伝蔵側が息を切らし、30期の対決では伝蔵側だけが衣服を切り裂かれるなど、シリアスな戦闘では基本的に八方斎がやや上に描かれる。また、忍術学園の六年生6人(手錠を付けていたが武器は装備)を一人で相手取り互角に戦う事もできる。
余談
どこか憎めない部分が多い八方斎だが、憎めないどころのレベルじゃないガチの悪役として描かれることもある。
1996年公開の映画版第1作「映画 忍たま乱太郎」では爆弾で自爆し、乱太郎達を道連れにして殺そうとしている。ただし一応「本気で自爆するつもりは無かった」と発言している。
事実、初登場となる『落乱』あさひコミックス第6巻では、ドクタケとの結託を断固として固辞した兵庫水軍からその腹いせに石火矢(作中の時代で最新鋭の大砲)を盗み取った挙句、隙をついて出城に忍び込もうとした土井半助の策略を見抜いたところで、釘の尖端で壁面に掴まる彼の利き手を執拗に突いて兵庫第三協栄丸諸共に転落死させようとしたり(乱ちゃんときりちゃんに不意打ちされた八方斎自身の長い顎を間一髪掴んで九死に一生を得ることができた)、木野小次郎竹高が痺れを切らしたからとはいえども配下に乱太郎を銃撃するよう命じたり(その上にそして卑怯と躊躇う部下を散々殴打して無理くり決行させようとしている)など、任務遂行のためには手段を択ばない惨忍性が強調されていた(読者からの人気が高まってからは三枚目然とした描写が多くなっている)。
小説版および2024年公開の映画版「落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」では、記憶喪失になった土井を自身の部下として洗脳し、記憶が戻っても忍術学園に帰れなくするため捕らえた乱太郎達を始末させるという卑劣な提案をしている。映画版では描写を若干マイルドにするために土井先生と頭をぶつけた衝撃で八方斎の方も多少性格が変わっていたことになっている(ついでに睫毛も長くなって体型もややスマートになっている)。最初は持ち上げていた風鬼たち部下も、土井に乱太郎たちを斬らせると言われたときはドン引きし、最後にいつもの八方斎に戻ったことに安堵していた。
また、アニメ2期48話「きりちゃん危うし」でも、捕えたきり丸としんべヱを大岩にくくりつけて、その大岩を忍術学園に向けて落とそうとする(当然実行されたら二人とも命の保証はない)といった冷徹な一面を見せた。
二代目の間宮氏はかなり若く(二代目となった2022年9月頃の時点で当時41歳)、レギュラー声優陣の9割より歳下である。人によっては父親と子供または母親と子供ぐらいの年齢差がある。
間宮氏は声質と裏腹に忍たま放送開始当時の年齢は11歳である。(本来は12歳だが当時の彼は誕生日を迎えていない為この年齢。)