概要
ナンバリングタイトルの中では『ドラゴンクエストⅢ』『ドラゴンクエストⅥ』『ドラゴンクエストⅦ』『ドラゴンクエストⅧ』『ドラゴンクエストⅩ』に登場する。
「ルーラ」が移動中に味方をそれまでに訪れた街に瞬時に移動することができる呪文であるのに対して、「バシルーラ」は戦闘中に敵をどこかに追放する呪文である。追放した敵からは経験値を得ることができないのは退散呪文(ニフラム)と同様であるが、なぜかゴールドは作品によって手に入ったり入らなかったり……。仲間システムの都合上、登場しない作品が多い。
厄介な敵に使うことでその敵との戦闘を回避できるという効果は便利なのだが、ニフラム同様にそういう敵に限って効かない為やはり印象が薄い呪文である。『ドラゴンクエストⅢ』では意外と有効な敵が多いため使い勝手がよい。
敵に使われると味方がルイーダの酒場に戻されることになる。
『ドラゴンクエストⅧ』では敵専用呪文として登場。チーム呼びで呼び出したモンスターチームを戻してしまう効果を持つ。
『ドラゴンクエストⅩ』ではバシルーラを唱えてくれるNPC(通称:バシッ娘)が各地に配置されている
本作ではルーラは失われた古代呪文という扱いであり、移動先の登録には「ルーラストーン」という数箇所しか登録できないアイテムを使う、プレイヤーへの救済措置である。
バシっ娘たち一族は本作で唯一のバシルーラの使い手だが、その魔力はバラモスから奪ったものであるようだ。
また、バシっ娘シンリィはクエスト「バシっ娘を継ぐ石」の依頼者をしてくる。
これをクリアする事により、限定的ながらルーラストーンの移動先をバシっ娘と同等数に増やせる。
また彼女は「ルーラ」を使用できる。こちらもバシっ娘一族に伝わる呪文で、彼女らだけにしか使えないらしい。
『トルネコの大冒険』や『少年ヤンガスと不思議のダンジョン』といった不思議のダンジョンシリーズでは鬼面道士が使ってくる。そのフロアのどこかにワープさせられてしまう効果がある。敵に追われていればラッキーな場合もあるが、そういう時に限ってモンスターハウスの真ん中に放り込まれたりするから困る。
漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』では、上位呪文の「オメガルーラ」が登場する。
余談
バグの宝庫
本呪文の初出は前述ととおりドラゴンクエストⅢであったが、実は敵側がこの呪文を発動した場合にバグに近い挙動におちいてしまうケースがあった。
ドラクエⅢは8種類ものキャラの職種それぞれでレベルアップのための経験値のパターンが異なることに対しすべてを演算テーブルとして用意した場合にデータサイズが巨大になるためそのままではROMに収まらない。そこで容量を節約するため必要時に逐次計算する方法をとったのだが、そうすると今度はCPUへの計算負荷がおおきくなってしまうため演算をリアルタイムに行わないようにしたのである。しかし、この方法はマシンパワーやメモリ容量に余裕が無いファミコンにおいては非常に合理的ではあったが、演算するタイミングがとタイミングの間でキャラの死亡や強制退場などの不測の事態が起こってパーティー内の構成が変わってしまうとキャラクターの経験値付与の処理がうまくいかなくなったのである。
(バグとなる実例 -しあわせの靴バグ))
条件 ⓵戦闘前のパーティーの並び ①A ②B ③C ④D
②戦闘前のレベルアップまでの必要経験値の計算値 ①10 ②50 ③30 ④20
③キャラBに幸せの靴装着
手順 ⓵ 戦闘開始
② 戦闘開始前のパラメータチェック
③ 敵キャラがバシルーラ発動→キャラaが強制退去
(バシルーラがかけられた後の並び ①B ②C ③D
④ 戦闘中(レベルアップまでの必要経験値の計算値 ①10 ②50 ③30
で変更なし)
⑤ 戦闘中逃げるを選択して離脱し戦闘終了
この際バシルーラによるキャラ飛ばしが全く反映されず
LVアップ判定値初期チェック時の並びのままの計算値が残りそのまま使わる
⑥この状態でフィールドを歩くと 戦闘終了時の再計算がかからないため
レベルアップ閾値が10に固定となるため歩いて経験値が上がるたびにレベルアップが起
こる
解説
バシルーラによるキャラ並びの影響がリアルタイムで反映されないためバシルーラで飛ぶばされたキャラAに与えられるレベルアップ判定置が残ったキャラBに過って適用されてしまうというもの。
当初の基本システムが戦闘前後でパーティー人数が変わら無いことを前提としていて後でバシルーラのようなパーティー人数が変わるイベントが増加されるもそれに対応する修整が完全に行われていなかったのが原因のバグであったが
この呪文に関するあまりのバグの多さから開発者は「バシルーラはバグの宝庫」とまで発言していた。