能力
人としての理性はなく、ただ自分と関わりがあった場所を徘徊し、他の人間の肉を食らう飢えた獣と化している。
また、胃液は強力な酸性を帯びており、相手がすぐ下の段差にいると真下にそれを吐きだして攻撃する。
生命力は極めて強靭で、手足を失ったり、心臓に銃弾を受けても意に介さず活動可能。
ただし頭部だけは別で、ここを失うと即座に活動を止める。
発生した経緯
本作品に登場する企業「アンブレラ」は、表向きはウイルス治療の製薬会社だが、その実態は生物兵器を開発する死の商人だった。
彼らは非道な人体実験を繰り返した末に軍用ウイルス「T-ウイルス」を完成させるも、1998年、アメリカ中西部の「アークレイ研究所」で漏洩事故が発生。感染した職員全てがゾンビ化し、さらに近隣の小都市で猟奇殺人事件を起こすという大惨事となってしまった。
これを皮切りに、世界中のアンブレラ関連の施設でウイルス漏洩事故が発生し、人々はバイオハザードの恐怖を知ることになる。
ゾンビ化の過程
T-ウイルスには、感染した生物の遺伝子情報を変化させ、肉体を強靭に作り替える作用がある。
最初に起こるのは新陳代謝の異常促進で、筋力が増大してゆく。
(その際、全身にかゆみが発生)
そのため身体から急速に養分が失われ、対応するために内臓の働きが変化。胃液の酸性が増し、食物を効率よく消化、吸収できるようになる。
(食欲が増大)
逆に他の内臓は不要器官となり機能が停止。心臓に銃弾を受けても致命傷にならず、窒息死さえなくなる。
(血流が止まって皮膚がうっ血、徐々に壊死)
同時に大脳が徐々に破壊され、知能が低下。理性ではなく本能に従って行動するようになる。
(不定期に意識が混濁)
そして末期には全身の皮膚が壊死し、理性と意識を完全に失い、ゾンビと化すのである。
ウイルスに感染してからゾンビ化までは個人差があり、早くて即日、遅くても2週間。また遺伝子とウイルスの相性によって一割ほどの者は発症をまぬがれることがある。
派生種
シリーズが進むにつれて新たに登場した、様々な変異を遂げた個性豊かなゾンビたち。
中にはボス級の強さを持ち、要所でプレイヤーの前に立ちはだかる。
しかし、近年ではゾンビと定義付けるには性質や発生経緯が微妙な敵も増えており、必ずしも定番の敵というわけではなくなってきている。
T-ウイルス系統
ゾンビ改
「バイオハザード2」に登場。ウイルスの実験段階で人為的に生み出されたゾンビで、筋肉組織が剥き出しとなった奇怪な容姿が特徴。通常のものよりも攻撃力が高く、このゾンビがリッカーに変異したものが「リッカー改」になるとされている。
「バイオハザードRE:2」には登場しないが、コンセプトアートにてこのゾンビ改らしき没クリーチャーが用意されていたことが分かる。
リッカー
十分な栄養の確保に成功したゾンビが突然変異によって進化したクリーチャー。筋肉組織が剥き出しとなったような姿に鋭い爪と牙に長い舌を備え、視力が退化した代わりに聴力が発達している。運動能力はゾンビとは比較にならず、優れた走力と跳躍力を有し、壁や天井に張り付いたまま難なく移動する。性質も極めて凶暴で、時にゾンビすら捕食対象にする。その高い戦闘力からB.O.W.に転用され、様々な亜種が後の作品にも登場している。
グリーンゾンビ
「アウトブレイク ファイル2」に登場。T-ウイルスに汚染された植物と同化したゾンビで、頭部から花を咲かせている。攻撃を受けると花粉を噴き出し、それに当たると毒状態となる。
クリムゾン・ヘッド
リメイク版1作目で登場した変異種。詳細はリンク先参照。
ペイルヘッド
「バイオハザードRE:2」のエクストラコンテンツに登場する変異種。詳細はリンク先参照。
Cウイルス系統(ゾンビ変異体)
ブラッドショット
赤く染まった部分を持つゾンビを倒すと、その場で変異することがあるクリーチャー。全身の筋肉組織が剥き出しとなった姿は「リッカー」を彷彿とさせ、通常のゾンビの上位種に位置づけられる。弱点は心臓に位置する部分にあるコア。ゾンビよりも更に機敏な動きと強力な攻撃、高い耐久力を備えるが、タイミングはシビアながら、カウンターで容易く倒すことも可能。
シュリーカー
首が膨れ上がって長い袋のように発達した異形のゾンビ。直接戦闘能力は低いが、袋に溜め込んだ空気を一気に放出して特殊な絶叫を響かせて獲物の動きを封じつつ、周囲のゾンビを一気に活性化させるという厄介な性質を有する。しかし、空気を溜め込んでいる袋を破壊されると、周囲のゾンビを即死させる絶叫を放ちつつ死亡するため、群れを一網打尽にすることが可能。
ウーパー
異常なまでに肥満化・巨大化した異形のゾンビ。肥満患者の如くブクブクに太った肉厚なボディには攻撃が通用しにくく、耐久力も高い。身体が大きいのでゾンビお得意の噛み付き攻撃よりも、パワーと質量に任せた肉弾攻撃で暴れ回り、進路を塞ぐ障害物として登場することもある。強敵だが重い身体故に脚への攻撃に弱く、両脚を破壊されるとしばらく動けなくなり、大きな隙を晒すようになる。より巨大化・強化された「ウーパー・シュリーム」という上位種も居る。
その他
ゾンビではないが、他のウイルスや寄生生物によって生み出された雑魚敵の中には、ゾンビに相当するものとして大量に出現する個体が数多く存在する。