作品情報
概要
ジャンプSQにて2019年から連載中の少年漫画。作者は近藤憲一。
あらすじ
霊媒体質の螢多朗は霊障を受け、幼なじみの詠子を巻き込んで以来引きこもりに。社会復帰すべく家庭教師を始めるが、そこで螢多朗の体質を利用しようとする小学生・夜宵と出会う。夜宵は母親の魂を連れ去った悪霊を探し出すため、全国の心霊スポットを巡り歩いていた。霊にとって最高の餌である青年と、悪霊狩りを極める少女。ここに、日本各地で悪霊を捕縛していく、恐怖の冒険が幕を開ける。
登場人物
幻燈河螢多朗(げんとうがけいたろう)
CV:島﨑信長
霊媒体質。中学の時に霊障を受け、詠子を巻き込んだため二年余り引きこもり生活を送っていた。夜宵と愛依の家庭教師。
寶月夜宵(ほうづきやよい)
CV:篠原侑
霊媒体質。重瞳で現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)を同時に見る。
交通事故で両親を亡くし、事故現場から『空亡』を思わせる悪霊に連れ去られる母を目撃。母の手がかりを探して心霊スポット巡りをする。従姉妹である詠子の家で暮らす。
寶月詠子(ほうづきえいこ)
CV:花澤香菜
夜宵の従姉妹で螢多朗の幼馴染。かつて螢多朗の霊障に巻き込まれ、同じ呪いを持つ。
かなりのヤンデレかつストーカー体質であり、螢多朗を常にストーカーしているがそれによって螢多朗の危機にいち早く気付き命を救った事もある。
神代愛依(かみよあい)
螢多朗の生徒。不幸体質のせいで兄を死なせてしまう。神に見初められており、20歳までに連れて行かれると言われている。逆に言えば、それまでは他の霊などからは神によって守られる。
両目には神の所有物である事を示す星のような模様が刻まれており、封印等で神の力が及ばなくなると消えるが、神の力が戻ればすぐに再び刻まれる。
神
10代前半の少年のような姿をしており、当初は将来の花嫁である愛依を護るようなそぶりを見せていたが、実際は愛依を所有物としか思っておらず、非常に残虐な性質を持つ。
空亡をも圧倒する強大な力を持ち、戦闘時は自身の周囲に十二天将の式神を展開し攻撃・防御を行うほか、「視肉」という食べる事で回復できる眼のついた肉塊を自在に呼び出す事ができる。
オズワルド
金髪碧眼のスーツ姿の青年で、見た目からは窺い知れないがれっきとした仏道の僧侶らしい。
その正体は悪霊になり代わられた存在で、なり代わり前はかなりの凄腕の霊能者であったらしいが、なり代わり後は「空亡」のために同じく「なり代わり」の闍彌巫子らと共に心霊スポットに呪物を置くなど暗躍している。
闍彌巫子(しゃみなぎこ)
一般的には凄腕の霊媒師として知られる老齢の女性。
その正体はオズワルド同様に「なり代わり」であり、旧Kトンネルにてなり代わられてからはオズワルドらと共に心霊スポットに呪物を置いてまわっていたが、旧I水門にて少年の霊に食われ肉体を失った。
悪霊としての能力は「人間の脳を生きたままスポンジ状にして壊死させる」というものらしいが詳細は不明。
闍彌弥子(しゃみなみこ)
闍彌巫子の双子の姉。
妹と同じく霊媒師だが、その実力は本人曰く更に上とのこと。
妹になり代わった霊への復讐を誓っており、また夜宵の才能を一目で見抜いてスカウトしたりもしている。
ドロシー
夜宵が通う小学校に在籍する「なり代わり」の少女。
元々は人形に宿った悪霊であり、なり代わってからは肉体の元の持ち主の魂を人形に閉じ込め持ち歩き「人間にはもう戻れない」と繰り返し話しかけるなどその行いは非常に悪辣。
しかし思考力は肉体に引っ張られて低下している模様。
霊
夜宵の所持する主な霊・神格
夜宵の所持する霊は基本的にぬいぐるみに取り憑かせた状態で自宅の一室に保管されている(例外は「所有」ではなく「協力関係」にあるH城址の霊など)。
彼女はそのぬいぐるみに自身や親しい人物の爪や髪の毛を入れる事で、霊的攻撃を転嫁する「依代」にしている。
それによって霊達が夜宵達を攻撃しても自身に攻撃が返ってくるため霊同士で牽制しあっており、霊達が夜宵達を攻撃できない膠着状態を作りだしている。
- 鬼子母神(きしもじん)の人差し指
悪性変異した鬼子母神の御神体の人差し指を奪ったもの。普段は指人形に取り付け、敵の霊攻撃を切断したりするのに使用する。
- Sトンネルの悪霊
主に奪った髪を撚り合わせた荒縄で霊を封印したり拘束するのに使用するが、身代わり人形にも使われている。
- H城址の霊
H城址に住まう地縛霊で、本来はかつてH城で起きた悲劇を後世に伝えることが目的の善霊であったが、夜宵達と戦った際には何故か悪霊化しており、夜宵に救われた事で協力を誓い自身の帯を渡していった。
和解後は卒業生と同じように「千魂華厳自刃童子」(せんごんけごんじじんどうじ)という名を与えられており、召喚する際の台詞は「断って」。無数の手で触れる事で対象を切り裂き不治の傷を与える能力を持つ。
- 旧旧Fトンネルの霊
肝試しに旧Fトンネルに来た人間などを捕まえて拷問し、最後は顔の皮を剥いで自分で被ってから相手を殺害する異常かつ危険な悪霊。斧を武器として使い攻撃性が非常に高いが、身体も異常なまでに頑丈で鬼軍曹の祈りにも二段階目までは耐える事ができた。
あまりの異常性から夜宵に封印された後も通常の悪霊と同じ扱いは許されず、自我を奪われ身代わり人形としてのみ使役される存在となった。
封印後は卒業生と同じように「斎弄晒レ頭」という名を与えられている。
- 旧I水門の霊
旧I水門に地縛されている少年霊。
所持しているスケッチブックに描かれた人間や霊は透明な腕によって水門に吊るされ、さらにスケッチブックの絵を塗り潰す事で塗りつぶされた部位が肉団子に変換され、少年霊はその肉団子を食べる事で自身を強化・回復する。
その正体は継母による虐待の末に旧I水門で殺された少年の霊であり、その前に実父と継母の間男も殺害されている。継母は死体処理の方法として、遺体を肉団子にして少年に捨ててくるよう渡しており、少年は空腹のためにそれを実父と知らず食べてしまったが、死後霊となった際に自身と間男の死体を肉団子にする継母の姿を見てかつて食べた肉団子の正体に気づいてしまい、実父への罪悪感と継母への憎悪から悪霊化した。悪霊化してからは全ての顔が継母に見えてしまうようになり、継母への憎悪から無差別に霊や人間を食べるようになった。
夜宵達に敗れた後は悪霊のみを食べるという約束で封印され夜宵の所有霊となった。
封印後は卒業生と同じように「月蝕尽絶黒阿修羅」(げっしょくじんぜつくろあしゅら)という名を与えられている。
- 宇宙人人形の霊
詳細不明だが、かつては強大な霊であった事を匂わせる台詞を夜宵が語っている。
悪霊を食べ続けた事で徐々にかつての力と記憶を取り戻しつつあり、未完成でありながら卒業生に匹敵する圧迫感を持つ強力な霊であることから「過渡期の御霊」(かときのみたま)と名付けられた。
封印を解く際の台詞は「崩して」。
能力を使用せずとも直接攻撃だけで大抵の悪霊は一撃で倒す事ができ、口から放つ光線は地割れと見紛うほどの破壊を引き起こすなど、破格の攻撃力を誇る。
能力発動時は頭部から一本の矢が飛び出し、その矢を中心に発生する空間が歪む程の重力で対象を捉え、同時に矢が飛び出した傷口から流れる血が地面に平安京に酷似した陣を描く。
重力の正体は幾重にも折り重なった人の情念であり、地震のような振動と共に重力は増しやがて対象を押し潰す。
- Aダムの霊
Aダムの監査廊(メンテナンス区域)に住み着く女の悪霊。
「寄生虫」のような霊体を人間に取りつかせ行動を支配したり、養分を吸い取る能力を持つ。
女性を異様に嫌悪し、自身の棲家に入れようとせず入ってきても徹底的に無視する一方で、美形の男性に異常なまでの執着を見せ、“お気に入り”は霊魂だけ抜き取り棲家に監禁し定期的に消滅しない程度に精気を吸い取り、美形でない者は「寄生虫」で全てを吸い取って“お気に入り”に与えていた。
夜宵達に敗れた後は封印され、女性の霊のみの空間に安置された模様。
卒業生
夜宵が自室で悪霊達を互いに殺し合わせるという『悪霊の蠱毒』とも言うべき状況で生き残った事で、超越的な力を得た霊達。
隣家数軒にわたって凶悪な霊現象を引き起こす恐れがあるため夜宵の自宅では管理できず、それぞれ人気の無い場所に封印されている。
彼等を夜宵が使役する際は「〜して 『〇〇(名前)』」という台詞と共に封印を解き使役するが、コントロールは出来ていないため使い所によっては自身にも牙を剥く、諸刃の剣である。
0期生から4期生までいるが、0期生は実験段階での産物でありその危険性から戦力としてはカウントされておらず、現在は名前も明かされていない。同様に3期生についても詳細は不明となっている。他にも「飛び級」や「特殊学級」の卒業生もおり、現時点で卒業生は7体存在している。
- 邪経文大僧正(じゃきょうもんだいそうじょう)
封印を解く際の台詞は「弔って」。
聞いたものを強制的に地獄へと堕とす経文を読み、霊も生者も関係なく成仏させる。
聞こえさえしなければいいため序盤は耳を塞いだり大音量で音楽を聴くなどで対処可能だが、段階が進むと大僧正だけでなく周囲の生物や霊、さらには死体にまで強制的に経文を唱えさせる様になる。そして唱えさせられた者はたとえ耳を塞ごうとも自身の唱える経文を骨伝導で強制的に聞かされる事となり、大僧正の封印以外で対処する事が不可能となる。
卒業生としては最も新しい「4期生」となる。
- 殉國禁獄鬼軍曹(じゅんこくきんごくおにぐんそう)
封印を解く際の台詞は「散華して」。
鬼軍曹自身が軍刀を用いた高い戦闘技術を持つが、それを攻撃に使う事はなく能力によって共倒れとなる様な戦い方を好む。これは後述の彼の願望に由来する。
能力は『衰弱の祈り』。これは鬼軍曹の戦時中の極限状態を一定の範囲内に再現するというもので、三段階あり軍曹が新たな武器を抜く度に効果と範囲が拡大する。ただしこの能力によって死に至る事はなく、能力を食らった者は決して死ねないまま、かつての軍曹と同じ飢餓や疲労を体験する事となる。
- 一段階目…軍曹が短刀を抜く事で発動し、開放時に地面に展開した目のような形の紋様の内側に能力を付与する。同時に筋肉質だった軍曹の肉体が痩せて服装も変化し、普通の霊なら立つ事も厳しいほどの飢餓を味合わせる。
- 二段階目…軍曹がライフル銃を持つ事で発動し、能力範囲は目の形から三角形に拡大、軍曹もさらに痩せて髪の毛が伸び、普通の霊はもはや動く事さえままならない。
- 三段階目…軍曹が手榴弾のピンを抜く事で発動し、能力範囲は三角形から円形へと拡大、この段階では軍曹すら立つ事もままならぬほどに衰弱し、他の者は呼吸する筋肉すら動かす事が困難になる。そして軍曹に取り憑いた水を求める悪霊に血を吸われ、何もできなくなるほどに衰弱するが死が訪れる事は決して無い。
上述のような能力となった理由は、軍曹が生前も霊となった後も人間離れした不死身の肉体を持つ故であり、敵兵の霊に取り憑かれ、周囲の無害な霊達にまで被害が及んでも「霊としての死=成仏」ができず苦しんでいた事が、自身を死に至らしめる究極の衰弱状態を作り出し『衰弱の祈り』の目覚めに繋がった。
卒業生ではあるものの彼自身は善霊であり、霊の蠱毒は通過していない。そのため卒業生としては4人目だが、3期生ではなく「飛び級」扱いとなっている。
- 魄啜繚乱弟切花魁(はくていりょうらんおとぎりおいらん)
封印を解く際の台詞は「煌めいて」。
能力は鬼軍曹と同じく、自身の過酷な経験を相手に味合わせるかのような呪いを振り撒くというもので、三段階に変化する。
- 一段階目『魄啜』…炎の蝶を周囲に舞わせ、それに触れた者は生者・死者を問わず命を啜られ老化する。そして啜った命を糧に花魁は自身の美しさ・呪い・呪いの種類を強化・拡張していく。
- 二段階目『疫病』…『魄啜』で一定量の命を啜る事で発動可能となり、花魁の血を飲むなどして体内に取り込んだ者に花魁が生前罹患していた病の病状が現れる。(病状は全身の瘤、頭痛、発熱、嘔吐、意識の混濁であり、これらは遊郭で流行していた梅毒の主要な病状である)
- 三段階目『炎上楼閣』…花魁の呪いの最終段階であり、相手と自身を炎の廓に閉じ込め、命を糧に燃え続ける蝶で相手の命が尽きるまで燃やし尽くす。本来は花魁自身ですら自在には発動できず、追い詰められて醜くなった自身の姿を後述の「手鏡」で見る事で過去がフラッシュバックし発動する。
生前の弟切花魁は天性の美貌を持ち、貧困の家族を救うため自分を遊郭に身売りし花魁にまで上り詰めた女性であったが、世話をしていた新造(新入りの女郎の意味)の紅に嵌められた事で身請け話を反故にされ、さらに病が発症した事で天性の美貌も失い夜鷹にまで落ちぶれた。
そしてかつて自身を裏切った紅に再会し全ての真実を教えられ醜くなった自身の姿を手鏡で見せつけられた事で深く絶望し、最期は紅共々遊郭に火を放ち焼死した。
その後は手鏡に宿る悪霊となり、その後持ち主が老化する曰く付きの手鏡としてフリーマーケットで売られていたところを夜宵に買われ、1ヶ月後「卒業生」へと変貌した。
卒業生としては3人目にあたる「2期生」である。
- 鎧武者の霊
詳細不明。卒業生としては2人目にあたる「1期生」であるらしい
- 超越地蔵(仮称)
夜宵に取り憑いた七体の地蔵を共食いさせた事で生まれた、一体の地蔵。詳細は不明。
卒業生としては6人目であるが、鬼軍曹同様に卒業生となった経緯が特殊なため「特殊学級」扱いとなっている。
空亡(くうぼう)
夜宵達の最終討伐目標である巨大な霊。本来は百鬼夜行の最後に現れる妖怪につけられた名であり、本作に登場するのは夜宵が名を借りただけの別物。
夜宵の母親の霊を連れ去るところを夜宵が目撃しており、現在は夜宵の母親の霊を母体として成長を続けている模様。
オズワルドらは空亡を『暁闇の胚』と呼んでおり、さらにそれを『御霊』、各地に配置した呪物を『御体』と呼んでいることから空亡を使って何かを生み出す、もしくは誰かを復活させようとしている模様だが詳細は不明。
テレビアニメ
2022年7月27日に2023年夏放送予定でテレビアニメ化が発表された。TOKYO MX、BS朝日、関西テレビ、AT-X、テレビ金沢、山形テレビ、琉球朝日放送にて放送。
Amazonプライムビデオでの最速配信も実施。
また、AT-Xとテレビ金沢以外のネット局では異例の5.1chサラウンドでの放送となった。
スタッフ
主題歌
オープニング「幽世」luz
エンディング「灰色」花澤香菜
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神撃のバハムート・アークナイツ…本作同様、5.1chサラウンドで放送されたテレビアニメ。いずれもソシャゲ原作である。
ポケモン…本作を邪悪なポケモンバトル(ポケスペ仕様)と揶揄されており、尚自分の手持ちでも基本懐くことはなく隙あらば首を狙ってくる
MTG…ギャザリング繋がり、ギャザリング自体が使われることが少ないため、このカードゲームの存在でカードゲームの話と勘違いした読者もいる。