概要
ライララパクスとは、古生代カンブリア紀に生息したラディオドンタ類の節足動物の種類(属)の一つ。
体のシルエットがライラー(楽器の一種、ラテン語 lyra)に似ていることと捕食者(ラテン語 rapax)と思われることから「Lyrarapax」という学名が付いた。
中国の澄江動物群に属する2種、「ライララパクス・ウングイスピナス(Lyrarapax unguispinus)」と「ライララパクス・トライロバス(Lyrarapax trilobus)」のみ知られている。
ラディオドンタ類の中ではアンプレクトベルアなどに近縁で、共に「アンプレクトベルア科」に分類される。
最初に記載された化石は脳の痕跡まで保存され、注目を集まっていた。
形態
体長は8cmが最大で、知られるラディオドンタ類(30~50cmがメイン)の中ではシンダーハンネスやスタンレイカリスなどと並んで最小級である。
頭部は小さく、アノマロカリスなどと同様3枚の楕円形の甲皮に覆われている。
正面1対の腕(前部付属肢)は近縁のアンプレクトベルアと同様ハサミ型であるが、アンプレクトベルアと比べて節が少なく、付け根の大きな棘の前縁部がノコギリ状となっている。
頭部の両背面から1対の複眼が突き出しているが、頭頂部に第三の目を持つという説もある。
口はフルディアやペイトイアのような十字放射状で、前後・左右の4枚の歯が特に大きいが、アノマロカリスのような粒々が生えている。
首は細く4節に分れ、それ以降の胴部は倒三角形。8対ほどの長い鰭は付け根が肩のように出張って、先端ほど後ろに曲がっている。お尻には1対の尾毛がある。
生態
アノマロカリスやアンプレクトベルアと同じ獰猛な捕食者とされる。大きな鰭を羽ばたいて海中を泳ぎ回り、見つかった獲物を腕のハサミで確保していたと考えられる。また、極小(1.8cm)の幼体でも成体と同様禍々しい腕を持ち、かなり幼い頃から既にれっきとした捕食者であったことがうかがえる。
フィクション・創作関連
関連タグ
アンプレクトベルア:近縁。