水中を航行できる船。
概要
軍事用である軍艦の場合はこのまま呼び、民間の海底探査や遊覧用の場合は「潜水艇」と呼ぶのが多い。
隠密性と航続性能が特徴。20世紀前半での速度は水上最高速が最大でも18-20kt前後、水中最高速は最大でも8-10ktと御世辞にも高速とは言えず、敵の駆逐艦や巡洋艦、航空機に発見された場合の生還は難しかった。「ドン亀」などと揶揄されることも多く、高速性能の向上は涙滴型や葉巻型を待たねばならなかった。ちなみに、日本陸軍も海軍に対抗して潜水艦を造ったが、まるゆ(三式潜航輸送艇)とも呼ばれていた。
大昔から水中を進める船は考えられ、第一次世界大戦にドイツ軍がUボートを開発。通商破壊戦にて大いに活躍した。第二次世界大戦では日本海軍が、実戦には間に合わなかったが、特殊攻撃機「晴嵐」を搭載できる潜水空母ともいえる巨大潜水艦を製造した。
冷戦期には原子力機関が実用化され、核弾頭大陸間弾道ミサイルを満載した艦が深海に潜み、米ソ互いに睨みをきかせた。
海上自衛隊は対潜能力に特化しており、近海に出没するソ連(現ロシア)の潜水艦に睨みをきかせている、近年は中国の潜水艦も時々ウロチョロするようになった。
余談であるが、閉鎖された狭い空間に長期間滞在という心理的に非常に過酷な環境のため、屈強な軍人といえど精神疾患に罹患しやすいとか・・・。原子力潜水艦は、理論上何年でも潜水できるが、その前に人間の心身の方が限界となるため、任務はせいぜい数ヶ月までとなっていると言われている。