概要
惑星ルビコン3で活動するならず者集団(ドーザー)の一つで、ACやMT、果ては解体・建設用等数々のパーツの製造や改造を行っている技術者集団。
企業やルビコン解放戦線に所属している訳ではなく、飽くまで「その他大多数」の内の一派である。
その実態は「パーツの製造や販売する能力を、一応持ち合わせてはいるならず者集団」とも言える様なもの。
過去作で言う所のミグラントのようなものである。
RaDはドーザーの中でも最大手にあたる。
主に非戦闘用ACのパーツを多く製造しており、今作におけるEYEシリーズの開発を行っている組織でもある。
この組織に所属しているメンバーの中にはコーラル中毒者が混じっているが、RaDに限らずドーザーというものは基本的にこんな感じである。
そもそもドーザーという名前もブルドーザー等を指す「ドーザー(Dozer)」ではなく、キマりまくった(Overdose)ヤク中共という意味合いで「ドーザー(Doser)」という由来。つまり中毒者が多いのが普通なのである。
リーダーは「灰かぶり」の二つ名を持つシンダー・カーラという女性。
また、彼女の補佐役兼縄張り争いの露払い役としてチャティ・スティックが存在するが、彼はカーラが1から自分で組み上げた自立型AIである。
アリーナ最下位の傭兵であるインビンシブル・ラミーもここの所属であり、彼女の工場を防衛している。
組織エンブレムには「Reuse and Development」(再利用と発展)とも書かれており、組織名であるRaDはその略称と思われる。
エンブレムのデザインもリサイクルマークをもじったもの。
販売する兵器はどれも元々は作業用だったものを戦闘用へ改造した機体がメインで、フレーバーテキストにも「戦闘向きではない」「元々は作業用であった」と書かれている。
その特徴を再現してか、RaD製のACパーツはどれもピーキーで尖りまくった性能の物が多い。
また、重ACには「WRECKER」(解体業者)、強制スタンをもたらすスタンボムは「THERAPIST」(療法士)、跳躍に優れた重量逆関節は「SPRING CHICKEN」(若鶏)、大量のミサイルをばらまくクラスターミサイルは「DELIVERY BOY」(出前の配達人)といったように製品名に皮肉や洒落を効かせている物が多い
…が、中には酔ったまま品番登録したせいで「12345」という名前になってしまったものもある。
組織名の通り廃品やジャンク品からパーツを再生産しており、カーラの愛機である「フルコース」を構築するフレームは廃品ベースであることがフレーバーテキストから読み取れる。
メンバー
RaDのリーダー。ランクは11/B。今回の面妖な変態技術者。
詳細については記事を参照。
チャティ・スティック / サーカス(cv. 青山穣)
カーラが1から生み・育てたAI。ランクは14/C。
当初の目的である「笑える話し手」とは異なりカーラの聞き役になっているようであり、互いにかけがえのない仲間でもある。ミッションによってはC4-621との敵対・共闘もある。
AIでありながら下手な人間よりよほど情緒的で愛嬌のある性格をしており、花火大会を開催する、カーラが嬉しそうにしているのを伝えるためだけに621にメッセージを送るなど茶目っ気のある行動を取ることもある。
「生きるってコトにバックアップなんかない」というカーラの美学に基づき、チャティが破壊される=死に繋がる唯一無二の存在。
事務的でありながら情景描写に富んだ独特の口調で語られる「チャティ構文」は汎用性が高く、細部や大筋を改変しSNSなどで様々に利活用されている。
二次創作界隈ではペット型ロボットや美少女ボディに組み込まれる常連。
乗機である「サーカス」は両肩に性能の異なるミサイルを積み、左右の手にはそれぞれ小型のバズーカとグレネードを構えた軽量タンク。
尖りすぎていてタイマンではさほど苦労する相手ではないが、カーラの僚機として動く場合は主人のミサイル弾幕を更に補充しつつ、フルコースには不足気味な遠距離での決定力を両腕で補う素晴らしいコンビネーションを発揮する。
アイスワーム撃破作戦でも「弾幕要員」として派遣されているあたり、元から他機体への火力支援を想定しているのだろう。
高速で走り回れる軽量タンク脚部が広い地形と噛み合っているためか、アイスワーム戦で最後まで生き残っていることが多い。
インビンシブル・ラミー / マッドスタンプ(cv. 佐々木拓真)
(メイン画像左下の人物)
カーラの工場の防衛担当。
コーラルドラッグの常用者で「自分は無敵」(インビンシブル)という誇大妄想に取り憑かれている。何度負けても翌日には(ラリって)忘れているので死ぬまで無敵である。
つまり、彼はいつもの枠ということ。彼もまた主人公のメタファーか。
乗機の動きはお世辞にも良いとは言えず、アリーナランキング最下位も納得の雑魚ではあるが、油断すると左腕のチェーンソーでごっそりと物理的に削り取られる(それすら近接適正の低い腕のせいで本来の威力は発揮できないが)。
オーネスト・ブルートゥ / ミルクトゥース(cv. 安元洋貴)
元RaD所属。
現在はRaDの商売敵であるドーザー集団「ジャンカー・コヨーテス」のリーダー。
様子のおかしい人。
詳細については記事を参照。
主なAC・フレームパーツ
今作における初期機体。
フレームの型番がまちまちなので、正式な名前がこれであるかは不明。
部品の詳細などについては記事を参照。
探査用のACフレームとの事で、腕部は廃品回収用のマニピュレーター、脚部やコアは宇宙での活動用、頭部も観測装置といった感じ。
初期機体かつ非戦闘用という事で全体的な性能は控えめだが、低いEN負荷と軽めの重量がポイント。
きちんと構成を吟味すればジェネレーター以外は序盤以降も使い続けることはできなくもない。
問題のジェネレーターもアップデートにより、最序盤はなんとか使える程度の性能にはなった。
また、本作の看板機体であるナイトフォールも頭部パーツが発展型であること以外はこれと同様のフレーム構成である。
- WRECKER
土建・工事用の機体を戦闘転用したフレーム。まさに名は体を表す。
とあるミッションにて頭部・腕部・コア・脚部がそれぞれ小分けにされて隠されている為、使うためにはそれらを見つけ出す必要がある。
重機じみたゴツいボディに、元作業用であることを示唆するフレーム構造や防塵フィルタ、大型のクリップじみたマニピュレーター、そして溶接マスクを思わせる特徴的な頭部がユニークな機体。
扱いやすいLOADER4とは違ってこちらはピーキーの極みと言える代物で、防御と安定性能に極振りした清々しさと漢らしさを感じさせる一品。
反動制御はトップだが射撃適正と近接適性が最低の腕部、積載量に優れるが跳躍性能が最低クラスの脚部等、何かしらを犠牲にする代わりに活かしたい部分を極限まで高めた性能となっている。
ある意味ではソブレロの後輩とも言える。
- RC JAILBREAK
あるミッションにて強制的に乗ることになるジャンクACの構成フレーム。
該当ミッションクリア後にタダでもらえる。
RaDの面々が壊れかけの旧式ACを現地改修し、なんとか動かせるようにしてくれたものらしい。
外観はボロボロになったBAWS製AC・BASHOで、パイプの一部が破け装甲も剥げ、センサーの一部が非点灯だったりと、なんとも痛々しい見た目となっている。
見た目だけではなく性能面も酷いことになっており、ほぼBASHOの劣化版とも言える状態。
一応、装甲が一部失くなっているためか軽くなり、スキャン性能も上がっている。
ゲーム中では名前の通りJAILBREAK(脱獄)に使うため、廃棄物と見分けがつかない状態でなくては敵の目を掻い潜れなかったのだろう。
……なお、こんな有様のACで火力が足りない四脚以外の全てを叩き落とす正真正銘の戦闘狂も居る模様、当然弾は足りないが、殴って蹴れ、そしてまた殴れ、今作では立派な手と脚があるじゃないか
- FULL COURSE / フルコース
カーラが自ら駆るAC「フルコース」を構成するフレーム。
LOADER 4と同じく型番とパーツ名がまちまちなため、便宜上の名前として記載。
「ジャンクによって構成されているが、技術者を総動員して調整されている」というフレーバーテキストにもある通り、カーラ専用のワンオフ機を構成しているだけあって戦闘能力は高くなっている。
量産を前提としていない出自故か、ショップ売りのフレームの中ではアーキバス先進開発局設計の最新機種に次いで高額なパーツとなっている。
傾向としてはWRECKERを戦闘向けに最適化し、姿勢安定性能を特に充実させた形。
防御面にも優れる。
真正面から攻撃を受け止めて相手へ撃ち返す戦術を主とする、まさしく「二本足で歩くガチタン」とも言える性能となっている。
尚、機体フレームの命名規則はコース料理にちなんだもので、頭部は「アペタイザー(前菜)」、コアは「メインディッシュ(主菜)」、腕部は「サラダ」、脚部は「デザート」となっている。
加えてカーラが愛用する武器は肩ミサイルの「スープ」とハンドミサイルの「アペリティフ(食前酒)」で、文字通りの満漢全席(フルコース)を意識した名前。ここでもカーラの「笑い」のセンスが光っている。
- RC-2000 SPRING CHICKEN
作業用に開発された逆関節型脚部。
本来は戦闘向けではなく探査や作業用のACに使われるフレームとして製造されたものらしい。
しかし、そのフレーバーとは裏腹に優秀な跳躍力と高めな積載量から、実戦での使用にも十分に耐えうる性能を持っている。
謂わば良い意味でのフレーバー詐欺。
重そうな見た目に反して「若鶏」の名の通り軽快に跳ねながら戦っていける。
弱点は低めの姿勢安定と見た目ほど高くない防御面か。
ちなみにLOADER 4を構成するフレームと型番が似ている(同じ2000代の型番かつ、フレーバーの書き方も似ている)のでその換装用部品として開発されたものと思われる。
- HC-2000/BC SHADE EYE
上記LOADER 4の頭部パーツ「HC-2000 FINDER EYE」をRaDが戦闘向けに魔改造したもので、LOADER 4の欄にて解説したナイトフォールの頭部パーツ。
独立傭兵「レイヴン」の為に作られたワンオフ機であるとのこと。
原型機では下部からせり出していたカメラセンサーは左目のように付け替えられ、のっぺりとした頭部装甲もゴツゴツしつつも細身のスタイリッシュなデザインに進化。
まさしく戦闘メカと言えるようなイケメンフェイスになり、従来のEYEシリーズを思わせる外観に近づいた。
更にアサルトブーストとターゲットアシスト起動時は後頭部パーツが変形して機体の前面を覆うバイザーへと変化。
どこまでも素敵すぎるギミックてんこもりである。
性能面も良好、文字通りのハイスタンダードと言えるような数値がポイント。
とりあえずで選べる点は非常に優秀。
形式番号であるSHADE EYE(シェイドアイ)とは、「日陰の目」の英語読み。
MT、特殊兵器
- MB-0202 TOYBOX / トイボックス
「おもちゃ箱」の名に違わぬトンチキ&ビックリ変形機構を搭載したMT。
装甲に包まれた車輪の様な形態で転がりながら移動し、戦闘時には展開して三脚タイプのMTとなる。
肩部・腹部・シールド付きの両手にはびっしりと銃口が並んでおり、これらから一斉掃射を行って攻撃を行う。
車輪形態から立ち上がったと思いきや腹部の銃口より弾幕を放つ様から、ファンからは「腹筋爆発ダンゴムシ」という愛称で呼ばれている。
コヨーテスが改造した機体には強力なパルスアーマーを展開する機能を持つものがいる。
こちらは腹筋からの射撃に加えて広範囲にパルスアーマーを広げ遠距離攻撃をシャットアウトしてくる。
撃破した際に表示されるログでは重MTに分類されている。
一見そこまで重くなさそうだが、重量や大きさで分類しているわけではないのだろう(二次大戦中の重戦車・軽戦車といった分類も国によって基準が違い、重さではなく武装や用途で分類していた国もある)。
- MB-0100 CLUTCH / クラッチ
RaD、およびコヨーテスを相手取る場面で敵として出てくる事が多い四脚型MT。
四脚の下半身がベースで、バリエーション毎に全く異なる上半身に組み換えられているのが特徴。
元来が作業用なのか金属切断用のチップソーや放電ダメージを与えるアーク溶接を装備している事が多く、デザインも重機っぽいのが特徴。
あり合わせの鉄板で全身を守る防御型や、高誘導の大型ミサイルを搭載した遠距離砲撃仕様も存在する。特に前者はその見た目に反してかなり防御性能が高い。
機体名のCLUTCH(クラッチ)とは掴む、握るといった意味で、下半身の四脚がアームを兼ねており、壁や天井に張り付く事ができることに由来する。
(画像左下)
作業用MTを改造して作り出した自立型大型兵器。RaDが保有する戦力の1つ。
両腕には金属裁断用の超大型グラインダーブレードをライオンシュレッダー宜しく搭載し、近づく敵を両腕ですり潰す。
更には機体そのものに製鋼用の炉が搭載されており、背中の高炉煙突や頭部の排出部より熱々の銑鉄を火山噴火の如くぶっかけるという色んな意味でぶっ飛んだ攻撃も特徴。
その名前に反する殺意満々の武装とデザイン、そして試遊会での暴れっぷりよりファンから付けられたあだ名は「ルビコニアンデスルンバ」。
RaD内でもイカれた兵器扱いされている模様。
一応は解体と金属の溶解を一手に担えるという便利なものではあるが、恐らくカーラの性格上涌き出るインスピレーションと魔改造気質が合わさって誕生した悪魔的悪乗りの化身と言えるだろう。
- 大型ミサイル
カーラが敵対ドーザーへの粛清を行う際に用意した「打ち上げ花火」。
三発ほど準備しており、「花火大会」の護衛を621は任されることになる。
防衛対象なのでこれそのものが敵を攻撃することはないが、ミッション完了まで守り切ると噴煙と共に発射。
襲撃を仕掛けてきたドーザーのいるグリッドへと飛翔し、ド派手な大爆発を魅せてくれる。
発射シークエンスや着弾地点の弾道計算はチャティ・スティックが行っており、彼が指定したターゲットマーカー……からちょっとズレた地点にミサイルは着弾する。
それでもすさまじい爆発規模故か、ドーザーにとってはこういうことも平常運転なのかは分からないがカーラはあまり気にしていない。
なお、エアはグリッドに咲いた大輪の花を見つつ「きれいな花火ですね。」とコメント。
彼女も彼女で中々にルビコンな思考である。
過去にカーラが制作していた全長数百メートルにも及ぶ超巨大電磁砲。
物語開始時点では、以前にRaDに潜り込んでいた人格破綻者オーネスト・ブルートゥによって、ブルートゥの為にカーラが組んだACミルクトゥースと共に持ち逃げされており、作中にて対アイスワームの最終兵器として運用すべく奪還される。
カーラ曰く「威力と射程は折り紙付きだが、使用電力と命中精度に問題がある」らしく、対アイスワーム戦においては旧宇宙港の待機電力を集中させた上にアーキバスの主力部隊「ヴェスパー」の第4隊長、V.IVラスティが狙撃手を務める形で運用される。
起動後はその大電力故か数十km離れた所からでも明らかに判る程光り輝いており、プレイヤーがアーキバスから試供された最新兵器・「スタンニードルランチャー」を以ってアイスワームのコーラル二重防壁の一枚目を破ると、長い充填時間を経て二枚目を破るべく発射。
圧倒的火力とラスティの狙撃能力により、強固な防壁を一撃でブチ抜いてアイスワームをダウンさせるという、作中最強の一撃を見せ付けてくれる。
しかし立て続けに二度防壁を破られた事でアイスワームはリミッターを解除、より高出力のシールド展開する。
それを破る為にコチラもラスティの判断でオーバーリミットされ、トドメの一撃を放つともに完全に自壊、使用不能となった。
関連タグ
変態企業:厳密には企業ではないが、そのトンチキぶりは過去作の尖った企業と大差ないだろう。
ゾフィー・ファダス:壊滅した惑星の住民で、武器やらを作っては売って生計を立てるジャンク屋と言う点はRaDを含むドーザーと同じと言える。