概要
フルディア(学名:Hurdia)は、カンブリア紀に生息したフルディア科のアノマロカリス類の1属で、バージェス動物群の1つでもある。
体長20-50㎝で、他のアノマロカリス類に比べると、体の鰭は短く、鰓はよく発達しており、尾端にはクジラの尻尾のような1対の尾がある。また、口(歯)の奥は多重構造になっており、触手(前部付属肢)は短いものの、たくさんのフックのような棘をもつ5本の長い爪がある。
最大の特徴は、なんといっても頭部の頂部と左右を覆う巨大な3枚の甲皮である。
この甲皮はフルディア以外のアノマロカリス類に見当たらない構造…とかつて思われてきたが、実はアノマロカリス類全般に共通の特徴であると後に判明した。ただアノマロカリスとアンプレクトベルアなどの頭部の甲皮は小さくて不明瞭な円盤状であるため、長い間、その構造の存在が気付かれなかったという。
フルディアに類縁と思われるアノマロカリス類は、ペユトイア(=ラガニア)とエーギロカシスなどが挙げられれおり、これらはアノマロカリス類の科の1つ「フルディア科」としてまとめられる。
生態
フルディアは海底に泳ぎ回った捕食者もしくは腐肉食者であったと考えられる。
短い鰭とずんぐりした体によって、アノマロカリスやアンプレクトベルアほど機敏ではなかったと思われる。その代わりに、大きなホウキ・大きな爪を持った触手・多重構造からなる歯を用いて、より大きくて動きの鈍い獲物を捕獲できたと言われる。