概要
大阪府八尾市山本高安町一丁目1-46にある近畿日本鉄道大阪線の地上駅。近鉄八尾駅が管理している。駅番号はD13。
準急以下の列車が停車する。ただし、「きんてつ鉄道まつり」開催時のみ、急行が臨時停車することがある。
駅構造
島式ホーム2面4線の待避可能な地上駅で、橋上駅舎。10両編成まで発着可能。
橋上駅舎は隣の河内山本駅とともに1961年に完成した(3月20日供用開始。河内山本駅は同年3月29日供用開始)。
内側(2・3番のりば)が本線、外側(1・4番のりば)が待避線である。1番のりばから名張方へ延びる形で10両分の引き上げ線があり、高安止まりの電車や切り離した車両、回送電車が一度引き上げ線に入った後、3・4番のりばに入る。なお2番のりばからも入線は可能である。またすぐ西側にかけて高安検車区(高安車庫)・高安検修センターがあり、当駅発着の列車、および連結する準急以下の列車が入線することがあるほか、回送列車がホームに入線せず、車庫へと入線する。
大阪上本町駅から準急、区間準急の列車は当駅までの区間で8両・10両編成での運行ができるが、河内国分方面の準急以下の停車駅は6両分のホームしかない。朝ラッシュ時の上り快速急行の送り込みの代用として準急、区間準急が当駅まで走行されているが、当駅にて後部車両の切り離しを行っている。同様に夕方のラッシュ直前でも当駅で上り方面の準急、区間準急の列車が増結を行っている。以前は朝のラッシュ時に当駅で準急の連結が行われていたが、全て6両編成に統一された。
停車電車
- 準急以下の一般列車が停車し、急行以上の列車の通過待ちを行い、準急、区間準急が普通電車との緩急接続を行う。
- 日中は毎時3本の区間準急が停車する。大阪方面からの普通電車は終日折り返し列車が設定されており、日中は毎時5本のうち4本が当駅で折り返し運転を行っている。大和朝倉まで走る。
- 平日ラッシュ時の前後時間帯を中心に当駅始発・当駅止まりの準急が数本設定されている。
- 上記のようにラッシュ時は準急、区間準急の列車の増結、切り離しを行っていたが、2020年ダイヤ改正以降は下り8両以上の準急、区間準急は全て当駅終着準急列車となったため、切り離しは行われなくなった。
- 早朝の始発に大和朝倉行き普通電車が2本、終電には名張方面から当駅止まりの普通電車が2本設定されている。
- 通常は準急以下のみの停車だが、2012年から2019年まで「きんてつ鉄道まつり」開催時のみ急行列車が停車し、ホームやコンコースの発車標も急行表示に対応している。なお2020年以降は新型コロナウイルスのためオンラインでの開催や会場が五位堂検修車庫のみでの開催となったため、急行の臨時停車は行われてない。
利用状況
- 2022年(令和4年)度の1日平均乗降人員は9,753人である(近鉄 令和4年度 移動等円滑化取組報告書より)。
年度別
年度 | 乗降人員 |
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2008年(平成20年)度 | 12,459人 |
2009年(平成21年)度 | 12,087人 |
2010年(平成22年)度 | 11,923人 |
2011年(平成23年)度 | 11,807人 |
2012年(平成24年)度 | 11,924人 |
2013年(平成25年)度 | 12,060人 |
2014年(平成26年)度 | 11,924人 |
2015年(平成27年)度 | 11,538人 |
2016年(平成28年)度 | 12,128人 |
2017年(平成29年)度 | 12,068人 |
2018年(平成30年)度 | 12,015人 |
2019年(令和元年)度 | 11,740人 |
2020年(令和2年)度 | 8,531人 |
2021年(令和3年)度 | 9,387人 |
2022年(令和4年)度 | 9,753人 |
高安検車区(高安車庫)・高安検修センター
当駅西側に高安検車区(高安車庫)と高安検修センターがある。
高安検車区は、特急車両、団体専用車両、大阪線に所属する一般車両の所属基地で車庫は駅を挟み南北に留置線が広がり、切り離した車両や特急列車が留置しており、ホームに回送車として入線したりする。洗車用の引き上げ線は河内山本駅付近まで伸びている。検車区の配下には五位堂車庫・名張車庫・青山町車庫・上野市車庫がある。上野市車庫は伊賀鉄道の車庫であるが、同鉄道の車両は近鉄が検修業務を行っている。
高安検修センターは、新造車両をメーカーの近畿車輛から最初に搬入する場所で、整備を行った後各線に配属され、経年車両の車体更新工事、廃車となった車両の解体作業も行われる。車体更新工事の対象はすべての特急車両と、奈良線・京都線・大阪線・けいはんな線の車両。1982年に五位堂検修車庫が開設されるまでは高安工場として全般検査・重要部検査も行っていた。参宮急行電鉄時代に高安車庫として開設された1930年から存在するとがった形の大きな検修車庫は現存する近鉄の駅施設では最も古い。普段は非公開だが、「きんてつ鉄道まつり」開催時に一般公開される。
保存車両(カットボディ)
屋内には18400系と3000系のカットボディが静態保存されており、「きんてつ鉄道まつり」で一般公開される。
静態保存されない事が多い近鉄の車両としてはレアケースだが、どちらも近鉄の歴史的に見ても保存意義が高い形式である。
- 18400系:京伊特急を実現し、近鉄京都線への特急ネットワーク拡大に貢献。本来は先輩の18200系が選ばれるべきだが、2006年に既に全車解体された為、本形式が選ばれた。
- 3000系:近畿車輛独自のステンレス車体製造技術で作られた車両。製造当時、米国バッド社の特許との兼ね合いで日本では東急車輛しかステンレス車を製造出来なかった・・・かに見えたが、特許に抵触しないように工夫した結果、東急車輛以外の手で初めてステンレス車が誕生した。それが近鉄3000系である。