この場所でおまえは『振り向いた』
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」の舞台、M県S市杜王町のコンビニエンスストア:オーソンと薬局:ドラッグのキサラのスキマにたまに出没する小道。
自身を殺した殺人鬼への怨みと未練により成仏できないでいた杉本鈴美とアーノルドが居る場所。
この入口はほとんどの人には見えないため、当然地図にも載っていない。見える人(時)にはオーソンと薬屋の間に道路が存在するように見えるが、見えない人や入り口が閉じているときはオーソンのゴミ箱が置かれているなんの変哲もない細い隙間である。
この世とあの世の境目にある奇妙な場所で、鈴美が殺された当時の町並みそのまま、落ちている犬のフンまで残っている。
近所で凶悪な殺人事件が起こったことなどから周囲の住人は随分前から住んでいる様子はなく、人が通らないせいなのか自販機の電源なども落とされた状態になっている。
杜王町で人が死ぬと上空を魂が飛び去っていくらしく、鈴美はその姿を見て殺人鬼が未だに杜王町に潜み、殺人を繰り返している事に心を痛めていた。
この場所自体が誰かのスタンド能力により生じたかものなのか、はたまた怪異の類であるのかは不明。
後述する正規の手段以外での脱出が不可能であるため、スタンドを上空へ飛ばそうとすると平衡感覚を失って地面に衝突したりしてしまう。ただし、岸辺露伴は普通にスタンド能力を使っていたため、完全に使えないわけではない模様。
脱出するには単に振り向かずに、ポストの先を左へ曲がってすぐの「出口」に向かって歩いていけば良いだけである。だが、その名の通り「絶対に振り返ってはいけない」というルールがある。
振り向いてしまうと、この場所にいる「何か」の無数の手によって捕まえられ、あの世へと連れて行かれる。基本的にはこの「何か」は後ろから気配を出す、転ばせるなどの妨害をするだけで、意思を強く持って振り返らずに進めば何の問題もないらしい。
が、康一と露伴が迷い込んだ時は鈴美の声色を装って「もう大丈夫」と声をかけ、振り向かせるという巧妙な罠を見せている(鈴美曰く「こんなハメ方をするなんて今まで一度もなかった」らしい。変な連中に気に入られやすい康一だからこそだろうか?)。
なお、この手は魂を捕まえるものだからか、スタンドであっても後ろを振り返ってしまった場合は問答無用で引きずり込まれ、振り返ってない場合は引き摺り込まれた者とどんな関係であっても何も起きない。
康一は露伴が機転を利かせ「何も見えなくなって吹っ飛ぶ」と書き込んで何も見てない事にしたおかげか無事に通りから脱出している。ただし、後に露伴の背中に張り付いたスタンド「チープ・トリック」は能力(無理に引き剥がすと本体の背中が裂ける)を無視して引き剥がされてあの世に連れて行かれており、その時の憑依先=本体の露伴にはなんの異変も起こしていない。
実写版『岸辺露伴は動かない』
本作には杉本鈴美は登場しないものの、第5話「背中の正面」で、この小道に相当する場所が登場する。
前回においてとある男に関わって恐ろしい目にあった露伴から「『坂』に潜む怪異」の話を聞いて、『坂』と名のつく場所に関する都市伝説について調べ始めた泉京香がその調査の中で見つけた『坂』の1つ、「平坂」として登場。
原作と違って「かごめかごめが聞こえる時、決して振り返ってはいけない場所」」とされており、それ以外の時に振り返っても何も起きない。
しかし「かごめかごめが聞こえる時」=普段は「通りゃんせ」であるはずの音響信号のメロディが「かごめかごめ」に変わった時に振り向いてしまうと原作同様に無数の手によって「あの世」へと引きずり込まれてしまう。
この「平坂」という名は日本神話における『振り返ってはいけない』伝説に纏わる場所「黄泉比良坂」に由来するとされ、同じように「平坂」と名のつくこのような場所は他にも存在すると推測されている。
また露伴曰く、「坂」とは「何かと何かを隔てる、超えてはならない『境(さかい)』」でもあるという。
同話終盤では露伴が「背中に取り付いてしまった怪異」を引き剥がす為に訪れ、露伴の背中を見た泉に取り憑くため「振り向いた」その怪異を、原作と同じように引きずり込んでいった。
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