概要
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に登場する、シーカー族の生き残りを自称する謎の青年。
リンクの行く先々でハープを手に様々な調べを奏で、不思議なメロディを授ける謎めいた人物。
赤い瞳に金髪、顔の殆どを布で覆い隠した姿が極めて特徴的。
マスターソードに触れて時を越え、七年後の世界に戸惑うリンクに道を示し、彼を導いていく存在。
その正体は、大魔王ガノンドロフから身を隠す為に変身したゼルダである。
ゼルダ姫自身も男性としてシークを演じており、公式側からは「彼」や「少年」と男性のように称される等、他者視点では男性として扱われているが、身体の性別については論争もある。
そのため、男装したゼルダ=女性で描かれることも多く、特に海外ではその風潮が強い。
しかし、実際は体格がゼルダ姫とは全く異なる比較的男性的といえるものになっているため、単にゼルダ姫がそのまま男装しているということはあり得ないだろう。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のフィギュア名鑑のゼルダの解説では「変身していた」と書かれている。
少なくとも魔法を使った変身で体型を変化させていることは確かである。
姫川版
姫川明のコミカライズ版では、リンクを助ける一方でガノンドロフの配下として動くという二重スパイの役割で登場。
実はインパによって催眠術をかけられ、ゼルダとしての人格は封印されていた。これはガノンドロフのクーデターによって己の無力さを知ったゼルダが「強い男として生きる」「自分の身は守れるくらい強くなりたい」という望みを抱き、リンクが時の勇者として戻るまで自分もゼルダ姫を封印するという決意からインパに提案したため。
その結果、「ハイラルから追放されたシーカー族の末裔が王家の崩壊を知って戻って来たという口実でガノンドロフに近づく」という設定を持つ少年の人格となった。
敵の目をくらますためにガノンドロフの手先として幾度もリンクを罠にかけた。劇中ではタロンに化けてロンロン牧場に誘き出し、ゲルド族をけしかけている。
ゲルド砂漠でリンクが倒れた時は救出するも殴り倒してゲルドの砦に捕らえてしまう。しかしリンクの処刑を命じられた時はツインローバたちを裏切りリンクを連れて脱走。ツインローバの炎で衣服を焼かれて気絶した後、ショックで催眠術が解けたのか本来のゼルダの人格に戻った。
リンクに鏡の盾の存在を教えてツインローバを倒すが、直後にガノンドロフによって連れ去られてしまった。
このため原作よりも出番が大幅に増えており、言動も「来い」「悪かったな」など命令口調でミステリアスな雰囲気を醸し出している。当初はリンクから不信感を持たれていたが処刑の際に救出したことから信頼を受け「友達」と認識されるようになった。
武器には短剣(短刀)を使うなどより忍者らしくなっている。これは後述のゼルダ無双でも見られる。
ちなみにこの作品ではシークの素顔はゼルダ姫とは全く異なる(意外にも垂れ目よりの美少年である)。やはり魔法で変身していたようだ。
ゼルダ無双
突如リンク達の前に現れた正体不明の人物。原作と同様、「シーカー族の生き残り」と自称する。
黒の魔女の軍勢にハイラル城が落とされた際、ゼルダが身を隠すためにこの姿となった。正体を隠してリンクたちに合流するが、シーカー族の長であるインパには「シーカー族のはずがない」と常に疑惑の目で見られていた。
中盤で「時のオカリナ」の世界が現れた際、水の神殿を占拠していた偽ゼルダを倒した後、「貴様がゼルダ姫のはずがない。なぜならば――」と告げ、ついに正体を明かした。以降はゼルダの姿のまま戦う(操作キャラとしてシークを選択することもできる)。
この作品では仲間想いという面が強く出ている。
外部出演
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
第2作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から参戦。
『DX』と『X』では、ゼルダが下必殺ワザ「シークチェンジ」を使うことでシークに変身する。シークも「ゼルダチェンジ」でゼルダに戻ることが可能。
『for』以降の作品では「シークチェンジ」と「ゼルダチェンジ」が廃止され、完全に独立したファイターとなっている。
スピードは遅いがワザの威力が高めのゼルダとは対照的に、素早い身のこなしと手数の多さで勝負するスピードタイプのファイター。
仕込み針を飛ばしたり煙と共に姿を消して瞬間移動するなど、忍者らしい動きを見せる。
詳しい解説はシーク(ファイター)を参照。
担当声優
※上記の設定から、原則としてゼルダと同じ人物が務めている。
余談
「時のオカリナ百科」に記載された百科的物語によれば、シーカー族に伝わる秘術によって瞳の色を変え、更には自己暗示によって人格まで偽っていたという。
術を解いたことでゼルダとしての姿に戻ったが、引き換えにシークとしての能力は失われてしまった。ガノンドロフに容易く捕まってしまったのはこれが原因。