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ぼくを止めるのび太の編集履歴

2023-07-29 13:06:56 バージョン

ぼくを止めるのび太

ぼくをとめるのびた

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品「ドラえもん」のエピソードの一つ。「ドラえもんだらけ」ならぬ「のび太だらけ」といえるエピソード。

概要

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品「ドラえもん」のエピソードの一つ。TC「ドラえもん+」1巻収録。

ドラえもんだらけ」ののび太版といえるエピソード(ただし「ドラえもんだらけ」は「未来の自分を現在に連れてくる」形だが)であり、同時に「ドラえもん」の作中でよく見られる「過去改変」をテーマにしたエピソードでもある。

なお本誌掲載当時のタイトルは「あとの後悔先に立たず」藤子不二雄ランドでは「ボクを止めるのび太」のタイトルで掲載されており、雑誌『ぼく、ドラえもん。』18号の別冊付録への収録時にこのタイトルとなった。


ストーリー

道端でジャイアンスネ夫が、ポルシェ935ターボのラジコンで遊んでいた。しかしのび太はいつもとは違いそんなことはお構いなしに、「カップラーメン10個を一気に完食する」という夢を実現させようとしていた。だが5個目に差し掛かったところで満腹になってしまい、「こんなことになるならプラモデルを買えばよかった」と後悔して自分の頭をポカポカ殴るのび太。


その様子を見ていたドラえもんが事情を訊くと、運よく親戚の叔父さんから小遣いとして1000円をもらい、これまでの所持金と合わせて1300円になったので、思いっきり使い果たそうとプラモデルとカップラーメン10個のどちらを買うかでさんざん迷った末、カップラーメン10個を選んだのだという。

ドラえもんは呆れながらも「軽はずみな奴だ、やったことは仕方ない。これからはしっかりして…」とのび太を諭すが、のび太は「僕がそれほどバカだと思ってるの?お生憎さま!」と妙に自信満々な様子。

なぜなら、のび太はこの事態を既に想定しており、タイムマシンで1時間前に戻って1時間前の自分を翻意させ、プラモデルを買うよう仕向ける秘策を考えていたのだ。それを聞いて慌てたドラえもんは 「過去を勝手に変えるのはいけないことなんだぞ!いいか!皆がてんでに自分に都合よく過去を変えようとしたらどうなる !? 歴史がめちゃめちゃにこんがらがっちゃうぞ!」 と、自分自身も過去に遡り歴史を変えようとしていることを全否定するような発言をしながらのび太を止めようとする。


しかしのび太は意に介さず、「大袈裟だな。歴史とラーメンと、なんの関係がある?」と言いながらタイムマシンに乗り込む。ドラえもんは仕方なくのび太についていきつつ「歴史には勢いがあってちょっとやそっとじゃ変えられない」と説明するが、のび太はやはり「いいからいいから」と意に介さない。

ドラえもんたちが1時間前に到着すると、そこには小遣いをもらって上機嫌な1時間前ののび太がいた。そこで1時間前ののび太は「プラモなんてちょっと子供っぽいからカップ麺に決めた」と考えていて、それを見た現在ののび太は過去の自分に向けて「プラモにしろ、このバカ!」と言い放つ。

いきなりのバカ呼ばわりに反発する1時間前ののび太に、現在ののび太がカップラーメンを買った結果を話してプラモデルにするよう必死に説得すると、1時間前ののび太は納得してプラモデルを買うことを約束する。しかしドラえもんとのび太が現在に戻っても、過去が変わったはずなのにカップラーメンがプラモデルに変わることはなかった。


不審に思ったのび太は再びタイムマシンに乗り込み、先ほどより少し後の時間へ向かった。1時間前ののび太は既に買い物に出かけていたため、ママしずかに自分の行方を尋ねたが手がかりは得られない。そんなシュールなやり取りの末にようやくスネ夫から 「のび太が模型店に入ろうとした時にもう1人ののび太が現れ、2人ののび太は口論の末に一緒にスーパーマーケットへ行った」 という情報を得て、のび太が慌ててスーパーへ向かうと、ちょうど2人ののび太がカップラーメンを買おうとしている所だった。

1時間前ののび太の前に現れたもう1人ののび太は、現在よりさらに1時間後、すなわち「プラモデルを買ったのび太」だったのだ。1時間後ののび太曰く、ポルシェのプラモデルを買ったはいいが結局完成させられず見事に1300円を水の泡にしてしまい、「僕みたいなぶきっちょな人間には難しすぎる、それならカップラーメンを買った方がマシだ」と考えて過去の自分を翻意させるべく、プラモデルを買う前の時間に来たという。

「いいかげんに作ったからだ!」と怒る現在ののび太に対し、1時間後ののび太が「カップラーメンならしまっておけば好きな時に食べられる」と説得するが、普段買えないような物が買いたい現在ののび太は「そんなのまとまった金を使う意味がない」と譲らない。

自分同士の争いに辟易した1時間前ののび太は「はっきりしてくれ!プラモ !? ラーメン !? どっち !? 」と怒り出すが話し合いは決裂し、いつもの空き地でのび太同士の大喧嘩が始まってしまう。


「お、おい、よせ、やめろ!こんなことで自分同士が血を流すなんてくだらない」


この喧嘩は1時間前ののび太も巻き込んだ大乱闘に発展するが、そこに新たに「君たち~、早くやめた方がいいよ~」と全身傷だらけになった3人ののび太が現れた。どうやら喧嘩を止めるためにこの時間にやってきたらしい。

その後、のび太の家に戻った3人ののび太はドラえもんに「喧嘩はやめたけど、こんがらがって誰が何時間前に帰るのかわからなくなっちゃったんだ。何もなかったことにして振り出しに戻してよ」と相談するが、ドラえもんは「そりゃ無理だ。これだけもつれると、完全に元通りには戻せないね」と困惑する。

結局3人ののび太はタイムマシンでなんとかそれぞれの時間へ戻っていったのだが、こんがらがってしまった歴史はやはり完全に元に戻ることはなく、最終的にのび太はカップラーメンのプラモデルを買ったことになってしまっていた。そして「カップ麺のプラモなんて作っててもちっとも面白くない」と言いつつつまらなそうな表情でそのカップラーメンのプラモデルを作るのび太と、その様子を微笑みながら眺めるドラえもんだった。


なお、作中の時系列を整理するとこの通りとなる。


余談

このエピソードは、のぶドラ版(1997年11月14日放送)及びわさドラ版(2011年6月17日放送)で1回ずつアニメ化されている。なおのび太がカップラーメンを食べる際、原作ではフォークを使っていたが、アニメでは共に箸に変わっている。


のぶドラ版

基本的には原作通りの展開だが、ここでは3人ののび太がドラえもんに相談する際に心配になった現在のドラえもんがタイムマシンで1時間前の世界に来て、結果的に2人のドラえもんが3人ののび太から相談を受ける展開に変更されている。また1時間前ののび太が喧嘩に巻き込まれる流れも、原作とは異なり「喧嘩を始めた2つの未来ののび太を仲裁するために自ら介入する」形になっている。

2人のドラえもんが3人ののび太の望みを叶えるべくどうすればいいか、考えた末にある方法を思いつく。現在のドラえもんが「じゃ頼むよ」と言い、1時間前のドラえもんが「うまくやっておくよ」と返すと、現在のドラえもんは「1時間前の僕がうまくやってくれるはずだ」と言いながら、現在ののび太と1時間後ののび太を元の時間に送り返すことにする。

その後のオチは原作通りなのだが、「カップ麺のプラモデルなんてやだ~!」と文句を言うのび太にドラえもんが「どののび太くんの望みも叶えるとなると、こうするしかなくてさ」と言っているため、歴史がこんがらかった訳ではなく1時間前のドラえもんが3人ののび太の希望を全て叶えるよう行動した結果、中を取って1時間前ののび太がカップラーメンのプラモデルを買う形にしたという展開になっている。


わさドラ版

ここではのび太がカップラーメンを買うことになる経緯が詳しく描写されている。叔父さんから小遣いをもらいカップラーメンを買いに行ったのび太だが、途中でジャイアンとスネ夫が「無敵ロボ クラッシュキャノン」のおもちゃで遊んでいる所に遭遇する。そこで2人に「のび太にはお菓子のおまけがちょうどいいんじゃないの?」「対象年齢3歳以下」とからかわれて憤慨したのび太はカップラーメンとプラモデルのどちらを買うかで悩んだ末、「プラモデルはすぐ飽きるし、お腹いっぱいにならない」という結論に達し、原作と同様にカップラーメンを買うことにする。その後は中盤までほぼ原作通りの展開で進むが、2つの未来ののび太が喧嘩になるシーンが曇り空の下強風が吹き荒れる中で「いつかはこうなる運命だったんだ…」「僕のくせに、僕に勝てるとでも思ってるのか…?」と決闘めいた妙にシリアスな雰囲気で、さらに3人ののび太の喧嘩を止めるべく傷だらけののび太3人が現れた所からの展開が変わっている。原作及びのぶドラ版では傷だらけののび太たちはいつの間にかフェードアウトしているが、ここではなんと喧嘩をやめた3人ののび太と一緒にのび太の家までついてきている。そのため、ドラえもんは合計6人ののび太から相談されるというさらにカオスな状況に陥っている。

またこんがらかった歴史を修正する際も、原作及びのぶドラ版ではタイムマシンを使用しているが、こちらは時間を巻き戻すことができるサイコロ形のひみつ道具フリダシニモドルを使用している。

ドラえもんは「オプション機能を使用すれば、いじった過去を元通りにできる」とこの道具を使用し、6人もいたのび太をなんとか1人にすることに成功する。しかし過去が微妙に混ざり合ってしまったことで完全には元に戻らず、原作と同様にカップラーメンのプラモデルを買ったという歴史になってしまった。


まさかの製品化

作中に出てきたカップラーメンのプラモデルだが、2020年に日清食品の開発協力の下、バンダイから実際にカップヌードルのプラモデルが発売された。対象年齢15歳以上で価格は2420円。詳細はこちら


関連タグ

ドラえもん ドラえもんのエピソード一覧

野比のび太 ドラえもんだらけ


自分会議昨日のオレは今日の敵俺と俺と俺:同じ作者が描いた似たような趣旨のSF短編作品。

外部リンク

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