スカイウォードソード
すかいうぉーどそーど
ソフト情報
作品概要
Wiiで2011年11月23日(水)に発売した、ゼルダの伝説シリーズ本編作品の8作目であり、ゼルダの伝説25周年記念作品。Wiiでは2作目(リンクのボウガントレーニング+Wiiザッパーを含めると3作目)である。略称は『スカウォ』または『SS』。
2021年7月16日にニンテンドースイッチ版としてHD化された『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』が発売された。
「HD」とリマスターを想起させるタイトルが付けられているが公式サイトでは''リメイク''として扱われている。
本作はマスターソードが生まれる話であり、時のオカリナにも話がつながっていて、発売時点におけるシリーズ内での時系列が最も古い作品である。
ゲームシステム
スカイロフトという雲の上に浮かぶ町を拠点とし、3つの地上世界と行き来して冒険する。その際にはロフトバードと呼ばれる鳥の背に乗って移動する。
なお、本作のプレイにはWiiリモコンプラス(Wiiモーションプラス)が必要であり、プレイヤーがWiiリモコンプラスを振った通りにリンクも剣を振る。そのため、ただ闇雲に剣を振るだけでは倒せない敵も出現する。
例えば最初のダンジョンで遭遇する巨大蜘蛛スタルチュラは糸にぶら下がっている状態なら横切りで回転させ弱点の腹をだしたら突きで倒し、地面に降りているなら切り上げでひっくり返して「とどめ」で倒すといったように剣を振る方向を状況に応じて使い分ける必要がある。
また互いに武器で打ち合うチャンバラ系の敵の防御を崩すには相手の防御の虚を突くように剣を振らねばならず、今まで以上に攻撃の駆け引きが重要になっている。
また、直接画面にリモコンを向けなくても、その方向にリモコンを動かすだけでアイテムなどが選択できる。
例:左に動かすと「いいえ」、右に動かすと「はい」など。
今作では伝統的に受け継がれてきたゲーム仕様にも変更が加えられており、
- セーブポイントが決まっている代わりに、その場から再開できる(過去作ではどこでもセーブできる代わりにダンジョンの入り口や自宅に戻される)。
- 特別なアイテム無しで自由な方向にダッシュを行うことができる。
- ダッシュと組み合わせることで、身長程度の段差なら素早く駆け上がることができる。
- 盾の仕様が変更され、ただ構えていればいいという訳にはいかなくなった。
などの相違点がある。特にダッシュ関連の影響は大きく、これまで比較的移動に苦労しがちだったリンクが自由自在に駆け回る姿を見ることができる。
そして今回もう一つの大きな変更点が盾の仕様変更である。
今までの作品は盾を構えているだけで殆どの攻撃を防げたが、今作においてはだた盾を構えている状態で攻撃を受けると盾の耐久度が下がり、攻撃によっては大きく仰け反り隙を作ってしまう。
そこで「盾アタック」と呼ばれるアクションが必要になった。
ヌンチャクを突き出すように動かすとリンクが盾を突き出すような動作をする。このとき攻撃を受けると盾の耐久度が下がらないばかりか、敵の防御を崩すとこができる。
防御の硬い敵を崩すには非常に有効な手段で必須テクニックである。ただフェイントを織り交ぜてくる敵もいるので一筋縄ではいかない場合もある。
ストーリー
天空に浮かぶ島「スカイロフト」。スカイロフトの民は自分の守護鳥ロフトバードとともに平和に暮らしていた。
ある日、リンクとゼルダは真っ黒な竜巻に遭遇し、ゼルダは竜巻に巻き込まれ、雲海の下に落ちてしまう。
その夜、リンクの元に不思議な存在「ファイ」が現れる。''女神の剣''の精霊であるファイは、古の女神の命を受け、リンクを待っていたという。
雲の下に消えたゼルダを探すため、リンクは女神の剣を携え、雲海の果てにある伝説とされてきた世界「大地」への冒険に旅立つ。
登場人物
本作の主人公。スカイロフトの寄宿学校に通っている。
ゼルダが失踪したのをきっかけに雲の下の世界への冒険に旅立つ。
リンクのロフトバードは、絶滅したと思われていた紅族という種族である。
本作のヒロイン。リンクの幼馴染であり、同じ寄宿学校に通っている。
リンクとはかなり仲が良く、それこそサブカルで描かれる幼馴染を地で行くキャラ付けがされている(ほとんど両思いのような間柄)。
寄宿学校校長の娘でもある。勝ち気で積極的な性格をしている。
因みにシリーズでも珍しい、「姫」ではないゼルダである。だが、「ゼルダ」は作品タグとしても利用する人がいるので検索の便宜性のため、本作品のゼルダにも「ゼルダ姫」というタグが使われている。前髪ぱっつん。
父親はゲポラ校長という。彼はフクロウに似ており、名前の由来でもあるケポラゲポラに類似している。
リンクの持つ女神の剣の精霊。本作ではナビゲーターの役割を果たす。
しかし、あくまでも剣の精霊なので話し方は機械的。解説時は四字熟語やパーセントをよく使う。
きわめて無機質な言動のため性別不詳だが、シーカーストーンのヒント映像の題名に「謎の少女を追え」とあるため、一応は女性として設定されていると考えられる。
リンクがなにかに注目しているときにファイを呼び出すことによって、その物体や人物についての情報を知ることができる。意外な情報が得られることもある。
自らを魔族長と名乗る得体の知れない魔族の男性。何らかの目的でゼルダを追っている。
初めて会ったときはリンクのことを歯牙にもかけないような不敵な態度をとる。
しかしその力は確かなもので、リンクの剣を片手で止めてしまうほどの実力の持ち主。適当に剣を振るだけでは倒せない強敵の1人である。指を鳴らすだけで姿を消したり、意思を持たない物を魔獣に変える魔力を持つ。
女神ハイリアの名の下に活動する謎のシーカー族の女戦士。
雲海から落ちたゼルダを保護し、共に行動する。
ラスとオストという二人の子分を引き連れたガキ大将。
寄宿学校の生徒としてスカイロフトに暮らしている。ゼルダに想いを寄せ、猛烈にアタックするが全て華麗にスルーされている。
リンクをライバル視するが、のちに協力するようになる。リンク先のネタバレ注意。
漫画版『スカイウォードソード』
ハイラル・ヒストリアには姫川明による描き下ろし漫画が収録されており、女神ハイリアと彼女を守護する勇者の物語が描かれている。
この時の勇者は赤いマフラーを身に着けており、容姿は後に発売されたゼルダ無双のリンクとよく似ていたりする。
余談
本作のメインテーマ「女神の詩」を逆再生するとお馴染みのアレになるように作られている。
単にそちら側を逆再生してもメインテーマになるような単純な作りではなく、また本作の内容から『子守唄:眠り』と対となる『目覚め』になっている。
ちなみにリンクの冒険が発売されてから約2か月後に刊行された『新・ゼルダの伝説』では、リンクの正体が女神バルキュリアに仕える妖精の子孫とされている(母親は人間のため人間の血も混じった混血児)。女神の名前が違うのは、当時はハイリアの設定自体ないためと思われる。
この作品ではインパとトライフォースが初代ゼルダ姫に引き取られる経緯も描いている。ただしスカイウォードソードとは設定が異なるので、リセットされたとみていいだろう。