炭素
たんそ
非金属元素の一種。有機物の構成要素であり、水素、酸素とともに生物体の主要構成元素である。
概要
他の元素との結びつき方で、他の全ての元素を合わせたよりも多彩で複雑な化合物を作り出す(有機物)。このため有機化合物を扱う化学は有機化学といい、無機化学と区別される(ただし、二酸化炭素や一酸化炭素のような単純な炭素化合物、重曹のような炭酸塩は無機化合物に分類される)。
有機物を不完全燃焼すれば炭(無定形炭素)として簡単に単体を取り出せるため、その存在は古くから知られていた。単体でとる形態(同素体)も多様で、鉛筆の芯に用いられるグラファイト(黒鉛)、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、フラーレンなどが知られる。
2原子の炭素間の共有結合(炭素結合)によってタンパク質、脂質、炭水化物などの有機物の基本骨格をつくり、すべての生物の構成材料となる。水素、酸素と合わせた3元素の合計で人体の約8割を占める。