スカイウォードソード
すかいうぉーどそーど
概要
タイトル | ゼルダの伝説 スカイウォードソード |
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機種 | Wii |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
発売日 | 2011年11月23日(水) |
希望小売価格 | スペシャルCD付き:税込6800円 / 25周年パック:税込8800円 |
販売元 | 任天堂 |
CERO | A(全年齢対象) |
備考 | Wiiリモコンプラス(Wiiリモコン+Wiiモーションプラス)とヌンチャク必須 |
Wiiで2011年11月23日(水)に発売した、ゼルダの伝説シリーズ本編作品の15作目であり、ゼルダの伝説25周年記念作品。Wiiでは2作目(リンクのボウガントレーニング+Wiiザッパーを含めると3作目)である。略称は『スカウォ』または『SS』。
2021年7月16日にニンテンドースイッチ版としてHD化された『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』が発売された。
「HD」とリマスターを想起させるタイトルが付けられているが公式サイトでは''リメイク''として扱われている。
本作はマスターソードが生まれる話であり、時のオカリナにも話がつながっていて、発売時点におけるシリーズ内での時系列が最も古い作品である。
ゲームシステム
基本システム
スカイロフトという雲の上に浮かぶ町を拠点とし、3つの地上世界と行き来して冒険する。その際にはロフトバードと呼ばれる鳥の背に乗って移動する。
なお、本作のプレイにはWiiリモコンプラス(Wiiモーションプラス)が必要であり、プレイヤーがWiiリモコンプラスを振った通りにリンクも剣を振る。そのため、ただ闇雲に剣を振るだけでは倒せない敵も出現する。
例えば最初のダンジョンで遭遇する巨大蜘蛛スタルチュラは糸にぶら下がっている状態なら横切りで回転させ弱点の腹をだしたら突きで倒し、地面に降りているなら切り上げでひっくり返して「とどめ」で倒すといったように剣を振る方向を状況に応じて使い分ける必要がある。
また互いに武器で打ち合うチャンバラ系の敵の防御を崩すには相手の防御の虚を突くように剣を振らねばならず、今まで以上に攻撃の駆け引きが重要になっている。
また、直接画面にリモコンを向けなくても、その方向にリモコンを動かすだけでアイテムなどが選択できる。
例:左に動かすと「いいえ」、右に動かすと「はい」など。
既存システムの変更点
今作では伝統的に受け継がれてきたゲーム仕様にも変更が加えられており、
- セーブポイントが決まっている代わりに、その場から再開できる(過去作ではどこでもセーブできる代わりにダンジョンの入り口や自宅に戻される)。
- 特別なアイテム無しで自由な方向にダッシュを行うことができる。
- ダッシュと組み合わせることで、身長程度の段差なら素早く駆け上がることができる。
- 盾の仕様が変更され、ただ構えていればいいという訳にはいかなくなった。
などの相違点がある。
特にダッシュ関連の影響は大きく、これまで比較的移動に苦労しがちだったリンクが自由自在に駆け回る姿を見ることができる。
そして今回もう一つの大きな変更点が盾の仕様変更である。
今までの作品は盾を構えているだけで殆どの攻撃を防げたが、今作においてはだた盾を構えている状態で攻撃を受けると盾の耐久度が下がり、攻撃によっては大きく仰け反り隙を作ってしまう。
そこで「盾アタック」と呼ばれるアクションが必要になった。
ヌンチャクを突き出すように動かすとリンクが盾を突き出すような動作をする。このとき攻撃を受けると盾の耐久度が下がらないばかりか、敵の防御を崩すとこができる。
防御の硬い敵を崩すには非常に有効な手段で必須テクニックである。ただフェイントを織り交ぜてくる敵もいるので一筋縄ではいかない場合もある。
ストーリー
天空に浮かぶ島「スカイロフト」。スカイロフトの民は自分の守護鳥ロフトバードとともに平和に暮らしていた。
ある日、リンクとゼルダは真っ黒な竜巻に遭遇し、ゼルダは竜巻に巻き込まれ、雲海の下に落ちてしまう。
その夜、リンクの元に不思議な存在「ファイ」が現れる。''女神の剣''の精霊であるファイは、古の女神の命を受け、リンクを待っていたという。
雲の下に消えたゼルダを探すため、リンクは女神の剣を携え、雲海の果てにある伝説とされてきた世界「大地」への冒険に旅立つ。
登場人物
本作の主人公。スカイロフトの寄宿学校に通っている。
ゼルダが失踪したのをきっかけに雲の下の世界への冒険に旅立つ。
リンクのロフトバードは、絶滅したと思われていた紅族という種族である。
本作のヒロイン。リンクの幼馴染であり、同じ寄宿学校に通っている。
リンクとはかなり仲が良く、それこそサブカルで描かれる幼馴染を地で行くキャラ付けがされている(ほとんど両思いのような間柄)。
寄宿学校校長の娘でもある。勝ち気で積極的な性格をしている。
因みにシリーズでも珍しい、「姫」ではないゼルダである。だが、「ゼルダ」は作品タグとしても利用する人がいるので検索の便宜性のため、本作品のゼルダにも「ゼルダ姫」というタグが使われている。前髪ぱっつん。
父親はゲポラ校長という。彼はフクロウに似ており、名前の由来でもあるケポラゲポラに類似している。
リンクの持つ女神の剣の精霊。本作ではナビゲーターの役割を果たす。
しかし、あくまでも剣の精霊なので話し方は機械的。解説時は四字熟語やパーセントをよく使う。
きわめて無機質な言動のため性別不詳だが、シーカーストーンのヒント映像の題名に「謎の少女を追え」とあるため、一応は女性として設定されていると考えられる。
リンクがなにかに注目しているときにファイを呼び出すことによって、その物体や人物についての情報を知ることができる。意外な情報が得られることもある。
自らを魔族長と名乗る得体の知れない魔族の男性。何らかの目的でゼルダを追っている。
初めて会ったときはリンクのことを歯牙にもかけないような不敵な態度をとる。
しかしその力は確かなもので、リンクの剣を片手で止めてしまうほどの実力の持ち主。適当に剣を振るだけでは倒せない強敵の1人である。指を鳴らすだけで姿を消したり、意思を持たない物を魔獣に変える魔力を持つ。
女神ハイリアの名の下に活動する謎のシーカー族の女戦士。
雲海から落ちたゼルダを保護し、共に行動する。
ラスとオストという二人の子分を引き連れたガキ大将。
寄宿学校の生徒としてスカイロフトに暮らしている。ゼルダに想いを寄せ、猛烈にアタックするが全て華麗にスルーされている。
当初はリンクをライバル視するが…リンク先のネタバレ注意。
登場装備・アイテム
冒険ポーチに入りきれない「盾」・「通常アイテム」・「メダル」は、スカイロフトの「ジャグリーンの預かり屋」で預けたり引き出すことができる。
※シリーズ全体の装備・アイテム達については『ゼルダの伝説シリーズの装備・アイテム一覧』を参照。
- 剣
「女神の剣」系統とその完成形である「マスターソード」系統は、敵を攻撃するだけでなく、剣を上に掲げることで「スカイウォード」と呼ばれるエネルギー波を放つことができる。
練習用の剣 | 騎士学校の剣の稽古に用いられる剣。初期装備。 |
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女神の剣 | 今作のメイン武器兼重要アイテムであり、スカイロフトの女神像に安置されていた剣。タイトルの「スカイウォードソード」の由来でもある。 |
女神の長剣 | 「フロルの炎」を受けて女神の剣が進化した形態。女神の剣に比べ長くなり、攻撃力も2倍に増えている。 |
女神の白刃剣 | 「ネールの炎」を受けて女神の長剣が進化した形態。白い刃が特徴で、ダウジング能力が向上している。 |
マスターソード(未完成版) | 三女神(ディン/フロル/ネール)の炎が「女神の剣」に集まる事で進化してマスターソードになる。攻撃力は女神の剣の3倍に増えている。 |
マスターソード(完成版) | マスターソードに巫女の加護を受けた事で進化した最終形態。トライフォースのマークが刻まれ、マスターソードの時には閉じていた鍔が開いている。 |
- 盾
今作では「盾」に''耐久値を示すゲージ''や''属性の向き・不向き''が存在しているため、上手く使い分ける必要がある(ハイリアの盾を除く)。
耐久値のゲージのストックがなくなると壊れて使えなくなるため、スカイロフトの「ドルコのジャンク屋」に行くか「リカバリーオール」をかけることで修理できる。
また、素材と共に「ドルコのジャンク屋」に持ち込むことで、改造・パワーアップできる。
木の盾 | 最弱の盾で火に触れると燃える。 |
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硬い木の盾 | 「木の盾」を改造して耐久値が増した状態。 |
頑丈な木の盾 | 「硬い木の盾」をさらに改造した最上位アイテム。 |
鉄の盾 | 木の盾より強いが、電気を通すので電撃攻撃には弱い。 |
硬い鉄の盾 | 「鉄の盾」を改造して耐久値が増した状態。 |
頑丈な鉄の盾 | 「硬い鉄の盾」をさらに改造した最上位アイテム。 |
聖なる盾 | 様々な攻撃を受けることが可能で自己修復能力もあるが、耐久度が低く壊れやすい。 |
硬い聖なる盾 | 「聖なる盾」を改造して耐久値が増した状態。 |
頑丈な聖なる盾 | 「硬い聖なる盾」をさらに改造した最上位アイテム。 |
ハイリアの盾 | 今作の最強の盾でいくら攻撃を受けても壊れる事はない。 |
- コレクトアイテム
冒険ポーチ | アイテムや装備をしまっておく腰元のポーチ。スカイロフトの各地に存在する宝箱やテリーのお店で購入することで拡大できる。 |
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パラショール | 小型のパラシュート。ロフトバードから飛び降りたら、地面に衝突する前にパラショールを開いて安全に着地できる。また地面から上向きに噴き出す風をパラショールで受ける事で、飛び上がることもできる。 |
女神のハープ | 当初はゼルダが所持していた金色の竪琴だが、行方不明になっていた彼女と再会した時に譲り受ける。各女神に関する詩を覚え、各地の''サイレン''に挑むために必要。詩は全部で「女神の詩」・「フロルの勇気」・「ネールの叡智」・「ディンの勇気」の4曲が存在する。 |
水龍のウロコ | 女神の三種の神器の一つ。水中を泳げるようになる他、酸素メーターがゼロになるまで息継ぎなしで潜れる。 |
耐熱イヤリング | 女神の三種の神器の一つ。火山山頂付近の高熱地帯をダメージなしで行動できるようになる。また、リンクの体が燃える攻撃を受けてもすぐにイヤリングが光って火が消え、炎上ダメージを防いでくれる。 |
ほりほりグローブ | モグマ族の秘蔵アイテムで、地面を掘ってアイテムなどを見つけ出す事ができる。 |
モグマグローブ | 女神の試練を受けるために再びオルディン地方に降り立った際に、別のモグマ族から貰う。「ほりほりグローブ」の強化版で、モグマ族のように柔らかい地面に潜る事ができる。 |
試練の刻印 | トライフォースが安置されている「空の塔」に入るための鍵。女神のサイレンを達成することで入手可能。 |
- 通常アイテム
一部のアイテムは、スカイロフトの「ドルコのジャンク屋」に持ち込むことで、パワーアップできる。
パチンコ | 小さな弾を1発射出できる武器。改造して「拡散パチンコ」にすると1発の弾で広範囲を攻撃できるようになる。 |
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ビートル | 右腕に装着し射出する虫型の小型飛行機械。ラネール地方にいる機械亜人にアップグレードしてもらった後は、「落ちているアイテムを挟んで運ぶ」という事が可能になる。 |
バクダン花 | 爆発させて壁を破壊したり、敵を攻撃できるアイテム。当初は道中に生えているバクダン花を摘み取って使用する必要があるが、モグマ族から「バクダン袋」をもらった後はストックして持ち運べるようになる。 |
まほうのツボ | 強力な風を吹き出せるアイテムで、地面に積もっている砂を巻き上げて床を露出させたり、敵を吹き飛ばしたりできる。 |
ムチ | 先端に不思議な光の球がついて、色々な物に引っ付く事の出来るアイテム。一部ダンジョンでは、横棒にひっかけてロープのようにぶら下がる事もできる。 |
弓矢 | 矢を射って遠くの敵を攻撃できる武器。 |
クローショット | 女神の三種の神器の一つ。先端にカギヅメのついた鎖を撃ち出して、ツメをひっかけ、その真下に移動することができる。トワイライトプリンセスとは異なり、最初から両方の手に装備されている。 |
虫とりアミ | 虫や小鳥を捕まえられるアイテム。改造して「大きな虫とりアミ」にすると虫が捕まえやすくなる。 |
空きビン | 妖精や薬など、色々な物を入れて持ち運べる。 |
- メダル
リンクの能力のカスタム要素で、冒険ポーチに入れているだけで効果がある不思議なおまもり。
全部で7種類存在し、ダブったメダルや不要なメダルはスカイロフトの「ジャグリーンの預かり屋」で預けたり引き出すことができる。
漫画版『スカイウォードソード』
ハイラル・ヒストリアには姫川明による描き下ろし漫画が収録されており、女神ハイリアと彼女を守護する勇者の物語が描かれている。
この時の勇者は赤いマフラーを身に着けており、容姿は後に発売されたゼルダ無双のリンクとよく似ていたりする。
余談
本作のメインテーマ「女神の詩」を逆再生するとお馴染みのアレになるように作られている。
単にそちら側を逆再生してもメインテーマになるような単純な作りではなく、また本作の内容から『子守唄:眠り』と対となる『目覚め』になっている。
ちなみにリンクの冒険が発売されてから約2か月後に刊行された『新・ゼルダの伝説』では、リンクの正体が女神バルキュリアに仕える妖精の子孫とされている(母親は人間のため人間の血も混じった混血児)。女神の名前が違うのは、当時はハイリアの設定自体ないためと思われる。
この作品ではインパとトライフォースが初代ゼルダ姫に引き取られる経緯も描いている。ただしスカイウォードソードとは設定が異なるので、リセットされたとみていいだろう。
関連動画
関連タグ
別名・表記ゆれ
シリーズの時系列(伝承の時代)
スカイウォードソード→ふしぎのぼうし→4つの剣→時のオカリナ
「ゼルダの伝説シリーズ」タグ
前後作 | タイトル |
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前作 | 大地の汽笛 |
次作 | 神々のトライフォース2 |
その他
漫画版神々のトライフォース(かぢばあたる)、リルトの誓い:どちらもマスターソードの成長・強化に主軸を置いた漫画作品。
ソニックロストワールド:「ゼルダの伝説Zone」にロフトバードに乗ったリンクがゲスト出演しており、リンクとソニックが一緒に映ったイメージイラストも本作のデザイナーが描き下ろしたもの。