概要
基本的に一部の続編物を除き各作品のリンクとゼルダは別人であり、名前や役割や服装が同じであってもそれぞれ外見も性格も関係性も異なるため様々なバリエーションがある。
ただし、一緒に協力して魔王と戦う姫と勇者であるという関係なのは一貫しており、服装や外見も似ている。
ゼルダは知恵のトライフォースを持ち、女神の封印の力を受け継ぎ、魔法や光の弓矢で戦う姫、リンクは勇気のトライフォースを持ち、様々な道具や武器とマスターソードで戦う勇者であることが多い。
『ゼルダの伝説』シリーズの中でも人気のあるカップリングだが、それぞれの作品ごとに別人で性格も関係性も変わるため、好みが分かれやすい組み合わせでもある。どの作品でもこの二人がいいという人もいれば、一部の作品での二人がいいという人もいる。
上述のように名前が同じで外見も似ていても、各作品ごとに別人同士の別物とも言える特殊なカップリングでもあるので、どの作品の二人なのか分かるように作品タグを併用したり明記するのが望ましい。
二人の関係は作品ごとに実に様々で、パートナーとしてずっと一緒にいたり、お互いかけがえのない存在である作品から、仲間として少し関わるだけだったり、ゼルダが殆どあるいは全く出てこない作品まである。
最初からゼルダ姫だと分かっている作品もあれば、姿や名前が違っていて終盤になって初めてゼルダ姫だと分かる場合もある。
また、年齢も様々でリンクは子供であったり大人であったり大人と子供の姿を行き来したりするし、初代に出てくるのは子供のリンクと大人のゼルダであり、二作目は一作目ゼルダの先祖で長年眠り続けていたゼルダと大人になった一作目のリンクであったりする。
『4つの剣』『ふしぎのぼうし』『スカイウォードソード』では幼馴染の関係にあり、特にスカイウォードソードではお互いへの好意がはっきりと描かれている。『ブレスオブザワイルド』では主従関係にある。
容姿は共通点は多いとはいえ、細かい顔だちや髪型などはリンクもゼルダも各作品でだいぶ違いがある場合も多い。
更に性格や口調も二人とも各作品でかなり違いがあり様々である。
特にリンクに関してはプレイヤーの分身ということで、全くセリフが無いため、プレイヤーの数だけリンク像が異なる。このため、二次創作では作者の趣向が少なからず入る関係で同じ作品のリンゼルを扱っていても人によって全く異なる出来上がり、所謂解釈違いが起こりやすいカップリングである。自分が思う形のリンゼルとは違っていてもそこは多様性を認めよう。
そもそも原作の多くでリンクが救う対象はゼルダというよりハイラル王国ないし世界であり、ゼルダは王家の代表や象徴としての意味合いで描かれており、二人の間に恋愛感情が描写されているシーンは原作には無いという点には留意してもらいたい。
ゼルダ姫が魔王に囚われそれを勇者リンクが救い出すというパターンが多いが、ゼルダはただ助けられるだけの姫ではなく、魔王を倒す切り札の力を持つ者としてリンクと共に協力して戦うという特徴もある。
それぞれ別人ではあるものの、作品によってはリンクは過去の勇者の生まれ変わりだと言われていたり、子孫だと明言されているものもある。
ゼルダ姫も王家の姫の中で一番女神の力を濃く発現する者がゼルダと名付けられるという設定もあるが、はっきりとは決まっていない。
ゼルダの伝説自体がゲーム性を優先して作られ、キャラ設定やストーリーは殆ど後付けでどんどん変更されていると公言されている事もあり、リンクとゼルダは魂が転生した生まれ変わりなのか子孫なのかあるいは全くの他人なのか、その辺は曖昧なためプレイヤーの解釈に委ねられている。
スカイウォードソード以降は、魔王に掛けられた呪いにより古代より女神の血を引く者と勇者の魂を持つ者は繰り返し邪悪な魔王と戦う宿命をかせられているという設定が追加されたため、別人といえどシリーズ全体的に時代を越えて繰り返し共に戦う運命共同体的な二人だとも言える。
各作品の二人
※内容にはネタバレが含まれているので注意
メインシリーズ
初代ゼルダの伝説
リンクは旅をしていた少年で、ゼルダ姫はハイラル地方にある小王国の王女。リンクが大魔王ガノンを倒して王国を救い、囚われていたゼルダ姫も救出する。
この時はリンクは子供でゼルダ姫は大人である。
リンクの冒険
『初代ゼルダの伝説』の続編で、本作のゼルダ姫は一作目に出てきたゼルダ姫の遠い先祖の初代王女であり、呪いの魔法によって長年眠り続けていたという設定。
この作品ではこの初代ゼルダ姫の悲劇を語り継いだものがタイトルのゼルダの伝説の由来であり、後世に戒めとして遺すために代々の王女にゼルダと名付けるよう定めたという事になっている。
その初代ゼルダ姫を16歳に成長した一作目のリンクが救出するために冒険する。
そして最後にはリンクと眠りから覚めた初代ゼルダ姫のキスシーンがある。
神々のトライフォース
リンクはかつての封印戦争で賢者を守り犠牲となったナイトの一族の最後の末裔であり伝説の勇者の素質を持った少年、ゼルダ姫はハイラル王国の王女で封印戦争の賢者の子孫の一人という設定に。
魔王ガノンの分身アグニムによって地下牢に囚われていたゼルダがテレパシーを使って寝ているリンクに助けを求める所から物語が始まり、リンクはゼルダを救出してそのまま二人で秘密の抜け道を通って逃げる。
その後は再びゼルダがアグニムによって闇の世界へさらわれてしまうもリンクが再び救出し、ゼルダは他の賢者の子孫達と共に魔王ガノンのいる塔の結界を解除してリンクを助ける。
夢をみる島
『神々のトライフォース』の続編で、舞台がハイラルの外で夢の世界という事もあってか、ゼルダ姫本人が全く登場しない。
ただし、本作のヒロインでリンクと仲良くなるマリンという少女は、ゼルダに見た目も声もそっくりという設定である。
またリンクが船で遭難した後に懐かしいゼルダの声で目を覚まし、目の前にいたマリンをゼルダと勘違いする所から物語が始まる。
時のオカリナ
リンクはコキリの森に住んでいたが自身がコキリ族ではなくハイリア人である事と、ガノンドロフによるハイラルの危機を知らされ、ガノンドロフの野望を阻止するためにゼルダ姫に会いに禁じられていた森の外に旅立った少年。ゼルダは夢でお告げを見ることができる神に選ばれしハイラルの姫。
物語の冒頭でリンクはガノンドロフに追われて逃げるゼルダ姫の予知夢を見て、ゼルダ姫もまた森から来たリンクがガノンドロフからハイラルを救うという予知夢を見ていた。
リンクはハイラル城に忍び込んで監視の目を掻い潜りか中庭にいたゼルダ姫と出会う。ゼルダは最初は驚き警戒していたが、すぐにリンクが夢のお告げで見た人物であると気づいて喜び、二人でガノンドロフの野望を阻止するために協力する事を誓い合う。
しかし作戦は失敗してしまい、リンクが夢で見た通りガノンドロフに追われ逃げるゼルダは、リンクを見つけて持っていた時のオカリナを投げてハイラルの命運を託す。
この時、リンクがオカリナを受け取ると、ゼルダが事前にリンクへ鍵となるメロディを伝えるためオカリナを吹いている光景とメッセージが再生され、リンクも同じようにオカリナを吹いてメロディを習得するため、間接キスをしている。
ガノンドロフを倒せるだけの力を付けるために7年間眠っていたリンクが大人の姿で目覚めた後は、ゼルダはガノンドロフの目から逃れるために魔法で男装してシークと名乗り、正体を隠しながら何かとリンクの前に現れては冒険をサポートする。
冒険の終盤でゼルダはリンクに正体を明らかにして賢者として覚醒するが、ガノンドロフに見つかり水晶に捕らわれてしまう。リンクはすぐに水晶に駆け寄り助けようとするが、ゼルダはさらわれてしまい、リンクはゼルダを助けるためにガノン城へ行き戦う。
ガノンドロフを倒し、開放されたゼルダとリンクは協力して城を脱出し、つかの間お互いに笑顔で見つめ合い喜びを噛みしめる。しかし直後にガノンドロフが復活してしまい、即座にリンクがゼルダをかばう。死闘の末にゼルダが援護して動きを止めている間にリンクがとどめをさし、ゼルダと賢者達でガノンドロフを封印する。
エンディングでは、ゼルダがリンクの手を握りながらとても悲しそうな表情でリンクは本来いるべき時代へ戻らなければならないと別れを告げ、リンクの持っていたオカリナを吹いてリンクを元の過去の時代へ帰す。
ちなみにこの時、リンクが吹いていたオカリナをゼルダが吹くのでまた間接キスをしている。子供時代にもゼルダが吹いていたオカリナをリンクが吹いているので、なにげに間接キスしまくりである。
その後、時の扉が閉ざされたためこの大人時代のゼルダとリンクは二度と会えなくなってしまう。シリーズで一番切ない二人かもしれない。この関係で二次創作では悲恋ものが多い。
しかしラストでは時が戻った過去で再び子供姿の二人が出会うという印象的な場面で閉じられている。
ちなみに、本作のリンクは戦火を逃れて森に託された素性の分からない子供であった事や、ゼルダ姫と髪色や目の色など容姿が似ていたり二人とも予知夢を見れる特殊能力を持っているなどの共通点があったため、実はリンクはゼルダ姫と血縁関係という裏設定があるのではないかという噂もファンの間ではあったが、真偽は不明。
それまでのシリーズでは基本的にリンクは子供という設定であったが、この作品以降では青年という設定が増え、特にリアル調の作品ではリンクとゼルダが大人姿同士というのが定番となった。
ムジュラの仮面
『時のオカリナ』の続編であり、リンクは時のオカリナのラスト後に未来で起きる事を全てゼルダに話すことによってガノンドロフの野望を未然に阻止し、新たな旅に出ていたことが判明する。
ゼルダは未来での出来事を経験していないもののリンクの話を信じ「短い間でもリンクと共に過ごした日々の事は決して忘れない、またいつの日か再び出会える日が来ると信じている、その時までこれを託す」と言ってリンクに時のオカリナを託し、旅立つリンクを見送っている。
ちなみにこの時もまた、ゼルダが目の前で吹いたオカリナを受け取ったリンクがその場で吹いているので間接キスである。
リンクは敵から時のオカリナを取り戻した際にこの出来事を思い出し、ゼルダとの思い出のメロディを吹く事で窮地を脱した。戦闘中に思い出にふけっていたため相棒の妖精にしっかりしろと小突かれている。
ムジュラは異世界が舞台であるためか、ゼルダはこの回想の時にしか登場しない。
ラストではリンクは元の世界に帰る事ができたが、その後の消息は明かされておらず、ゼルダと再び会えたのかは不明。
しかし後の時代であるトワイライトプリンセスでは、主人公がこのリンクの子孫かつ、リンク本人は未練を残して亡くなったために亡霊となっていたという衝撃の事実が明かされている。
ふしぎの木の実
リンクはハイラル城に導かれそこでトライフォースから選ばれし勇者としてハイラルを救うために試練を与えられた少年で、ゼルダ姫はハイラル王国の王女。
本作は『大地の章』と『時空の章』という二つの作品に分かれているが、両方を連続でプレイして繋げる事でゼルダ姫や真の敵である魔王ガノンが現れる真のストーリーをプレイできるようになっている。
そして両方の章のクリア後に見ることができる真のエンディングでは、ゼルダ姫がリンクの頬にキスをしてリンクが照れてゼルダが恥ずかしがるという場面がある。
風のタクト
『時のオカリナ』でリンクが大人時代でガノンドロフを封印してから過去に戻っていなくなってしまった後、勇者が現れずハイラルが海に沈んでしまった世界が舞台。
本作のリンクは島で妹と祖母と共に暮らしていた家族思いの普通の少年で、さらわれた妹を助けるために海賊の頭であるテトラに協力を頼んで旅に出る。
このリンクはガノンドロフから『時のオカリナ』の主人公だったリンクの生まれ変わりだと言われているが、ハイラル王からは時の勇者とは無縁の者であると否定されており、どちらかなのかは不明。
ゼルダは自分がかつてのハイラル王家の血を引く姫であるとは知らずに、海賊団の頭の男勝りなテトラという少女として生きてきて、リンクと出会い冒険に協力する。
ゼルダ姫として覚醒した後は姫の姿に変わりガノンドロフにさらわれるが、リンクに助けられて共に協力しながらガノンドロフと戦う。
なおこの戦いの時にリンクがカギづめロープをゼルダに向かって使うと、ゼルダのハートを奪って回復できるという小ネタがある。
エンディングではゼルダは再びテトラの姿に戻り、リンクと一緒に新たなハイラル王国を作るため、新天地を探して旅に出る。
4つの剣
ゼルダ姫はハイラル王国の王女で、リンクはゼルダの幼馴染の少年。
二人が魔神グフーを封印している剣の様子を見に行く所から物語が始まり、ゼルダは封印の解けたグフーによって花嫁にするためにさらわれてしまう。
リンクは剣によって4人に分身する能力を身に付けて冒険に出かけ、グフーを倒して再び封印しゼルダも救出して体も元に戻り二人で帰る。
4つの剣+
『4つの剣』の続編で、リンクとゼルダは前作と同じ人物。
ゼルダがテレパシーでリンクを呼び出して会う所から物語が始まる。ゼルダは復活したグフーに再びさらわれてしまい、リンクは再び冒険してゼルダを救出する。ゼルダはリンクの戦いを助け、グフーを倒しに行くリンクに「私はあなたの帰りを待っています、どうか忘れないで」と見送る。グフーを倒した事で崩れ始めた塔から二人で脱出すると、今度は真の黒幕であるガノンにゼルダが囚われてしまう。リンクがガノンと戦い力が弱まった所でゼルダが脱出し、最後はリンクとゼルダで共に力を合わせて戦いガノンを封印。平和になった世界に二人で帰還する。
ふしぎのぼうし
ゼルダ姫はハイラル王国の王女で、リンクは鍛冶職人の孫の少年だが、二人は幼馴染の関係でとても仲が良い。
リンクをお祭りに誘うためにゼルダ姫がお城をこっそり抜け出して城下町のリンクの家を訪れる所から物語が始まる。
二人は一緒に町のお祭りへ行き、くじで大当たりを引いたゼルダがあえて景品からリンクに似合う盾を選んでプレゼントしカッコいいと褒めリンクが照れるなど、色々見て回ってデートを満喫する。
しかしハイラル城で魔人グフーに襲われ、リンクはゼルダを守ろうとするも弾き飛ばされゼルダは呪いで石にされてしまう。目覚めたリンクはゼルダの呪いを解くために冒険に出る。冒険の末リンクはグフーを倒しゼルダの呪いを解く事に成功し、崩れる城から一緒に脱出して、ゼルダの願いの力で平和を取り戻す。
トワイライトプリンセス
『時のオカリナ』でリンクが未来でガノンドロフを封印したあと本来の時代に戻ってきた、子供時代の百数年後が舞台。
本作のリンクは『時のオカリナ』のリンクの子孫だと明言されていて、村に住む牧童だが実は神に選ばれし勇者。ゼルダ姫はリンクと同様に神に選ばれた力を持つハイラル王国の王女。
影の領域トワイライトで狼の姿になってしまったリンクはハイラル城で目覚め、影世界の姫ミドナに導かれてザントに幽閉されていたゼルダ姫と出会い、事情を聞く。
冒険の途中でザントの計略で瀕死になったミドナをリンクがハイラル城へ運ぶと、ゼルダはリンクが同じトライフォースを持つ者と見抜き呪いの解き方を教え、ミドナに全ての力を与えて命を救うが代わりに消えてしまう。力を失ったゼルダの体はガノンドロフに囚われており、のちにガノンドロフに憑依されて人間の姿に戻ったリンクに襲い掛かるが、リンクとミドナによって救われ精神も元に戻る。ゼルダは短い間だが心はミドナと共にあったと語った。そしてリンクとゼルダは二人を庇ったミドナによって安全な場所へ転送されるが、ミドナを破って現れたガノンドロフを目撃、ゼルダの力で亜空間へ飛び二人きりで話し、手を取り合い決戦へ向かう。
本作のゼルダはあまり出番がなくリンクとの関係も薄めではあるが、ガノンドロフとの最終決戦では力を貸してほしいと頼むゼルダにリンクが手を差し伸べ、その手をゼルダが取り、二人で一緒にリンクの愛馬エポナに乗って協力しながら戦った。そして最後は共に仲の良かったミドナとの別れを見届けた。
語呂の良さからファンの間で“トワプリンゼル”と呼称されることもあるが、ゲーム中では相棒のミドナや幼馴染のイリアの方が出番が多い上に印象的なシーンがあるのに対し、シリーズのヒロインである筈のゼルダは出番が少なく印象が薄いとサブヒロインのような扱いになってしまっているため、当初はまずリンゼルが成立しているかすら怪しく、シリーズのリンゼルファンからは非常に嘆かれていた。しかし後述の大乱闘スマッシュブラザーズXで(設定上当人たちでこそないが)大変印象深いシーンが描かれたことでファンの間で人気が爆発。後になって人気が出た珍しい例である。また、現状のシリーズで一番の美男美女の二人ということもあって根強い人気を誇る。
二次創作作品の傾向としては関係が薄いことを逆手に取り、初々しい間柄のリンゼルが描かれることが多い。
夢幻の砂時計
『風のタクト』の続編で、風のタクトのエンディングから数か月後が舞台。
ゼルダ姫は元の姿に戻って再び海賊団の頭のテトラと名乗り、リンクと共に新天地を求めて船で冒険を続けていたが、幽霊船に遭遇して連れ去られてしまう。リンクはテトラを助けようと必死に幽霊船に飛び移るが、海に落ちて二人とも異次元の世界へ迷い込む。目覚めたリンクはテトラを助け出すため幽霊船を探し出し、魔神ベラムーによって力を吸われ石にされたテトラを発見。冒険の末にリンクがベラムーを倒してテトラは元に戻り、二人で元の世界に帰る。
大地の汽笛
『夢幻の砂時計』の後の時代の新しいハイラルが舞台。
リンクは村に住む機関士の少年。ゼルダはハイラル王国の姫で、『夢幻の砂時計』のテトラの玄孫。
リンクは敵の魔術により体を奪われて魂だけの存在となってしまったゼルダの体を取り戻すために、ゼルダと共に冒険に出る。
シリーズで初めてゼルダがリンクのサポート役として終始一緒に冒険を続ける。ナビ役だけでなく、ダンジョンの戦いや謎解きでもリンクとゼルダ(の入ったファントム)両方を操作しなければならないので、文字通りずっと一緒。
ゼルダ姫はおしとやかを装っていたが自分が霊魂になってしまったと気づくと絶叫しながらリンクに迫るなど、シリーズ一と言っていいほど破天荒でコミカルな性格をしている。
しかし敵に襲われたリンクを咄嗟に身を挺して守ろうとし、その結果いかつい鎧の体に宿ってしまっても逆にノリノリでリンクの肩を抱きながら戦いに意気込むなど、明るく前向きで優しい性格でもある。
二人は最初は赤の他人同士であり、リンクはお転婆なゼルダに巻き込まれて最初は圧倒されたり呆れたりして振り回される描写も多かったが、笑顔も見せ、ストーリーが進むほどに絆が深まりお互いかけがえのない存在になっていく。
ラスボス撃破直後のムービーでは二人が隣に立ち手をつなぐシーンがある。
またリンクがゼルダに抱き着かれて赤面するシーンもある。
ラスボス戦前のゼルダ姫とのやり取りでエンディング後のムービーに少々変化があるが、どれを選んでも二人の交流が続いていることがうかがい知れる。
スカイウォードソード
リンクとゼルダは同じ学校に通っている幼馴染の関係であり、歴代シリーズの中で最も公式カップリング色が強い作品と言っていいほど、かなり仲が良い。
またゼルダがシリーズで唯一お姫様ではなく、(実は女神の生まれ変わりの巫女ではあるが)最初は普通の少女という設定である。
寝坊するリンクをいつもゼルダが起こしに行く、二人だけで会う約束をする、密着してからかう、至近距離に顔を近づける、応援して優勝したリンクの元にゼルダが飛び込みお姫様抱っこで受け止める、二人きりの儀式でいい感じになりデートをする、手作りの品を渡して喜ぶ、再会したゼルダをリンクが抱きとめる、笑顔で手をつなぎ歩く、などなど。
あまりの仲の良さに嫉妬した同級生から「いつもいつもゼルダに構われてチャラチャライチャラと毎日毎日みせつけやがって」「僕ゼルダちゃんと仲良しです幼なじみのお似合いカップルですって自慢か?」と言われたりする。
ゼルダがリンクに好意がある事は周りからもほぼ公認状態で、使命を果たすため長い眠りにつく際には、本当はただの女の子としてずっとリンクと一緒にいたかったのだと告白している。
リンクの方も今作はかなり表情が豊かで、ゼルダと一緒に平和に過ごしている時は終始笑顔、ゼルダがいなくなってからは常に必死で探し回り、彼女を思い出したり、再会するととても嬉しそうにし、全力で助け出す事を約束し、全力で守ろうとするなど、台詞がなくともゼルダがとても大切な存在だという事が分かる。
最後も恐らくその後は二人で一緒に生きていったのだろう事がうかがえる。
シリーズ中の時系列において最古の時代の初代のリンクとゼルダという設定であり、この時に魔王から今後ずっと女神の血を引く者と勇者の魂を持つ者は繰り返し邪悪な魔王と戦う宿命を背負うという呪いをかせられたという設定が加えられた。
神々のトライフォース2
『神々のトライフォース』の後の時代が舞台で、リンクは鍛冶屋見習いの少年、ゼルダ姫はハイラルの王女。
リンクはハイラル城で目撃したユガによって人が絵にされる事件を報告するためゼルダ姫に初めて謁見し、ゼルダはリンクが勇者になる事を予見して勇気の紋章を託す。
リンクはユガによって絵にされて連れ去られてしまったゼルダを助けるため、ハイラルと対になっているパラレルワールドのロウラルへ行く。
ちなみにゼルダは年頃かつ毎晩部屋を抜け出すので誰かと恋をしているのではないかと噂が立ったが、実はハイラル城に飾ってある数世代前の勇者リンクとゼルダ姫が寄り添う絵を憧れに満ちた顔で見つめていたという噂が聞ける。
ユガとの戦いでゼルダは絵の中からリンクに光の弓矢を渡して助け、リンクはユガを倒してゼルダを救出する。
ロウラルの王女のヒルダ姫もロウラルを救うためにハイラルのトライフォースを狙って二人を襲い一触即発となるが、ロウラルの住人でかつてヒルダに仕えていた、リンクと顔が瓜二つでリンクの冒険に協力していたラヴィオがヒルダをかばい、苦しんでいるヒルダを救いたかったと告白し説得する。
このラヴィオとヒルダの二人はリンクとゼルダの対になる存在として描かれている。
そして説得されたヒルダによりリンクとゼルダは元の世界に帰り、一緒にトライフォースに触れて願う事によってロウラルにも対のトライフォースを復活させて平和を取り戻す。ラヴィオとヒルダは平和が戻った世界で二人に感謝する。最後にリンクとゼルダはハイラル城にある過去のリンクとゼルダ姫が寄り添う絵にラヴィオを描き足し微笑みあう。
ゼルダ無双
無双シリーズとのコラボ作品でそれまでのシリーズを合わせたような世界観。
リンクは非常に強いハイラル王国軍の訓練兵の青年で、ゼルダ姫は知恵のトライフォースの力を秘めたハイラル王国の王女。
不吉な夢を見て勇者を探し始めたゼルダは城の中庭で活躍するリンクを見つけ、リンクもゼルダに気づき見つめ合う。そして魔物達が襲撃するとリンクに勇気のトライフォースが宿り、ゼルダと合流して共に戦う。しかしゼルダは行方不明になってしまい、リンクは伝説の勇者の緑の衣をまとってゼルダを探す旅に出る。ゼルダは敵の目を欺くために姿を変えてシークと名乗りリンク達に同行する。
リンクは緑の衣にプラスして青いマフラーもしている。シークは時のオカリナと同じデザイン。
リンクに憧れる魔女シアは、いつの時代もリンクのそばにいる美しい姫ゼルダを羨み、その心の闇をガノンドロフに利用されてリンクとシークを襲う。
ゼルダはシークから元の姿に戻り正体を明かし、リンクに初めて見た時から特別な何かを感じていたと言い、リンクも笑顔で応じる。リンクが聖剣マスターソードを抜けるかどうか議論した時はゼルダはリンクを信じていると味方する。
倒されたシアが自分の半身で同じようにリンクを欲するラナに想いを告げなくていいのか聞くと、ラナはリンクとゼルダを見て「いつの時代も二人は強い絆で結ばれてきた…私が割って入る事なんてできない」と話す。
最後はリンクとゼルダでガノンを倒し、二人で一緒にマスターソードを台座に刺して封印し世界に平和を取り戻す。
ブレスオブザワイルド
<大厄災>によりハイラル王国が滅亡して100年後の世界が舞台。
リンクは大厄災により生命の危機に瀕する重傷を負い、<始まりの台地・回生の祠>にて100年の眠りについていた。呼び声に目覚めたとき、過去の記憶を失っているところから物語ははじまる。
リンクは眠りから目覚めさせた声に導かれるまま<シーカーストーン>を手に、回生の祠から外へと踏み出す。
記憶を失ったリンクが混乱しないよう謎の老人と正体を偽って現れたハイラル王から、リンクはハイラルの過ごし方指南や現状を含む世界の大まかな情報を与えられる。最後にリンクが何者であったかと、リンクを眠りより覚ました声の主である娘のゼルダが100年間独り厄災ガノンの中で動きを封じ続けていることをハイラル王は告げる。大厄災の元凶である厄災ガノンの討伐とぜルダの救出を乞うて姿を消したハイラル王を見送り、リンクはハイラルの大地に足を踏み出す。
チュートリアルの閉ざされた大地を開放してからは、自由攻略が可能になる。
ここからのストーリーラインは大きく分けて2つであり、1つは厄災ガノンを討伐するための旅、もう1つはリンクの失われた記憶を取り戻す旅である。
厄災ガノン討伐については高難易度になるが、始まりの台地を出てから即ハイラル城ヘ向かってラスボス戦に突入することも可能である。
ハイラル城本陣に到着するとゼルダの封印が限界を迎え、厄災ガノンが開放される。
リンクが厄災ガノンとの戦闘を制すると、厄災ガノンは魔獣ガノンへと変貌する。この時、リンクはゼルダの力で作り出された光の弓矢を装備し、最後の力を奮ってガノンの動きを封じるゼルダと共闘する状態でハイラル平原にて騎馬戦となる。
魔獣ガノンに止めを刺すと自由の身となったゼルダがガノンの中から現れ、最後に完全封印を施して戦闘を終局へと導く。
リンクの前に現れた少女は100年前と寸分違わぬゼルダであるが、彼女のことをどれくらい覚えているかは<ウツシエの記憶>の攻略次第となる。
リンクが失われた記憶を取り戻すには、シーカーストーンの機能を開放して<ウツシエの記憶>を辿る必要がある。
100年前当時のゼルダは力の使い方の師となる母を幼くして亡くしており、封印の力に覚醒できずにいる姫であった。一方、持ち前の好奇心からシーカー族の技術の産物であるシーカー遺物の研究に強い関心を示しており、占い師が大厄災を予言してからは封印の力に及ばない分はシーカー遺物の研究により厄災対策を補おうと日々努力していた。
現代でリンクが所有しているシーカーストーンは当時ゼルダが所持しており、ウツシエはシーカー遺物のフィールドワーク等でハイラルの各地を巡る際にその風景を間々記録したものである。
リンクがウツシエに記された場所を訪ね、光るポイントに触れると当時の情景が再現され、欠けた記憶が蘇っていく。
当時のリンクはゼルダの近衛騎士として帯同することが極めて多かったため、思い出す記憶の大半はゼルダの記憶でもある。
時系列的には、リンクが厄災討伐の英傑と姫付きの騎士に任じられて以降、大厄災によりハイラルが崩壊するまでの様子となる。
ウツシエの記憶においては、齢十を数える前から修行を行うも力に目覚められないゼルダに対し、騎士家系に生まれたリンクは幼年期から大人顔負けの剣術を振るい最年少で近衛騎士に抜擢、退魔の剣に選ばれた才器であった。それゆえリンクの姫付き騎士就任当初のゼルダは、リンクに強いコンプレックスを持っており、その態度が表面に出ることが暫しあった。また、リンクも若くして責任ある職を拝命された責任感から人々の規範たれと背筋を伸ばす内、感情や言葉を軽々しく表に出せず無口になった経緯があり、これが災いして信頼関係の形成には差し障りがある状態であった。しかし共に過ごす時間が増えるにつれゼルダのリンクに対する見方が変わり、歩み寄りの姿勢を見せるようになっていく。ハイラル城ゼルダの部屋にある日記を参照すると一連の心情について詳細を補足することができる。
なお、吟遊詩人カッシーワの師匠によると、姫は近衛騎士に恋心を抱いていたとみられている。
シーカーストーンに残された12の記憶を全て取り戻すと、リンクにとって最も衝撃的であり、自身の知らない(重傷を負い意識を失った後の)記憶を辿る手掛かりが得られるようになる。
傷ついたリンクを回生の祠で癒やすよう指示し、マスターソードを在るべきところに運んだのはゼルダである。
リンクが再びマスターソードを手にする時、ゼルダが何を想って剣を台座に収めたかもまた知ることとなる。
ゼルダ無双 厄災の黙示録
『ブレスオブザワイルド』のサードパーティ製スピンオフ作品。
『ブレスオブザワイルド』の100年前即ち大厄災前後の時代が舞台になる。
大厄災で崩壊するハイラル城から、ゼルダの研究室で保管されていた小型ガーディアンの<テラコ>が目覚め、大厄災発生前の世界にタイムスリップして厄災ガノンへの敗北を回避するという、原作の前日譚ではなくパラレルワールドのifストーリーである。
テラコがもとはゼルダの所有物であり、彼女を助けるために立ち振る舞う描写が多いので、ストーリーはゼルダを中心に展開していく。
また、パラレルである為、事前設定や展開が原作と異なる部分がある。
占い師により厄災ガノンの復活が予言されてから数年後、ハイラルは魔物たちに生活圏を脅かされつつあった。厄災対策として古代遺物の発掘や研究を行うも中々成果が挙げられない中、ゼルダはハイラル王国の姫として、幼い頃に死別した母に変わり姫巫女の責務を果たすべく封印の力を覚めさせる為の過酷な修行に打ち込みながら、世界に点在する古代遺跡の調査も行っていた。
リンクはハイラル王家に仕える近衛家系出身の騎士の一人として、若年の身でありながら兵役に従事している(この頃は未だマスターソードを所有していない)。
厄災対策の一環として立案された、ハイラル平原を占拠する魔物たちの掃討作戦に参画したリンクは、任務遂行の途中に時を超えてやってきたテラコを発見する。
テラコの出現によりシーカー遺物が目覚めるなど、ハイラルに変化が起こり始める。
最初期にテラコに出会ったことでゼルダの護衛を引き受ける機会を得たリンクは、度重なる脅威を撃退してゼルダを無事守護する能力の高さを買われ、姫付きの騎士となる。
(原作のダルケルの日記に記されていた、リンクが暴走したガーディアンの攻撃を落ちていた鍋の蓋で跳ね返した事で評価され、ゼルダのお付きの騎士に抜擢されたエピソードを彷彿とさせるシーンがあったりする)
神獣の繰り手の依頼など外交や遺物研究で伴する時間が増える中、責務を全うするリンクにゼルダは信頼を寄せるようになる。
そんな時、厄災復活に暗躍するアストルとの対決を通し、リンクは台座よりマスターソードを引き抜いて退魔の騎士となる。
退魔の騎士の登場に沸き立つハイラルだが、封印の力に目覚められないゼルダの心中は複雑であった。
封印の姫を筆頭に神獣の繰り手4名と退魔の騎士を英傑に迎え、遺物の研究と厄災復活陣営の掃討を順調にこなしていくが、力を得られないまま復活の日と予言されたゼルダの17歳の誕生日を控え、知恵の泉の修行に赴く前に厄災が目覚めてしまう。
厄災はガーディアンと英傑たちが乗り込んだ神獣を乗っ取り、ハイラルを破壊し始める。
ハイラル城にいたゼルダはリンクと共に退避の途中で乗っ取られたガーディアンに襲われるが、両手剣を携えて現れたハイラル王に脱出を支援される。加勢しかけたリンクに王は、ハイラルの姫の騎士としてやるべきことを為すよう告げ、リンクは苦渋の決断でゼルダの手を取りその場を離脱する。父に縋ろうとするゼルダの腕を強く引き、リンクは決して後ろを振り返らなかった。
ハイラル平原でインパと合流したゼルダは、厄災に呑まれるハイラル城を呆然と見つめる。また、解析の完了したシーカーストーンのウツシエから、神獣たちも制御を奪われることを知る。
父を見捨てることになってもなお力に目覚められず、遺物の略奪を目の当たりにしてこれまでの努力が無意味であったと絶望に打ちひしがれるゼルダの涙を受け、テラコは時空の彼方に光を放つ。
空を眺め、ヴァ・メドーがまだ抵抗を続けていることに気付いたゼルダ達は、一縷の希望をかけて神獣の奪還と繰り手の英傑達の救出を決意する。
里を襲う魔物や厄災の怨念を跳ね除けながら、リンク達は神獣のもとに向かう。
一方、神獣の中の英傑たちはカースガノンの猛攻に追い詰められていた。
そこへテラコの光に呼ばれた英傑の縁者達が救援に現れ、カースガノンに対抗する。
救援が間に合い、英傑達を救って神獣を取り戻すことに成功して束の間の安堵を得るゼルダのもとに、ハイラル城陥落の報告が入る。
ハテノ砦を拠点に、ゼルダ達は取り戻した神獣にてハイラル城から押し寄せるガーディアン達や魔物達の撃退を画策するも、その最中にイーガ団員を贄にカースガノン達を復活させたアストルに急襲される。
迫りくるカースガノン達の苛烈な攻撃を受け、リンクはインパにゼルダを託し、単騎で殿を引き受ける戦いに出る。
その背にハイラル城で分かれた父の後ろ姿を重ねたゼルダは、インパの手を振りほどいてリンクの元に駆け戻る。必死に伸べたその手の平から、眩い封印の力が解き放たれる。
聖なる光を放ち、カースガノンや砦のガーディアン達の活動を食い止めてリンクを救ったゼルダは、夜明けとともに砦に集う兵士たちを鼓舞する。英傑と神獣、退魔の騎士が味方にいることと兵士たちの勇敢さを讃え、最後に自らの力で厄災を封印することを誓って、ともにハイラルの奪還を宣言する。
その後、アストルに捨て駒にされたイーガ団を傘下に加え、城を落ち延びたハイラル王を救出して体制を整えたゼルダは、戦場の最前線に立ち、リンクと互いに庇いあいながら怨念を纏う魔物やガーディアンを撃破する。その中で強い怨念を浴びたテラコは厄災に乗っ取られ、ゼルダ達に刃を向けることになる。
破壊を余儀なくされ、慕ってくれた小さなガーディアンの沈黙に涙を零すも、ゼルダは歩みを止めない。
アストルすら飲み込んだ厄災をリンクが一刀両断し、ゼルダの力で封じ込め、ついに厄災ガノンの完全封印を遂げるのであった。
ティアーズオブザキングダム
『ブレスオブザワイルド』の続編。経過として前作からある程度の時間が経過しており、ゼルダの髪型はショートボブに変化している。
ハイラル王国の崩壊にあってゼルダとリンクの公的な主従関係は喪失したが、ゼルダのハイラルを巡る旅にリンクは護衛として伴をしている。
厄災ガノンの封印から暫しの時が流れた頃、ハイラル城の地下から瘴気の噴き出る異変が発生する。調査のためハイラル城地下へ探索に赴いたリンクとゼルダは、その深部にて古代の封印より目覚めた魔王ガノンドロフに急襲され、地面の崩落に遭い離れ離れになる。
マスターソードを破壊され右腕に重症を負ったリンクは、謎の手により遥か天空の<始まりの空島>へ引き上げられる。
始まりの空島にて意識を取り戻したリンクは、自分を引き上げた手の持ち主である初代ハイラル王の右腕とその手に宿る能力を譲り受け、彼の導きとゼルダの「リンク…私をさがして」という声を聞き、ゼルダを探しながら再びハイラルの各地を冒険することとなる。
始まりの空島・時の神殿には、調べると出現するゼルダの幻影のようなものが存在し、その手を取るとリンクは新能力<モドレコ>を手に入れる事ができる。これは行方不明になったゼルダが、辿り着いた先で習得する能力である。
また、同所の最奥に浮かぶ光の渦に朽ちたマスターソードを捧げると、マスターソードは何処かのゼルダのもとへと跳躍する。
リンクが始まりの空島を出てハイラルの地上に戻ると、各地には地上絵に紛れた龍の泪という泉ができていて、それに触れるとゼルダの記憶を見る事ができる。
泪の記憶によると、ゼルダはリンクと分かたれた後、ハイラル王国建国期の古代にタイムスリップしていたことがわかる。
ゼルダは古代ハイラルにて初代ハイラル王達に出会い、彼らの援助を受けながら元の時代に帰る方法を模索していたが、その最中に魔王ガノンドロフとの戦いに巻き込まれていく。
後世に封印戦争として伝わる魔王との戦いを経たゼルダは、魔王が初代ハイラル王の手によって封印されたものの、いずれ蘇ることに苦悩する。そこへ、現代で破壊され朽ちたマスターソードが、時を超えてゼルダの元に現れる。マスターソードを手に、この時代にやってきた自分の為すべきことを悟ったゼルダは、その手段として龍化の法を決意する。龍になれば長生不老となるが自我を失う。人間には戻れなくなる覚悟で、ゼルダはマスターソードを抱えて龍へと変貌する。
以降、ゼルダはマスターソードを抱きながら、リンクと共にいた時代まで1万年を凌駕する月日を白龍としてハイラル上空を彷徨い続けていたことが発覚する。
現代にて、天空を飛翔する白龍に追いついたリンクは、その頭上にてマスターソード手に入れる。
見事復活し、魔王に対抗しうる力を得たマスターソードには、ゼルダの想いが籠もっている。
リンクはハイラル城地底で力を蓄える魔王ガノンドロフと対峙し戦いを制するも、敗北による自棄で黒龍と化したガノンドロフに咥えられ、地底からハイラル上空に連れ去られてしまう。そこへ白龍が飛来してリンクを助け、共闘する形で黒龍と最終決戦を迎えることになる。
黒龍討伐後、リンクの前に現れた初代ハイラル王達の霊魂が力添えし、ゼルダは奇跡的に龍化を解かれて人間に戻る。同時に、リンクの右腕もまた負傷する以前の状態に戻る。
空に投げ出されて気を失ったまま落下するゼルダを、リンクは急降下で追いかけ、在りし日に掴み損ねた手のひらを、今度こそ掴み取る。
ゼルダを守りながら地上の池に着水したリンクがゼルダを抱えて岸に上がり、暫くするとゼルダは目を覚ます。
傍らのリンクを見、すべての終局を理解したゼルダは言葉を重ね、帰郷を告げて緩やかに微笑む。
ちなみに、前作で「リンクのお家」にできるハテノ村の住居は今作では「ゼルダの家」となっており、机上の日記にて前作厄災封印後から今作ハイラル城調査でゼルダが行方不明になる以前、ゼルダがどうのように考え過ごしていたかを窺い知ることができる。また、この家には隠し部屋が作られており、そちらの日記を参照すると、ゼルダがリンクのために新しい英傑の服を仕立てていたこととその在処を知ることができる。同所には「古びた髪留め」が格納された宝箱があり、これを装備するとリンクは前作の髪型を再現することができる。
『ブレスオブザワイルド』と『ティアーズオブザキングダム』の二人の身長差については長年議論されていたが、今作発売から約11ヶ月後、ついに企画担当に訊く! 「figma リンク ティアーズ オブ ザ キングダムver.」の制作裏側インタビューにて「設定的にも、ゼルダはリンクよりちょっと背が高い」と明言された。
他作品での出演
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
リンクは『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(初代スマブラ)から、ゼルダは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から毎回出演している。
デザインは準拠した作品によって異なる。二人の設定等を準拠した作品に寄せている人も居れば、元作品とは別人と捉えている人も居る。
初代『スマブラ』と『DX』では二人とも『時のオカリナ』デザインで登場。『DX』ではリンクのモデルチェンジファイターとしてこどもリンクが、ゼルダと対を成すシークが登場している。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』では二人とも『トワイライトプリンセス』のデザインに変更された(シークは『トワプリ』での没デザインが採用されている)。『風のタクト』を元にしたトゥーンリンクも参戦し、その後の作品でも引き続き同じデザインで出ている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では二人とも引き続き『トワイライトプリンセス』デザインだが、シークとゼルダは別ファイターという扱いに変更になった。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では、リンクが『ブレスオブザワイルド』のデザイン、ゼルダは『神々のトライフォース』のデザインと、それぞれ別々の作品からのデザインになった。ちなみに、シークは『ブレスオブザワイルド』の忍びスーツをベースにしたオリジナルの衣装になった。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』のアドベンチャーモードである「亜空の使者」では、最初にピーチを助けるかゼルダを助けるか選ぶことで二者択一のムービーを見ることができ、マリオとピーチ、リンクとゼルダがそれぞれ対になる形で、どちらを助けるかによってムービーが変わる。
そしてゼルダを助けた場合、途中でゼルダが主人公チームにやられたと勘違いしたリンクが激怒して凄まじい早さで走ってきて切りつけるというムービーを見ることができる。
その後、終盤まで全く絡みはないが、2ステージ目の亜空間内でリンクとゼルダを救出すると、二人でガノンドロフを復活させ、共闘を促すムービーが入る。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の選択画面のムービーのアイコンは、リンクとゼルダが一緒に映画館でポップコーンを食べながらムービーを見ているものになっていたりする。
メディアミックスでは
乱丸のゼルダの伝説・リンクの冒険
当初はリンクが一方的に惚れていたが、エンディングではゼルダと一緒にお城で暮らすようになった。続編リンクの冒険では両想いであることが強調されている。
蜃気楼城の戦い
リンクとゼルダが恋人同士。リンクの方からゼルダにキスをしたり、お転婆のゼルダもリンクの前では淑女になる。
みなづき由宇のリンクの冒険
特に恋愛描写はなかったが、エンディングでは現代のゼルダ姫と初代ゼルダが「あたしがリンクのお嫁さんになるんです!」とリンクを取り合う。
未将崎雄のゼルダの伝説・リンクの冒険
リンクとゼルダが10歳くらいのショタロリになっている。リンクの方がゼルダに惚れている。
3年後を描いた続編リンクの冒険では、リンクがドジを発揮してゼルダを押し倒したりしている。ゼルダの方もリンクには好意的なのだが、二人にはある事情があり……。
絵本リンクの大冒険
小学1年生で連載されていた絵本。神々のトライフォースを原作としている。エンディングではガノンを倒したリンクにゼルダ姫が頬キスをする。
小学校低学年向けということでリンクがショタ化しているのだが、ゼルダ姫は原作準拠のデザインのまま。このためおねショタ要素がある。
かぢばあたるの神々のトライフォース
残念ながら両想いにはならない。しかし当初はリンクを嫌っていたゼルダ姫が彼に手を引かれて赤面したり、彼のことを見直したり、最後の戦いでは声援を送るイベントがある。
姫川明の時のオカリナ
城下町に来たばかりのこどもリンクが城を抜け出したこどもゼルダと出会い、デートをするシーンがある。その後、正体を明かしたゼルダがリンクの頬にキスをし、舞い上がったリンクがお城の中を駆け回って迷惑をかけまくる。
姫川明のトワイライトプリンセス
独自設定としてトワプリゼルダは、時オカゼルダ(大人と子供)の記憶を持っており、時の勇者に対する想いを抱いている。これは原作でのトワプリゼルダがサブキャラに置かれていたことを姫川が憂い、ゼルダ姫をのけ者にしたくないという想いから付け加えた設定。
その他
ダークリンクとゼルダのカップリングではダーゼル表記が使われることもある。またゼルダがテトラの名前を使っている際はリンテト表記、ゼルダがシークに変身してる際はリンシー表記が使われている。
『ハイラルヒストリア』に登場する、それぞれの遠い前世にあたる「勇者」(名称不明)と「女神ハイリア」のカップリングでは、リンハイ表記が使われている。
上記の大乱闘スマッシュブラザーズシリーズなど外伝作品でクロスオーバーする機会も増えた影響から、違うシリーズ同士の二人の作品も増えている模様。
余談
『スカイウォードソード』の筋書きを書いた藤林ディレクターは、本作のゼルダの明るく活発で感情が高ぶると体が動いてしまう性格を表現するためにゼルダがロフトバードで飛んでいるリンクにむかって飛び降りてリンクがそれを空中で慌てて受け止めるというシーンをどうしても入れたかったと語っている。
それを見た青沼プロデューサーは、序盤に長いムービーシーンが連続していた事と何だかベタベタした恋愛シーンみたいな所も気になって、ゼルダでここまでやっちゃうの?とそのシーンは本当に必要なのかカットしてもいいのではないかと提案したが、藤林氏はそのシーンは残して他の部分を削った。
藤林氏はそのシーンをかなり気に入っていて残してよかったと思うと語っており、青沼氏もプレイする人がゼルダをどうしても助けたいと思うようになる事が凄く大事だから最終的には僕も残してよかったと思っていると語っている。
細かいシナリオを書いた森氏も、本作はいかにしてゼルダを助けたいと思ってもらえるようになるのかをセリフを書く上ですごく意識した、リンクとゼルダが幼なじみという設定で最初から仲がいいのは当然なので、いままで以上にリンクに対して最初から好意を持っているゼルダにしようと考えたと語っている。
また、それまでのシリーズではゼルダは最初に出た後ずっと会えずリンクの一人旅になりリンクの伝説と言われてしまったりしていたので、本作ではゼルダの姿が見えなくても彼女の存在をいつも意識しながら冒険する事ができるようにし、さらにゼルダがなぜ伝説になるのかシリーズで初めてタイトル通り正真正銘ゼルダの伝説になるようにしたと語られていた。