概要
第二次世界大戦中に満州国で鹵獲されたとされる、ドイツ製といわれる謎の戦車のようなもの。
「クーゲルパンツァー」とはドイツ語で「玉戦車」を表す言葉である。
1両のみ存在が確認されており、現物は現在ロシアに保存されている。
詳細
先ほど「謎の戦車のようなもの」と記述したのは実物以外の資料が発見されておらず、開発目的や満州に渡った経緯などに関しては未だに不明だからである。
製造したとされるドイツにも資料が無く、「クーゲルパンツァー」との名称すら仮名という話もある。
さらに運用していたはずの日本陸軍や満州国にも開発や入手、配置に関する資料や戦闘記録は残っておらず、鹵獲された時点で戦闘等による損傷の類もなかったとされている。
そもそも本当に満州で鹵獲されたのか、日本陸軍が輸入・運用していたかすら怪しいとの説もある。(対独・対日戦末期の混乱で、鹵獲された場所が取り違えられた可能性もある)
計画だけで終わった兵器は数あれど、これは逆に実物だけしかないのである。
仕様
車体は「玉戦車」の名の通り球形をしている。
後方には出入り口と小さなアーム付き補助輪が付いており、旋回はこの補助輪によって行われたものと思われる。
メインの車輪が2つあるので、補助輪と併せるとツァーリ・タンクなどと同じく3輪である。
乗車定員は1名のみと思われる。
装甲厚は5mm程度であり、これでは小銃弾ですら貫通しそうである。
動力は単気筒の2ストロークエンジンという、原付から小型のバイク程度の簡素なものを使用していた。
この車両は固定武装を持たず、前面と思われる方向に覗き穴が付いており、さらにふさがれてはいるがその下に四角い穴が空いていた形跡がある。
運用
覗き穴の下の小さな穴から( 小銃やサブマシンガン、拳銃などの )銃口を出し射撃できたのではないか、と推測される。
もし装甲戦闘車両として用いるならばまともな戦闘の役には立ちそうにはないし、豆戦車のように牽引車として使うにもエンジンが非力すぎると思われる。
防盾付きバイクのようなものとして偵察のためとして作られたと想定されるが、何らかの作業用車両という線も捨てきれない。
いずれにせよ、戦後70年以上を経た現在でも素性は明らかになっておらず、今後も明かされることはないと思われる。
関連タグ
ナチス・ドイツ:開発元。
満州国:発見された地。(異説あり)
大日本帝国:一応、運用者とされている。
ミクロマン:日本の玩具シリーズ。本機種に酷似したビークル玩具・『エスカルゴ』が初期ラインナップに登場。
ガールズ&パンツァー劇場版Variante:逸見エリカが移動用に使っているシーンがある。