概要
相模の獅子のお出ましだ、道を開けやがれ！！
CV：石塚運昇（『3』〜真田丸）、江原正士（『OROCHI3』）
無双奥義・奥義皆伝の文字：『粋』『獅』
『戦国無双3』からプレイアブルキャラクターとして登場。
相模を治める後北条家三代目当主。「相模の獅子」の異名を持ち、甲斐の武田信玄、越後の上杉謙信と関東の覇権を争い、「関東三國志」の一角として並び称される。
人物像
衣装のシンボルカラーは黒と赤。
ライバルの信玄や謙信にも劣らぬ筋肉質な体躯を誇り、無精髭を蓄え胸を開けたラフな装いを好む野性味溢れる風貌の中年男性。髪はくすんだ金髪で、鼻筋の通った大きな鼻や、眠たげな瞼から覗く鋭い目など、渾名通り「獅子」を彷彿とさせる渋い顔立ち。また、史実における向こう傷の勇士のイメージに倣ってか、顔には右目と鼻筋に走る十文字傷、開けた胸にも複数の切り傷の跡が残っている。
出で立ちに違わす性格も「不良中年」という言葉がしっくりくるワイルドな人物。
口が悪く、べらんめえ口調で辛辣な言葉を吐き捨てる毒舌家でもあり、よく「ド阿呆」と相手を叱責する。家臣である成田氏長の娘・甲斐姫のことは「成田のせがれ」などと男扱いしてからかい、その度に甲斐姫に憤慨されている。
しかし、その本質は自国の民や家臣、そして家族を思いやる仁君であり、気だるげな普段の言動の裏では戦の先を見越して慎重かつ早急に手堅い策を導き出すなど政治手腕にも長けている。愛妻家であり、よく「愛しのかみさん」のことを話題に挙げる。本人こそ登場しないものの、作中での会話によると義兄の今川義元と顔がそっくりであるらしい。
また愛煙家でもあり、イベントシーンでは常々煙管を吹かしている。
バトルスタイル
使用武器は仕込み杖。
一般的な仕込み杖と同様に刀が仕込まれている他、納刀時は散弾銃にもなるという多機能な代物。加えて特殊攻撃や奥義などでは煙玉・かんしゃく玉を使用している。その他、浴びせ蹴りや頭突きや、オッサン臭さを醸しだすために接待ゴルフや草野球の動作で仕込み杖を振るうなどコミカルなアクションが多い。
性能面では、癖も強く性能的にはやや扱いが難しいキャラクターでもある。
『戦3-OROCHI2』時期では率直に言えば弱キャラ。
「使えるか使えないか」は個人の観点に左右されるが、殲滅力・対単体いずれも強みが薄く、客観的な強弱でいえば大まかな区分で最下位クラスにいることは明白。
通常攻撃はリーチが短く振りも遅い上にチャージ攻撃も微妙で、その恰好良さに惚れていざ使ってみたら弱点は多い上にこれといった長所もなくて微妙に感じてしまった人は少なくない。
神速攻撃が実装された『戦4』以降だと対照で猶更Nの弱さが際立っている。逆に言えば神速攻撃のおかげで欠点が補われ大きく使いやすくなっている。
無双OROCHI2では素の弱さに加えて産廃タイプのテクニックタイプに所属して目も当てられないことに。しかもアクション性の進歩した三国6系統のキャラやコラボキャラと比べられてしまい猶更哀愁が漂う。
タイプアクションはまあまあ使える部類なのが救いなので高難度ではこれを主軸にしていくべきだろう。
Ultimateの修羅やアンリミテッドモードで活用していく場合かなり考えてビルドする必要がある。
『無双OROCHI3』では神器に最強クラスのハルパーを得て非常に広範囲に巻き込みが期待でき、神速攻撃も使えるので、チャージ攻撃こそ例によって微妙だが明確な強みを得て前作の汚名を返上することに成功した。
余談だが、『無双OROCHI2』では特殊武器として「魔法翔杖（マホウショウジョウ）」なるいかにも魔法少女の使用する魔法のステッキ風のファンシーなデザインの仕込み杖が登場している。ピンク色のハートと天使の羽の意匠が実に可愛らしいステッキを、厳つい不良中年が異形の魔物を相手に振り回すその光景は実にシュールである…さすがにギャップ萌えとまではいかないが。
人間関係
家族・家臣
北条家に味方する風魔忍者・風魔小太郎との付き合いは非常に長く、それこそ氏康が幼少の頃まで遡る（ただし小太郎自身は当時からその姿形は変わらず、氏康は「途中で代替わりしている」と解釈している）。幼少期、自身の臆病さに絶望し自害を図ろうとする氏康のもとに突如現れ、「恐れを知らねば、人は傲慢になるだけだ」と、その臆病さこそが当主としての資質であることを諭す。以来、氏康はその「オバケさん」に自身が傲慢にならぬよう監視することを契約し、現在に至る。そのため小太郎とは家臣というよりは利害の一致する協力者に近い間柄（本作での小太郎は、大名たちが領土を広めるため無作為に自然を破壊することを嫌っている）。時折、当時のように「オバケさんよ」とからかって呼ぶことも。
同じく『3』から参戦した甲斐姫のことは、その慎みのない言動から男呼ばわりしてからかってはいるが、彼女もまた大事な家族として気にかけており、極稀に優しさを垣間見せる。
『4』では娘の早川殿が登場し、親としての表情も見せるようになっているが、同時に戦場で立派に戦い、弟たちを励ます娘の成長ぶりに驚いている。
ライバル
近隣の国を治める今川義元、武田信玄、上杉謙信とは常々衝突しているが、上記二人とは後に甲相駿三国同盟により親戚関係となっている。
とくに義兄（かみさんの兄）である義元に対しては、その血縁関係や妻に似た顔立ちもあり敵として対峙した際にはやりづらさを吐露している。一方で味方として共闘する際も、マイペース且つフリーダムな義元の行動に振り回され「かみさんと同じ顔でなきゃぼてくり回してるところだ」と苛立ちをみせている。『無双OROCHI2』の陣地会話では「“お義兄ちゃん”って呼んでほしい、の！」とせがまれ、明らかに困惑していた。
その他
『4』以降は前述の愛娘の登場により、同じく娘を持つ本多忠勝や明智光秀との交流も生まれた。二人の前では、才色兼備な娘を自慢する親バカっぷりを披露した。また、光秀にはよく齢の割に落ち着きのないお転婆な娘のことでたびたび相談を持ち込まれており、面倒事を察してあしらおうにも子犬のような目で訴えられて結局断れず、渋々協力するお人好しさもみせている。
『真・三國無双』シリーズとのコラボタイトル『無双OROCHI』シリーズには『2』から参戦。孫堅と「江東の虎と相模の獅子」と称し、盟友として共闘している。戦場では冗談を、平時には酒を交わすなど、非常に仲睦まじい姿が描かれている。
シナリオ上は重鎮格の一人でそこそこスポットが当たっていて扱いがいい。
一般武将時代
武器:刀(1)、薙刀(2emp)
1作目は無印では登場せず、猛将伝で今川義元の無双演武『小田原城潜入』の総大将として登場。
信玄の口車に乗せられて、攻めてきた義元をみてため息をついていた。
2empiresでは、一般武将の智将グラフィックに師将のボイスという組み合わせで登場。
汁かけ飯の逸話や謙信の着物の端をお守りとしたいといったイベントが用意されている。
余談
2018年9月に発売された『無双OROCHI3』では当初、氏康役はこれまで通り石塚運昇氏の続投を予定していたが、同年8月13日の石塚氏逝去の急報を受け、スタッフ一同による追悼のメッセージが公開されると共に、石塚氏の引継として江原正士氏が氏康の声を担当することが発表された。奇しくも両氏は、漫画『鋼の錬金術師』の各アニメ作品でそれぞれ登場人物であるホーエンハイムの声を担当している（江原氏が2004年版にてホーエンハイム・エルリックを、石塚氏が2009年版(FA)にてヴァン・ホーエンハイムを担当）。また『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』では同じく江原氏がモンスーン、石塚氏がスティーヴン・アームストロングで出演している。
この上ない程にはまり役だったため、非常に惜しまれている。
関連タグ
⇒北条氏康(史実)
