概要
『アンチ・フェミニスト（もしくはフェミニズム）』の略語。『アンチフェミ』とも。
日本のインターネットでは、主にツイフェミと呼ばれる、X（旧Twitter）はじめインターネット上でフェミニストとして発言を行う層と対立している、あるいは敵視している層を指し、また「アンフェ」に属する側が自称しているというよりは他称として用いられることが多い。
本記事では日本のインターネット上のアンフェについて記述する。それ以外の内容についてはツイフェミの記事の関連用語の項目も併せて参照していただきたい。
「アンフェ」に至る背景
「アンフェ」と称される存在は大きく分けて2パターンおり、もともと女性嫌悪（ミソジニー）である、また男尊女卑、女性を蔑視しているなどの理由で、女性の地位向上の活動自体を認めたくないためにフェミニズムに反感を持つ者と、ツイフェミを含む「フェミニスト」を自負する層と対立し、その思想に反感を持つ者、またはその両方の思考を抱く者がいる。
これらは「フェミニズム」そのものを嫌っているか、「フェミニスト」（と自分が認識した存在）を嫌っているかという点が異なり、アンフェは全員がミソジニスト、女性差別者というわけではない。また男性とも限らず、女性であるがアンフェと呼ばれる人物も存在する。
もっとも、他称である事が多いという点から定義は曖昧な部分があり、特定のフェミニストのアンチであることや、たまたまその時のフェミニストたちの主流の見解と異なる意見を述べたことで「アンフェ」扱いされるケースもある。
仮に一部から「アンフェ」と呼ばれていたとしても、フェミニズムのなんらかの構造的問題や、特定フェミニストの言動を対等な立場から批判している、議論を求めているだけというならば、主張の内容にもよるが、少なくともフェミニスト側に反感を抱かれるという以外の点では問題がない、あるいはアンフェではないといえる。
しかし、「ツイフェミ（現実に活動するフェミニストではなく、インターネット上でのみ発言を行うネットユーザーの限定的なクラスタ）」を憎悪するあまり、あるいは正義中毒により、デマの流布や議論の内容とは無関係な暴言といった、ツイフェミのネットユーザーに対する直接攻撃、さらにそれに乗じて女性そのものへの差別感情をむき出しにして攻撃を行うアンフェは少なからずいる。
また、アンフェはアニメ等のオタク、中でも「表現の自由」の確保という観点から政治に強い関心を持つ層と重なっている。
これはいわゆるツイフェミによりオタクやオタクの好むコンテンツが迫害を受けたり、フェミニズムに基づく抗議や自主規制などでコンテンツの存続に悪影響を受けたりしたのが度々あったことが関係していると考えられ、フェミニストが関与する市民団体及びその活動が、それらに支援や補助を行うという形で政治とつながっている可能性があること、政治的に大きな影響を与えることを忌避するアンフェは多い。
そもそも、かつてのネトウヨの隆盛なども含め、ネット上では政治的な議論が先鋭化しやすい傾向にある。アンフェと呼ばれる中でも有名なネットユーザーの中には、それこそ彼らが敵視するフェミニストたちによる団体と同レベルに政治活動に積極的に参画している人物もいる。
アンフェの持つ問題点
先に述べたようにアンフェはオタク、なかでも政治に関心の強い層と重なるが、正義感の強さや一つの物事を深く掘り下げ相手にもそれを求める「オタク」そのものの気質も相まって、無関係の場所（主にアニメやゲームについて語っているコミュニティ）にこれらの話を持ち込むことが多々あるという点から政治厨といえる存在であり、同じ趣味のオタクでも、興味関心がない、
趣味の界隈にそのような話題を持ち込まないようにしている側からは嫌がられている。
これは、エンタメにおけるポリティカル・コレクトネスにまつわる議論と類似しており（自分が「ポリコレ的だ」と感じた）多様性・被差別などを訴える表現・活動について「ポリコレ棒」と揶揄する様子は、自分が「フェミニズム的だ」と感じるものに過剰に反応し、何らかの炎上・トラブルの原因を「フェミが騒いだせいだ」と決めつける様子と重なるものがある。
また、同じく先に述べたように、ツイフェミと呼ばれる存在に対して特に攻撃的なアンフェや、フェミニスト・フェミニズムへの反感ではなく女性そのものも差別・蔑視するアンフェが少なからずいる。単に「女性」というだけで、思想の強さや議論の積極性を無視して一括りに「フェミ」と定義、さらに「フェミは話が通じないから攻撃しても良い」と認定し「フェミさん」（※女性に対する蔑称である「まんさん」に由来）と揶揄・中傷するアンフェがいることにより、特にフェミニストとして活動していない女性も含めて「アンフェ＝女性差別者」とみなされているのも一部で見受けられる。
日本のインターネット上（特にTwitter等SNS上）において、アンフェが問題視され始めたきっかけの一つに「温泉むすめ」の件がある。
発端は有名フェミニストが、ある宿泊施設に展示されていた「温泉むすめ」のイラストパネルおよび当該のキャラクターの設定について（やや的はずれな）苦言を呈し、これにファンや当地の住民、施設の従業員らが反論したことで炎上状態になったが、そこにもはやネットイナゴと化したアンフェが便乗したことで炎上が拡大し、ツイフェミを「公式に迷惑をかけている」と糾弾していたアンフェ自身が、コンテンツの運営元やファンに迷惑をかける結果となった（「温泉むすめ」及び「ツイフェミによる炎上事件一覧」記事内の「温泉むすめ」の項目に詳細あり）。
こういった事態においては、純粋なコンテンツのファンはもちろん、議論に関与しなかった・アンフェ寄りの見解を示していたツイフェミや、性別だけを理由に攻撃された女性たちからも、アンフェはその主張の正当性を抜きにして言動を強く非難されている。
また「アンフェ」と呼ばれる中にも思想の強さや積極性のグラデーションがあり、外の界隈と意図的にトラブルを起こす、差別や炎上を楽しむようなアンフェとは距離を置く者も多い。
性別のような生まれ持った属性を「叩き棒」（体よく攻撃を加えるための言い訳）にしたり、関係のない場所に思想や信条のようなセンシティブな話題を持ち込んで対立煽りをしたりといった行為は、フェミニズムや表現の自由といったことに関わらず、社会的な対話、他者とのコミュニケーションとして不適切である（本ピクシブ百科事典をはじめとする百科事典サイトなどでも、特定の事象や界隈、人物に対する誹謗中傷・名誉毀損目的で記事を作成するのも同様である）。
「ツイフェミの考えていることは自分の世界の中では正しくないからどんな扱いをしてもいい」という思考は間違っている。自分が受け入れられない価値観の相手であっても、対話・議論の場面においては、お互いの主張の正当性・妥当性を客観的に考えるだけでなく、本題と無関係な中傷が含まれていないか、相手の背景や人格を攻撃していないかを十分考慮するべきである。
余談(※注意！この項目には独自研究が含まれています)
ツイフェミとアンフェの抗争の背景には他にも、
があり、それらに起因する
- 「弱者男性と社会進出した女性による、ホワイトカラー職の果てしない椅子取りゲーム」
が存在するとも考えられる。
関連タグ
ツイフェミ：アンフェが敵対及び対立している人物。関連用語の項目に本記事では解説されていないことが書かれている。
非モテ：異性に対する激しい憎悪からこう指摘(レッテル貼り)される者も少なくない。
勝った方が我々の敵になるだけです、勝手に戦え!：彼らとツイフェミの抗争を端的に表しているともいえる言葉
草津 草津温泉：アンフェがツイフェミに対する反論・批判材料としてここ最近よく使われている言葉。実際にツイフェミの間においても「印籠のように使っている」などとする批判・反論の声が上がっている。(ソース1・ソース2)ただこればかりについてはもう経緯が経緯である以上、そうなってしまった原因はツイフェミにあるとか言えないだろう。
