その他曖昧さ回避
(いち)
- 人が多く集まる地域・場所の総称
→都市
- 物品の交換や売買が行われる取引所(場)
→お市の方
日本の地方行政府(し)
日本の「地方自治法」制度における基礎自治体たる市町村の一つで、行政事務権限や全体的な経済規模などの側面から地方都市として事実上の最高クラスの位置付けとなる。
英語圏におけるシティー(city)に該当するとされており、国内の各市や東京都の23特別区では公式の英語表記に用いている。
近代国家としての地方行政区分としては明治時代の1889年に開始。
明治時代以前より市街地や集落などとして用いられていた「町」や「村」となり、この近代的制度への転換をもって用いられるようになった。
人口が5万人以上であるなどの一定の条件を満たした区域が指定される。
市としての成立以降に過疎化での人口減少などで上記の諸条件に該当しなくなった場合も、町や村に降格する事はない。
2000年代の平成の大合併政策において、市町村合併を促進するため法令上の条件の一部が緩和。
その結果広大な農山村や漁村地域も含む面積がかなり大きい市や町が多数誕生した。
海外
海外では、基礎自治体ではなく広域自治体としての「市」が存在することがある。
中華人民共和国の市は、「省」に相当する「直轄市」から、県に相当する「県級市」まであり、「市」(直轄市、準省級市、地級市)の中に、「県」と並んで「市」(県級市)があったりする。
直轄市の中で最も大きい重慶市は北海道に相当する広さを誇り、一番小さな省である海南省よりも広大である。
準省級市、地級市は従来の「地区」が再編されたもので、都市部と言えるのはこのうちの「市轄区」部分のみである。
中国以外でも、首都またはこれに準じる大都市については州と同格の広域自治体として位置づける特別市を設ける国は多い。
また、国によっては基礎自治体としての機能を持たない「行政市」というものもある(日本の行政区と同じようなものと考えればよい)。
韓国の済州島の済州特別自治道は広域自治体と基礎自治体を兼ねており、特別自治道移行の際、島内の自治体が廃され、新たに公選市長と市議会を持たない行政市「済州市」と「西帰浦市」が発足した。
日本語では「市」としばしば表記されていても、行政区分としての実態を持たない都市をもある(日本の東京23区を海外で「東京市」と表記してしまうようなもの)。
英国のロンドンは、1986年に大ロンドン市が廃止されてから、2000年に大ロンドン庁として復活するまで「ロンドン市」という行政区分は存在しなかった(シティ・オブ・ロンドンは直訳すると「ロンドン市」だが、ロンドン中心部のごく狭い地域を占めるにすぎない)。
フランスやイタリアの基礎自治体は全て「コミューン」(フランス語)「コムーネ」(イタリア語)とされ、特に制度上の区別はない。
日本語で「マルセイユ市」「カマンベール村」などと表記されるのは訳語の問題であって、「カマンベール市」などとしてしまっても構わないわけである。