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フルディア

ふるでぃあ

約5億年前のカンブリア紀に生息したラディオドンタ類。しずく型の大きな甲羅を持つ。
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概要編集

フルディア(学名Hurdia)とは、古生代カンブリア紀に生息したラディオドンタ類節足動物の種類(属)の1つ。


カナダバージェス動物群に属する「フルディア・ヴィクトリア(Hurdia victoria)」と「フルディア・トライアングラタ(Hurdia triangulata)」の2種だけ命名されるが、分布域がかなり広く、アメリカ中国チェコにも同属の化石が発見される。


ラディオドンタ類の中ではペイトイアエーギロカシスカンブロラスターなどと共に「フルディア科」に分類される。


形態編集

他のラディオドンタ類より寸胴で分厚い体型をしている。体長はフルディア・ヴィクトリアが30cmの中型(ペイトイアカンブロラスターと同級)、フルディア・トライアングラタが8cmの小型(ライララパクスと同級)。


最大の特徴は頭部の背面と左右を覆いかぶさった3枚の甲皮、その全てが大きな甲羅に発達。特に背面の1枚は特徴的なしずく型で、体長の半分を占めるほど長い。フルディア・トライアングラタの場合、この甲羅は左右も広い。


1対の大きな複眼は、甲皮後方の境目から両背面に突き出している。


1対の(前部付属肢)は短い熊手状で、5本の長いブレードの縁にフック状の棘が並んでいる。

ドゥーム・ポータルズ

(イラスト右下がフルディアの口元)

カンブロラスターと同様、紋章のような形で十字方向の4枚のが大きく、口の奥が多重構造となっている。

2010年代初期の復元像では腕と口が甲羅の根元にあるが、最近ではペイトイアやカンブロラスターの特徴を基に、これらの器官を甲羅の先端付近に付けた方が自然だと指摘される。

フルディア

(イラストは2010年代初期の旧復元)

胴部は太い7-9節に分かれ、他のラディオドンタ類よりが短くてが発達。部はクジラの尻尾のように1対の尾鰭に分かれている。

2010年代初期の復元像では鰭がサメの鰓のような形とされていたが、最近ではエーギロカシスのように、1体節につき2対の鰭を持っていたと考えられる。


生態編集

海底に泳ぎ回る広食性(捕食者から腐肉食者)の肉食動物であったと考えられる。

短い鰭と寸胴な体型から、アノマロカリスペイトイアほど機敏ではなかったと思われる。その代わりに、熊手状の腕と多重構造の歯を利して、(アノマロカリスが食べなさそうな)より丈夫な殻を持つ獲物を嚙み砕き、泥に潜んで見えない獲物を篩い分けて捕食していたと言われている。


発見史編集

同じバージェス動物群ラディオドンタ類であるペイトイアと同様、フルディアは1910年代から既に命名されたが、体のパーツが長い間バラバラで見つかり、全て別の生物と考えられた。なお、ラディオドンタ類として復元されるようになったのは2009年で、ペイトイア(1980年代から)と比べてだいぶ遅い。

  • 1910年代:体のパーツがバラバラで見つかり、背面の甲羅:何らの節足動物の「フルディア」、左右の甲羅:甲殻類の「プロボシカリス」、腕:別の節足動物シドネイアの前脚という、全てが別生物と解釈された。
  • 1970年代:腕はペイトイアやアノマロカリスなどのものと共に正体不明の巨大節足動物の脚と解釈された。
  • 1980年代:口と胴体は見つかっていたが、全て(当時では)アノマロカリス(と考えられたペイトイア)のものと解釈された。
  • 2009年:前述したパーツを全て揃った全身化石が記載され、ついに一体のラディオドンタ類として復元された。腕と口は甲羅の根元に生えて、鰭はサメの鰓のような形と解釈された。
  • 2013年:2009年の全身復元の腕はペイトイアのものであると判明した。
  • 2015年:鰭はエーギロカシスのように体節ごとに2対であることが示唆される。
  • 2019年:腕と口は甲羅の根元ではなく先端付近に生える可能性が指摘される。

フィクション・創作関連編集


関連タグ編集

節足動物 ラディオドンタ類

アノマロカリス ペイトイア エーギロカシス カンブロラスター

古生物 カンブリア紀 バージェス動物群

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