以下、ネタバレ注意。
概要
『GAMERA-Rebirth-』の終盤に登場した敵怪獣であり、本作のギャオスの特異個体。
ユースタス財団の上層部によれば、この様な個体が発現したのは10万年ぶりだともされている。
ガメラによって(ギロンと同様に)真っ二つにされたバイラスの遺骸の一部によって重傷を負ったエミコ・メルキオリが、バイラスの死骸に近づいた際にバイラスの死骸の中から出現した(超音波メスを使ってバイラスの死肉を摂取していた)。そして、愛おしげに近づいたエミコを捕食し、バイラスの死骸も完食したことで瞬く間に巨大化した。
- 本作に登場するガメラ以外の怪獣の特色として、人間や同種を含む他の怪獣の血肉を摂取することで急速に成長したり再生するとされている。
結果として、本作に登場した怪獣ではバイラスをも超える最大の体躯になり、シリーズ全体で見ても、『ガメラ2000』に登場した複数のボスやガラシャープやマザーレギオンなどと共にトップクラスのサイズを持っている(イリスは触手の長さが2km弱あり、ジーダスも長大な尻尾を含めて全長が150mあるものの、体躯自体はそこまで大きくない)。
頭部には新たに皮膜の様な器官が発現しているほか、(マザーレギオンの様な複眼ではなく)「複数の目」を持つのも、シリーズの「本編」に登場した怪獣としてはエスギャオスと本作のジャイガーが初である。目が増えた理由は不明だが、ガメラが福生近郊の戦闘にてギャオスに対して目つぶしを行っていたことから、ガメラへの対抗策とも考えられる。
- 本作の敵怪獣は、各個自身に再生能力があるだけでなく、上記の通り特定の生物の血肉を摂取することで急速に再生をブーストさせる特性を持つため、福生近郊の戦いでも、大型と小型のギャオスたちは失明してもそこまで狼狽えていなかった。
生態
通常のギャオスとは比較にならないほどに巨大化しており、ガメラをも圧倒する巨体を持つ。防御力も大幅に上昇しており、胴体だけでなく舌もガメラの火焔弾に耐える。
- 通常のギャオスの場合は、歴代へのオマージュであるが、火焔弾によって片足が瞬時に焼失した。ただし、エスギャオスに関しては現段階では公式資料が発売されていないため、他の怪獣と同様に「エネルギーシールド」を持つのかは厳密には不明となっている。
しかし、それゆえに飛行ができず、歩行と水泳に限定されるという状態になっている。しかし、泳ぐのは決して苦手ではない模様であり、長距離を短時間で移動している。また、超大型とはいえギャオスであるためか、負傷したガメラが肉弾戦で抵抗できていたり通常兵器の攻撃で仰け反っているので、膂力もそこまで高くはない。
最大の特徴として、ユースタス財団によって拵えられた特定のRNAウイルスを舌を使って対象に投与し、その怪獣を「リプログラミング」することが可能である。この舌は触手の様に精細で俊敏な挙動が可能であり、戦闘の最中にも瞬時に対象を捕捉することができる。そして、一度捕捉されたら怪獣でも自力で舌を抜き取ることが困難である。
なお、超音波メスの威力自体は特段上昇しているわけではない模様であり、戦車や戦艦を一撃で破壊している一方で、負傷していたガメラに際立ってダメージを与えた様子はなかった。
また、本作のジグラと同様に、ガメラの電磁衝撃波によって一時的にスタンされていたことから、頭部の皮膜が感覚器として機能しており、そこをガメラが逆手に取った可能性もある。
余談
- 劇中では、「ガメラを狙って」出現した唯一の敵怪獣であった。
- 遊泳能力を持つギャオス系怪獣は、ジーダスのほか、(本作のジグラと外見上の類似性がある)「シーギャオス」や「ギャオスレイ」以来となる。また、「本編」に遊泳能力を持つ「純粋な」ギャオスの派生種が登場したのは今回が初である。
- ガメラを超音波メスで攻撃している場面は、『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』の一場面を意識した構図になっている。
- ストーリー上での役回りや描写などは、ジーダスを中心に、イリス、アルビノギャオス、『ガメラ2000』の各ボスなど歴代のギャオス系のキャラクターに近い。
- エスギャオスの登場は、一見すると本作の宣伝文句の一つである「GAMERA vs 5 KAIJU」と矛盾している様にも想えるが、エスギャオスもギャオスの特異個体であるため、「ガメラvs5種類の怪獣」と解釈すればあながち間違ってはいないのかもしれない。
- 舌を使った攻撃とそれによってガメラを攪乱する能力は、ジーダスと昭和版のジャイガーやジグラだけでなく、バルゴンとガラシャープという、本作に登場が期待されたができなかった筆頭候補たちの能力を意識していると思わしい。
- 本作に登場する怪獣では、エスギャオスに遊泳能力が付与された一方で、昭和版では海上でも暴れまくったジャイガーが泳ぐ場面は見られなかった。
- いわゆる怪獣側のラスボスであるが、オープニングロールで思いっきりネタバレされていたのが印象的である。あえてオープニングを制作しなかったのか、それとも予算と時間が不足していたのかは不明である。