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岡っ引き

おかっぴき

江戸時代の、町奉行所や火付盗賊改方等の警察機能の末端を担った非公認の協力者。
目次 [非表示]

池波流ノ介「あのな…岡っ引きはじゃないぞ」

梅盛源太「なにぃ~!? そうなのか~っ!?」

 (『侍戦隊シンケンジャー』第二十八幕「提灯侍」より)


概要編集

時は江戸時代、南北両町奉行所、火付盗賊改方の同心の手先となって、捜査や捕り物の手伝いをする。


奉行所より十手を預かっているため、捜査、捕縛の権限もあった。

岡っ引きの手下として「下っ引き」という子分もおり、銭形平次でいう八五郎がこれに当たる。


呼び名について編集

正式には、江戸では「御用聞き」 関八州(かんはっしゅうと読み、現在の関東地方)では「目明し(めあかし)」 関西地方では「口問い(くちとい)」や「手先」などと呼ばれていた。

岡とは脇の立場の人間であることを表し、公儀の役人(同心)ではない脇の人間が拘引(逮捕)する事から岡っ引きと呼ばれた。

本来岡っ引きという名称は蔑称で、公の場所で呼ばれたり名乗ったりする名称ではなかった。

(下っ引きが配下にいるので「親分」「親分さん」が正しいが、銭形平次シリーズなどの一部の時代小説時代劇ではこのように呼ばれたり表現されることが多い)


業務について編集

岡っ引きの業務は、地方によって違っていた。

江戸の場合編集

南町・北町奉行所には与力が各25騎、同心が各100人配置されていたが、警察業務を執行する廻り方同心は南北合わせて30人にも満たず、人口100万人にも達した江戸の治安を維持することは困難であったため、同心は私的に岡っ引きを雇っていた。

岡っ引きが約500人、下っ引を含めて3000人ぐらいいたという。

岡っ引きは奉行所の正規の構成員ではなく、俸給も任命もなかったが、同心から小遣いを得ていた。

同心の屋敷には岡っ引のための食事や間食の用意が常に整えてあり、いつでもそこで食事ができたようだ。

ただし、岡っ引きを専業として生計を立てた事例は無く、女房に小間物屋や汁粉屋をやらせるなど家業を持った。

なお、一部時代劇作品において、岡っ引きは十手を常に預かっているかのように描かれているが、実際は奉行所からの要請に基づき事件のたびに奉行所に十手を取りに行ったとされている。

大坂の場合編集

江戸の場合とは異なり、一般の町民が内密に役人から命じられて犯罪の密告に当たった。

犯人の捕縛に携わらず、あくまで密告専門であった。

その他の地方の場合編集

江戸では非公認な存在だったが、それ以外の地域では公認されたケースも存在している。

例えば奥州守山藩では、目明しに対し十手の代わりに帯刀する事を公式に許可し、かつ必要経費代わりの現物支給として食い捨て(この場合は無銭飲食を意味する)の特権を与えている。


十手について編集

一部作品では「房のついた十手」を持つ岡っ引きが描かれているが、史実では、房付きの十手が持てるのは同心以上の役職だけで、岡っ引きは房のない十手を持たされていた。

また、十手を携帯する際も見えるようにに差すのではなく、などに隠し持っていた。


ちなみに…編集

銭形平次などの小説や劇画作品で、弱き者の味方として描かれている事の多い岡っ引きであるが、その実、表裏双方の社会に精通し、なおかつ顔が利く人材が求められたが故に、必然的に博徒、ヤクザ者、賊崩れといった悪党や無法者が、それまでの罪を不問とする条件で岡っ引きに抜擢される事が多く(勿論、表向きには現役のヤクザ者や賊党に十手を持たせる事は「二足のわらじ」として禁止されていたが、実際はほとんど黙認される事が多かった)、故に奉行所の威光を笠に威張る者や、悪徳役人の不正に加担する者、「取り締まり」という名目で市民や同業者に対して強請り等の恐喝行為を行う者など、本末転倒ともいえる事が起きるのも珍しくなかった(実際に岡っ引きが悪役側の手先として登場する創作品も少なくない)。

そのため、度々岡っ引きの使用を禁止する御触れが出された。


また、その立場上、盗賊等の犯罪者からは恨まれており、岡っ引きが何らかの罪を犯して牢屋敷に収監された際は度々殺害される事もあった。

また、幕末では安政の大獄の際に攘夷志士捕縛の際に活躍した多くの岡っ引きが天誅の対象にされ、岡田以蔵らによる岡っ引き『猿の文吉』暗殺事件などが起こっている。


岡っ引きが登場する主な作品と名前編集


岡っ引きをモデルとしたキャラ・メカニック編集


関連項目編集

江戸時代 手下 子分 提灯 警察 役人

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