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概要
『仮面ライダー』、『サイボーグ009』と並ぶ石ノ森の代表作。1966年、週刊少年サンデー春休みゆかい号にて『縄と石捕物控』の題で読み切り作品として登場。江戸の町を舞台に、下っ引き「佐武」の操る斬新な捕縄術と、彼の親友である盲目の按摩師「松の市」が繰り出す碁石投げ(こっちでは「めくらは千の眼があるんでござんすよ」と言って白目と黒目を投げる)&抜刀術が予想外の人気を呼び、以後『佐武と市捕物控』に改題して不定期連載。
しかし、編集者からの「子供には難しい」という意見で、サンデーでの連載は終了。後に青年向け雑誌として創刊したビッグコミックに場を移し、再び読者の人気を集めることとなる。
1968年4月号、サンデー版の子供っぽいキャラクターデザイン・場面の描写から一変し、同作者作品の『ジュン』でも使われた実験的な演出技法を用い、大人向け漫画として連載を開始。72年4月10日号にて連載を終了するが、その後も様々な雑誌にて読み切り作品を掲載する等、作者の思い入れも強い事がわかる。
(後に、某氏が『サイボーグ009』や『仮面ライダー』を褒めた際、石ノ森の担当編集が「先生、この作品を褒めてほしかったんですよ」と『佐武と市捕物控』をあげた)
大都社、メディアファクトリー、小学館文庫、笠倉漫画文庫と発表の場は多岐に渡り、小説と漫画の中間作品である『死ゃらく生』、『画劇佐武と市捕物控』といった異色作をも含むと、2014年現在に於いて完全な形での全集は確認出来ていない。
評論家の呉智英は石ノ森の技法を褒める際、この作品の「シャマイクル」における、冬の北海道の原野を、「見開きで墨ベタ大量使用」で表現するシーンを挙げ、同様に島本和彦は、石ノ森萬画を評論するに際して、本作品中の松の市の悪夢の表現を指し
「ここでですね!我々石ノ森ファンはですね!!「石ノ森ッ!!」と叫ぶんですよ!」
と言っている。
登場人物
アニメ
1968年10月3日、当時としてはまだ珍しい青年向けアニメとして放送開始、全52話を放送。虫プロとスタジオゼロの共同制作で(後に東映動画も参画)、実写動画を挿入する等の技法が用いられ、それまで原作を知らなかった(アニメ版からの)新たなファン層も開拓した。
脚本は、大原清秀などドラマでも活躍している脚本家が手掛けた。
また、石ノ森章太郎が、自身が原作を手掛けたアニメの中で最も愛した作品と言われている。
ナレーション・主なゲスト声優
- たてかべ和也(放送当時:立壁和也)
- 滝口順平
- 小林清志
- 峰恵研
- 永井一郎
- 広川太一郎
- 池田昌子
- 大塚周夫
- 堀絢子
- 来宮良子
- 加藤精三
- 野沢雅子
- 納谷悟朗
- 野村道子
- 清水マリ
- 青野武
- 宮内幸平
- 増山江威子
- 白石冬美
- 野沢那智
- 桂玲子
- 沢田敏子
- 飯塚昭三
- 家弓家正
- 小原乃梨子
- 田の中勇
- 内海賢二
- 八奈見乗児
- 雨森雅司
- 柴田秀勝
- 矢田耕司
- 毒蝮三太夫
など。
制作・スタッフ
- 制作:虫プロダクション、スタジオ・ゼロ、東映動画
- 主な演出:りんたろう(虫プロ)、真崎守(虫プロ)、鈴木伸一(スタジオ・ゼロ)、吉良敬三(スタジオ・ゼロ)
- 音楽:山下毅雄
- 作画:村野守美、杉野昭夫、沼本清海、飯野肇、石山卓也 など。
- 主題歌:「佐武と市捕物控」/作詞:大町志郎 作曲:山下毅雄 歌:坂梨昇(アニメED)
「佐武と市」という曲名で、GEMシンガーズも歌っている(坂梨版とは歌詞が違う)
小説版
1976年にはアニメで脚本も書いた辻真先、1999年には蘭巴(二冊)が執筆している。
蘭巴版は、市が「市っつぁん」と呼ばれているなど、原作とは多少設定が異なる。
ドラマ
十手野郎捕物控
TBS系で、1971年10月6日から1972年2月9日に放送された。全18回
出演者
スタッフ
- 演出:山本和夫
- 脚本:柴英三郎、窪田篤人、辻久一
1981年版
1981年から1982年にかけてフジテレビの時代劇スペシャルで4話製作された。
出演者
スタッフ
- 監督: 吉川一義
- 脚本: 廣澤榮
2015年・2016年版
BS日テレ15周年記念スペシャルドラマとして放送された。
出演者
スタッフ
- 監督: 雨宮望
- 脚本: 寺田敏雄
パチンコ
2011年にニューギンから「CR佐武と市捕物控」として登場。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
スーパーヒーロー戦記 :正式な参加作品ではないものの、群衆の中に佐武と市と思わしき二人がカメオ出演している。