概要
兵庫県姫路市出身。会社員の息子で当時としては裕福な家庭に育ち、成績は優秀だった。
広島陸軍幼年学校在籍時に終戦を迎え、兵庫県立姫路西高等学校を卒業。
広島で終戦を迎えているが幼年学校は7月末に阿南惟幾陸軍大臣が疎開させたため自身は被爆していない。
1949年に関西学院大学文学部に入学するが、翌年病気のため中退。入院中にラジオ作家堀江史郎の弟と知り合い、退院後は芸能界入りを目指し堀江を頼って上京した。
1957年に劇団「葦」へ入団。当初は「平凡な顔立ち」という理由で、外国ドラマ・アニメなどの声優としての活動をしていたが、1966年に『事件記者』に急逝した清村耕次の後任としてレギュラー出演し、世間に広く知られた。続いてNHKドラマ『横堀川』での主人公を慕い協力する寄席芸人・ガマ口役でその演技力を認められ、第4回ギャラクシー賞を受賞した。
映画ではお調子者の中間管理職や中小企業の社長役を演じ、1970年の『喜劇 頑張れ!日本男児』で映画初主演。
1969年から森繁久彌主演の映画『社長シリーズ』にも数本出演し、1970年には明治座において森繁劇団10周年記念公演に出演した。1986年10月29日から、TBS系で放送された森繁主演のテレビドラマシリーズである『おやじのヒゲ』に10年にわたってレギュラーとして出演した。
森繁からはプライベートでも実の弟のようにかわいがられており、小林桂樹とも昔からの共演が縁でとても仲が良かったといい、晩年にはツーカーの携帯電話のCMでも共演している。
ドラマでは大阪の商人ものやホームドラマに多く出演。ホームドラマでは小太り・黒縁メガネ・口ひげがトレードマークで家に帰ると和服に着替えて一杯という典型的な昭和の父親像を演じている。
1975年、橋田壽賀子脚本「愛ってなぁーに」の出演をきっかけに、その後、多くの橋田作品に起用された。特に1990年よりスタートした『渡る世間は鬼ばかり』での五人姉妹の父親である岡倉大吉役は晩年の代表作と言われ、認知度も高い。
1969年から2004年までの35年間、サンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」のCMに出演していた。
2006年2月21に肺炎のため『渡る世間は鬼ばかり』を降板。同年10月20日午後3時18分、慢性腎不全のため東京都新宿区の慶應義塾大学病院で死去。76歳没。
主な出演作品
映画
- 女であること(1958年、東宝)
- 座頭市地獄旅(1965年、大映) - 寸八
- 新・兵隊やくざ(1966年1月3日、大映) - 豊後一等兵
- 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年4月17日、大映) - 佐藤医師
- 丹下左膳 飛燕居合斬り(1966年4月21日、東映) - 与吉
- 座頭市牢破り(1967年、大映)
- クレージー映画(東宝)
- クレージー黄金作戦(1967年4月29日) - 大浜部長
- 日本一の男の中の男(1967年12月31日) - 高野宣伝部長
- 若大将シリーズ(東宝)
- フレッシュマン若大将(1969年1月1日) - 藤原課長
- ニュージーランドの若大将(1969年7月12日) - 藤原課長
- ブラボー!若大将(1970年1月1日) - 西岡
- 社長シリーズ(東宝)
- 社長えんま帖(1969年1月15日) - ポール花岡
- 続・社長えんま帖(1969年5月17日) - ポール花岡
- 社長学ABC(1970年1月15日) - 猿渡平一
- 続・社長学ABC(1970年2月28日) - 猿渡平一
- 喜劇 頑張れ!日本男児(1970年5月23日、東宝) - 荒木俊夫
- 喜劇 男売ります(1970年10月3日、東宝) - 岡村邦彦
- 喜劇 ソレが男の生きる道(1970年11月22日、東宝) - 鶴屋好太郎
- 昭和ひとけた社長対ふたけた社員(1971年5月22日、東宝) - 珍田徳平
- 昭和ひとけた社長対ふたけた社員 月月火水木金金(1971年10月30日、東宝) - 珍野徳平
- 新 仁義なき戦い 組長最後の日(1976年4月24日、東映) - 米元政夫
- 八甲田山(1977年6月18日、東宝) - 門間少佐
- 八つ墓村(1977年10月29日、松竹) - 久野医師
- 日本の首領 野望篇(1977年10月29日、東映) - 樽井源吉
- ダイナマイトどんどん(1978年10月7日、東映) - 岩崎警察署長
- 月光仮面(1981年3月14日、日本ヘラルド) - 松田警部
- 連合艦隊(1981年8月8日、東宝) - 福留軍令部部長
- 南十字星(1982年5月15日、東宝) - 松本大佐
- 小説吉田学校(1983年4月9日) - 広川弘禅
- 男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983年8月8日、松竹) - 北村社長
テレビドラマ
- おいら次郎長(1961年、TBS)
- どらぼや人生(1963年、TBS)
- 虹の設計(1964年、NHK)
- 大河ドラマ(NHK)
- 青春とはなんだ(1965年、NTV)
- 事件記者(1966年、NHK) - 矢島記者
- 横堀川(1966年、NHK) - ガマ口(式屋四郎)
- ザ・ガードマン 第80話「罠には罠を」(1966年、TBS) - 木村
- 坊っちゃん(1968年、MBS) - 野だいこ
- 東芝 日曜劇場(TBS)
- 女と味噌汁その14(1969年9月7日) - 奈良原豊雄
- ふうふう夫婦(1969年)
- きんきらきん(1969年)
- はまぐり大将(1970年)
- 愛ってなぁーに(1975年7月13日) - 西野史郎
- やぶ髭ないしょ話(~1985年)
- おーい春子(1985年8月25日)- 岩村修三
- 愛・七つの質問(1987年2月22日)
- 太陽にほえろ!(NTV) - 鮫島勘五郎(鮫やん)
- 第44話「闇に向って撃て」(1973年)
- 第67話「オリの中の刑事」(1973年)
- 第89話「地獄の再会」(1974年)
- 第156話「刑事狂乱」(1975年)
- 第205話「ジョーズ探偵の悲しい事件簿」(1976年)
- 第252話「鮫島結婚相談所」(1977年)
- 第394話「鮫やんの受験戦争」(1980年)
- 第472話「鮫やんの大暴走」(1981年)
- 第711話「ジョーズ刑事の華麗な復活」(1986年)
- 大都会 闘いの日々 第13話「再会」(1976年、NTV) - 大阪府警捜査四課・三沢刑事
- 新・座頭市 (CX)
- 第1シリーズ 第29話「終りなき旅路」(1977年) - 坊主医者
- 第2シリーズ 第18話「こやし道」(1978年) - ニセ按摩
- 桃太郎侍(1977年、NTV) - 雉の与之助
- 吉宗評判記 暴れん坊将軍(ANB)
- 第73話「富士の白雪に燃えた男」(1979年) - 駒田主水
- 第192話「泣き笑い河内人情ど根性」(1982年) - 官六
- 熱中時代 刑事編(1979年、NTV) - 潮田衛太郎
- 鮎のうた(1979年、NHK) - 田崎秀之助
- 江戸を斬る(TBS / C.A.L)
- 江戸を斬るV 第6話「使えぬ右手が謎を解く」(1980年) - 源吉
- 江戸を斬るVII(1987年) - 一番組吉五郎
- 水戸黄門(TBS / C.A.L)
- 第13部 第19話「萩焼き頑固くらべ -萩-」(1983年2月21日) - 徳兵衛
- 第18部 第22話「祇園太鼓で悪退治 -小倉-」(1989年2月13日) - 長兵衛
- 大岡越前(TBS / C.A.L)
- 第7部 第16話「見合い相手は殺人鬼」(1983年8月8日) - 勘五郎
- 第10部 第6話「弱者に誓う大岡裁き」(1988年4月4日) - 伍平
- 森繁久彌シリーズ おやじのヒゲ(1985年 - 1996年、TBS) - 柳富太郎
- 私鉄沿線97分署 第87話「パッと花咲け! ヤッチャン親父」(1986年、ANB) - 鬼頭政五郎
- 鬼平犯科帳 第1シリーズ 第12話「兇剣」(1989年、CX) - 高津の玄丹
- 大江戸捜査網 平成版第1シリーズ 第1話「隠密同心参上!」(1990年、TX) - 田沼意次
- 渡る世間は鬼ばかり(1990年 - 2005年、TBS) - 初代岡倉大吉役(後任は宇津井健)
- 白い巨塔(1990年、ANB) - 財前又一
- HOTEL(TBS)
- 第4シリーズ 第9話「車椅子の幽霊!?」(1995年6月8日) - 並村隆三
- 第5シリーズ 第2話「史上最低のお客様」(1998年4月16日)- 岡崎
テレビアニメ
劇場アニメ
- うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年、東宝) - 夢邪鬼
吹き替え
- ディズニーランド(テレビ番組)(1959年?-1965年、日本テレビ)-ドナルドダック〈2代目〉※坊屋三郎の後任または肝付兼太の前任。