ダークギャザリング

だーくぎゃざりんぐ

『ダークギャザリング』とは、ジャンプSQ.で連載中の漫画作品である。作者は近藤憲一。

作品情報

作者	近藤憲一
ジャンル	少年漫画・ホラー・サスペンスオカルト
出版社	集英社
掲載誌	ジャンプSQ
連載開始	2019年4月号
単行本既刊	15巻
連載状況	連載中

概要

ジャンプSQにて2019年から連載中の少年漫画。作者は近藤憲一。

実在の心霊スポットを舞台に悪霊との戦いを描くホラー漫画で、毒を以て毒を制すならぬ「悪霊を以て悪霊を制す」という破滅的な作風が特徴。

あらすじ

霊媒体質の螢多朗は幼少期より霊障を受け、幼なじみの詠子を巻き込んで以来引きこもりになっていたが、社会復帰すべく家庭教師を始めた所、異質な目と能力と精神性を持つ小学生「寶月夜宵」と出会う。

夜宵は母親の魂を連れ去った悪霊を探し出し倒すため、全国の心霊スポットを巡り歩いていた。霊にとって最高の餌である青年と、悪霊狩りを極める少女。ここに、日本各地で悪霊を捕縛していく、恐怖の冒険が幕を開ける。

登場人物

主要人物

幻燈河螢多朗（げんとうがけいたろう）

CV：島﨑信長

霊媒体質の青年。中学の時に霊障を受け、詠子を巻き込んだため二年余り引きこもり生活を送っていた。夜宵と愛依の家庭教師。

ちなみに、詠子にGPSや隠しカメラで常に監視されていることには全く気づいていない。

寶月夜宵（ほうづきやよい）

CV：篠原侑

霊媒体質の少女。重瞳で現世（うつしよ）と幽世（かくりよ）を同時に見る。

１年半前に交通事故で両親を亡くし、従姉妹である詠子の家で暮らしている。事故現場にて『空亡』を思わせる悪霊に連れ去られる母を目撃し、母の手がかりを探して心霊スポット巡りをする。

寶月詠子（ほうづきえいこ）

CV：花澤香菜

夜宵の従姉妹で螢多朗の幼馴染。かつて螢多朗の霊障に巻き込まれ、同じ呪いを持つ。

かなりのヤンデレかつストーカー体質であり、螢多朗を常にストーキングしているが、結果的にその行為が、度々危機に晒される彼の救出に一役買っている。

神代愛依（かみよあい）

CV：川口莉奈

女子高生で螢多朗の生徒。不幸体質の持ち主で事あるごとに降りかかる災難に苦悩しており、それがもたらした事故で兄が自身を庇って死亡したことに責任を感じている。

下記の神に見初められており、20歳までに連れて行かれると言われている。逆に言えば、それまでは他の霊などからは神によって護られる。

両目には神の所有物である事を示す星のような模様が刻まれており、封印等で神の力が及ばなくなると消えるが、神の力が戻ればすぐに再び刻まれる。

敵対者達

神

CV：斎賀みつき

10代前半の少年のような姿をしており、当初は将来の花嫁である愛依を護るようなそぶりを見せていたが、実際は愛依を所有物としか思っておらず、非常に残虐な性質を持つ。

空亡をも圧倒する強大な力を持ち、戦闘時は自身の周囲に十二天将の式神を展開し攻撃・防御を行うほか、「視肉」という食べる事で回復できる眼のついた肉塊を自在に呼び出す事ができる。

オズワルド

CV：八代拓

金髪碧眼のスーツ姿の青年で、見た目からは窺い知れないがれっきとした仏道の僧侶らしい。

その正体は悪霊になり代わられた存在で、なり代わり前はかなりの凄腕の霊能者であったらしいが、なり代わり後は「空亡」のため同胞らと心霊スポットに呪物を置くなど暗躍している。

闍彌巫子（しゃみなぎこ）

CV：久川綾

一般的には凄腕の霊媒師として知られる老齢の女性。姉の弥子によれば彼女ほどには才能が無かったため、その道一本ではやっていけなかったためにTV出演していたとのこと。

その正体はオズワルド同様に「なり代わり」であり、旧Kトンネルにてなり代わられてからはオズワルドらと共に心霊スポットに呪物を置いてまわっていたが、旧I水門にて少年の霊に食われ肉体を失った。

悪霊としての能力は「人間の脳を生きたままスポンジ状に、全身を壊死させる」というものらしいが詳細は不明。巫子の肉体は失ったがその魂(悪霊)は逃亡し、ドロシーに回収された。

ドロシー

CV：島袋美由利

夜宵が通う小学校に在籍するゴスロリ服に身を包んだ少女。「成り代わり」の人物でオズワルドをお兄様と呼ぶが元の肉体からの関係なのか中身の悪霊がそう呼び慕っているだけなのかは不明。

元々は人形に宿った悪霊であり、なり代わってからは肉体の元の持ち主の魂を人形に閉じ込め持ち歩き「人間にはもう戻れない」と繰り返し話しかけるなどその行いは非常に悪辣。

しかし思考力は肉体に引っ張られて低下しており、夜宵に軽くあしらわれている。

霊能力者

闍彌弥子（しゃみなみこ）

CV：久川綾

闍彌巫子の双子の姉。

妹と同じく霊媒師だが、その実力は本人曰く更に上とのこと。

妹になり代わった霊への復讐を誓っており、また夜宵の才能を一目で見抜いてスカウトしたりもしている。

霊

卒業生byたけしたささみ

夜宵の所持する主な霊・神格

夜宵の所持する霊は基本的にぬいぐるみに取り憑かせた状態で自宅の一室に保管されている（例外は「所有」ではなく「協力関係」にあるH城址の霊など）。

彼女はそのぬいぐるみに自身や親しい人物の爪や髪の毛を入れる事で、霊的攻撃を転嫁する「依代」にしている。

それによって霊達が夜宵達を攻撃しても自身に攻撃が返ってくるため霊同士で牽制しあっており、霊達が夜宵達を攻撃できない膠着状態を作りだしている。

卒業生

夜宵が自室で悪霊達を互いに殺し合わせるという『悪霊の蠱毒』とも言うべき状況で生き残った事で、超越的な力を得た霊達。

隣家数軒にわたって凶悪な霊現象を引き起こす恐れがあるため夜宵の自宅では管理できず、それぞれ人気の無い場所に封印されている。

詳細は卒業生(ダークギャザリング)を参照。

鬼子母神（きしもじん）の人差し指

悪性変異した鬼子母神の御神体の人差し指を奪ったもの。普段は指人形に取り付け、敵の霊的攻撃を切断するなどに用いられる。ただし、「卒業生」相当の強力な霊には通用しない事もある。

Sトンネルの霊

都内最恐とも称されるSトンネルに潜んでいた、長い黒髪で白いワンピースを着た女の霊。主に奪った髪を撚り合わせた荒縄で霊を封印したり拘束するのに使用するが、身代わり人形にも使われている。

逃げ出す癖というか、夜宵の部屋からも脱獄し共食いを逃れるなど逃げ出すことが得意。封じられているのは狸の人形。

空亡（くうぼう）

夜宵達の最終討伐目標である巨大な霊。本来は百鬼夜行の最後に現れる妖怪につけられた名であり、本作に登場するのは夜宵が名を借りただけの別物。

夜宵の母親の霊を連れ去るところを夜宵が目撃しており、現在は夜宵の母親の霊を母体として成長を続けている模様。

オズワルドらは空亡を『暁闇の胚』と呼んでおり、さらにそれを『御霊』、各地に配置した呪物を『御体』と呼んでいることから空亡を使って何かを生み出す、もしくは誰かを復活させようとしている模様だが詳細は不明。

京都編の霊

Aダムの霊

Aダムの監査廊（メンテナンス区域）に住み着く女の悪霊。

「寄生虫」のような霊体を人間に取りつかせ行動を支配したり、養分を吸い取る能力を持つ。

女性を異様に嫌悪し、自身の棲家に入れようとせず入ってきても徹底的に無視する一方で、美形の男性に異常なまでの執着を見せ、“お気に入り”は霊魂だけ抜き取り棲家に監禁し定期的に消滅しない程度に精気を吸い取り、美形でない者は「寄生虫」で全てを吸い取って“お気に入り”に与えていた。

夜宵達に敗れた後は封印され、女性の霊のみの空間に安置された模様。

F公園の霊

F公園のサイレン塔周辺を縄張りとしている老婆の霊。口から見た相手を人間や霊を問わず魂を閉じ込める人形を作り出す能力を持ち、彼女自身も化生肥料の玉を指で弾き、マッハ2を超える速度で打ち出したり、Sトンネルの霊を一撃で殴り倒すなどの非常に高い戦闘能力を持つ。

生前の出来事から＂死神＂と呼ばれる人の死の間際に現れる黒い霊のような存在に復讐心を抱いており、魂を封じ込めた人形をサイレン塔で燃やし、そこに集まってくる死神を捕食して力を得ていた。

シシムラ様

国道一号線OW駅〜OT駅間沿いに建つとある民家の隠し部屋に封印されていた霊。黒い体と長い手足や首、仮面のような顔が特徴。シシムラ様が発した"ばーさーる"という言葉を聞いた相手は手のひらに収まるほどのサイズに縮んでしまい、それを腹部のポケットのような箇所に詰め込むことで、その犠牲者が新たなシシムラ様となる。

心霊スポット

幽霊が出たり心霊現象が起こるとされている場所。本作ではネットの有志により危険度のランク付けがされており、危険度の高い心霊スポットほどより強力な霊が潜んでいる。

危険度ランクの詳細

ランク不明:実際は大したことはない、あるいは危険度SSS相当の場所

SSSランク：評価規格外

SSランク：生者が行くべきでない場所

Sランク：通るだけでも危険

Aランク：高確率で不吉な現象が起こる

Bランク：危険度大。必ず複数人で行くこと

テレビアニメ

2023年7月から12月までTOKYO MX、BS朝日、関西テレビ、AT-X、テレビ金沢、山形テレビ、琉球朝日放送にて2クール連続放送された。

Amazonプライムビデオでの最速配信に加えてU-NEXTほかでも実施された。

また、AT-Xとテレビ金沢以外のネット局では異例の5.1chサラウンドでの放送となった。

なお、本来はドルビーアトモスという立体音響技術によって製作されていたため、こちらについてはU-NEXT配信版とBlu-ray版にて採用されている（※参考資料）。

スタッフ

監督	博史池畠
シリーズ構成	村越繁
キャラクターデザイン	瀬川真矢
音楽	KOHTA YAMAMOTO / 成田旬 / 瀬尾祐介
アニメーション制作	OLM