概要
古生代デボン紀に生息したラディオドンタ類の種類(属)の1つ。現時点は Schinderhannes bartelsi(シンダーハンネス・バーテルシ)という1種のみ知られている。
ドイツから発見される。学名「Schinderhannes」は化石発掘地付近の同じ名前の無法者シンダーハンネスに由来する。
全長は約10cm(体長約7cm、尾約3cm)の小型ラディオドンタ類。
化石は不完全なものが1つのみ発見されており、甲皮・口・背面・胴部などの細部は不明瞭。
1対の短い触手(前部付属肢)が先頭の口を覆いかぶさり、細部ははっきりしなが、一応他のフルディア科の種類と似た熊手状である模様。
頭部左右の複眼が大きく、その直後から1対の長い鰭が伸びる。それ以降の胴部は不明瞭で、10節に分れる・鰓があることまでしか分からない。
体型から遊泳性の肉食動物であった可能性が高いとされ、泳ぎまわりながら水中の小動物を捕食していたとみられる。
カンブリア紀以外の時代に生き延びた数少ないラディオドンタ類の1つであり、知られる限り最後のラディオドンタ類でもある。
発見当初では背面が現在の節足動物と似た外骨格に覆われるように復元され、これを基にラディオドンタ類(原始的な節足動物)と現在の節足動物の中間形態と解釈された。
しかしこの説は後に否定され、現在ではれっきとしたラディオドンタ類で、そのうちフルディア、ペイトイアなどと共に「フルディア科」に分類される。