概要
『スーパーマリオギャラクシー』シリーズのようにステージが360度視点だったり球体やチューブ状になっているのが特徴。
他シリーズよりもステージ攻略における進行ルートの自由度が高く、『ソニックカラーズ』や『ソニックジェネレーションズ』の要素も引き継がれているが、全体的には『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4』を3D化したようなゲームになっている。
なお「かつて開発中止になったゲーム『ソニックエクストリーム』のリメイクではないか」と一部海外ユーザーから意見があったが、公式に否定されている。
参考:ソニックエクストリームの開発中映像
他シリーズと比べるとソニックの移動速度が遅めに設定され、シリーズ初心者でも遊びやすいように工夫がされており、これは「最近のソニックは速すぎて難しい」という、国内外の一部ユーザーから意見が寄せられたため。
それでもメガドライブ時代に匹敵するほど難しい難易度で、即死ギミックが多め。ただラジコンを使う事で有利にステージを進められるので、一緒に遊ぶ人がいれば協力してみよう。
良くも悪くも「3D版メガドラソニック」といった風体である。よってゲームとしての完成度は決して低いわけではないが、後述の通り別の要素で評価を下げている。
本作における新要素は軒並み好評である。ただ後のハイスピード路線とは噛み合わないせいか、どれも本作だけの要素になっている。
以下、WiiU版の固有アクション。
- マルチホーミングアタック
- 複数の敵をターゲッティングして一気にホーミングアタックをしていく技。これまでのシリーズでは一ロックオン一ホーミングだったが、本作では狙った敵をテンポよく倒すことができてかなり爽快。
- キック
- ホーミングアタックで近づいた敵を蹴り飛ばし、まとめて倒す新アクション。足こそ止まるが敵を一気に倒せるのでこちらも爽快。
- 二段ハイジャンプ
- 本作のみの要素。他の作品におけるソニックの二段ジャンプは丸まった状態が維持されるが、本作のみ二段ジャンプ時はスピン状態が解除される。その代わり慣性がぐっと乗せつつ空中制御ができる。しかしスピン状態ではないので敵の接触ダメージは受ける、というリスクを伴ったものになっている。賛否あったがやはり攻撃判定が出ないことが問題視されたか、本作のみで廃止される。
- パルクール
- 三角飛びの応用的な能力。壁に向かってダッシュすると、キラキラしたエフェクトをまといつつソニックが壁に足をつけて駆け上がる。うっかり崖から足をすべらせても走行状態であればそのまま壁を走って崖掴まりに移行できる。
3DS版ではソニックファンにはおなじみのディンプスが担当し、昨今のシリーズのような爽快感や、ハードモードといったやりこみ要素も多く、スピンダッシュで颯爽にステージを駆け抜けたい、徹底的にやりこみたい場合は3DS版も遊んでみよう。ただしカラーパワーが揃うまではギミックがWiiU版以上に意地悪なので注意。
なおラジコン縛りをすると、通常ステージでもさらに高難易度に化けるので、腕に自信があるならやってみてほしい。
コラボステージ
独特のステージやメガドライブ時代に原点回帰したような世界観に注目が集まる本作ではあるが、WiiU版ではコラボにも力を入れている。
同じくセガの『NiGHTS』の他、任天堂ハードによる展開なだけあって、『ヨッシーアイランド』シリーズと『ゼルダの伝説』シリーズの世界観を取り込んだステージが収録されている。
これらの追加ステージは全て無料であるが、3DS版では未収録、PC版では版権上任天堂とのコラボゾーンは収録されていないので注意(しかし3DS版ハードモードの背景はナイトメアを彷彿させる感じになっている)。
ナイトメア
『NiGHTS』とコラボしたステージで、ナイトメアン達と六鬼衆が手を組んで戦う、いわゆるボスラッシュ的な内容になっており、あらかじめやっておくと本編のボス攻略が少しだけ楽になるかもしれない。
HDグラフィックで描かれたNiGHTSの世界観を楽しめる内容になっており、主人公のナイツやリアンも少しだけ登場している。
アップデート後は1UPを稼ぎやすくなった。
ヨッシーアイランドZone
タイトルこそ『ヨッシーアイランド』となっているが、世界観は『ヨッシーストーリー』になっている2Dステージ。
タマゴをゴールへ持ち帰るとヨッシーが登場し、大量に持っていけばいくほど1UPが稼げるゾーンになっている。
でっていうボイスももちろん健在。ゾーン選択画面で手を振っているのがかわいい。
ゼルダの伝説Zone
前半はハイラル平原、後半はドドンゴの洞窟を切り抜ける3Dステージ。
しかもハイラル城(デザインは『トワイライトプリンセス』のもの)やロフトバード、リンクのモデリングは任天堂側から快く素材提供され、SEやBGMは『時のオカリナ』や『神々のトライフォース』の物であり、紹介用一枚絵も『スカイウォードソード』のイラストレーターが描き上げたという太っ腹仕様。
なおこのゾーンだけライフ制になり、ソニックもリンクのような衣装を着ているという、遊び心と愛に溢れた内容になっており、ルピーを集める事で大量の小動物を稼ぐ事が可能。
宝箱もあるので、ソニックでごまだれポーズをすることもできる。
カラーパワー
本作でもパワーアップ要素であるウィスプによるカラーパワーが登場し、さらに新しいウィスプも追加された。
WiiU版はゲームパッドのジャイロ操作強制など、一部カラーパワー操作に難があったものの、アップデートでスティック操作に対応してある程度改善された。
『カラーズ』とは違いゾーン攻略に必須のため、カラーパワーを駆使しながらゾーンを進んでいくが、「前々作のラストでウィスプ達とお別れしたのに、どうして今作でまた登場しているのか?」の理由については、ウィスプの項目を参照のこと。
ストーリー
エッグマンが小動物達を拐って戦闘メカのエネルギー源に利用しようとしている所を、ソニックとテイルスはトルネード号で追跡、空中戦を繰り広げていた。
しかし、エッグマンの不意打ちを受けてトルネード号が操縦不能となってしまうが、テイルスの必死の持ち直しにより、未知の大陸「ロストヘックス」へと不時着。
さらにそこへエッグマン率いる六鬼衆という新たな敵も現れ、ソニック達は彼らにも立ち向かう事になる。
登場キャラクター
ソニックと仲間達
「エッグマン! 動物達を返せ!」
CV:金丸淳一
ご存じ世界最速のハリネズミ。
最初はエッグマンから攫われた動物を助けるために追っていたが、反旗を翻した六鬼衆を止めるためにエッグマン達と一時的に共闘する。
今までは敵同士ならではの信頼もあったが、カラーズ以降の件もあり、本作ではシリーズで一番エッグマンを毛嫌いしており、辛辣な態度を取っている。一応馴れ合う時もあれば、エッグマンの忠言を真摯に受け止めることもあるが。
今作ではヒロイックな面は薄まり、直情的で軽率な行動が目立ち、ソニックらしくないと言われがち。
「頼られたかったんだよ……」
CV:広橋涼
ソニックの相棒である子ギツネ。
本作はソニックに信頼されたいあまり、エッグマンに頼ろうとするソニックに不満を抱いたり、エッグマンをいつも以上に反発するなど温厚な彼らしからぬ行動を度々見せている。
もっともエッグマンの手を借りずとも彼の生命エネルギー吸収装置を自分の力で停止させられることや、カラーズで「今までのことを謝りたい」というエッグマンの言葉を信じてみようとした挙げ句に裏切られた経験を考えると、仕方ない面はあると言えよう。
とはいえ、エッグマンと助け合う内に彼に対する認識を改めていく姿も。
最終的に六鬼衆に捕まってしまうが、意外な形で復活する。
「ソニックとテイルスに任せておけば心配いらないんだから!」
CV:川田妙子
ソニックのことが大好きな女の子。
今回はサポート役に徹しているので出番は少ない。
本作からエミーはソニックにベタベタしなくなった。
「こら、頭の上に乗っちゃダメだ」
CV:神奈延年
生真面目な性格のハリモグラ。
こちらもサポート役に徹しているので出番は少ないが、小動物に懐かれている。
ソニック相手に大きい態度を取るが、そんな小動物達に連れて行かれてしまうことも。
エッグマン組
「オーボット! キューボット! ひとまず退散じゃ!」
CV:大塚周夫
幻の大陸でも悪事を働く、自称悪の天才科学者。
特殊なホラ貝で六鬼衆達を脅し従えていたが、ソニックに蹴り飛ばされて紛失した事で六鬼衆の反乱を許してしまい、自身の拠点を乗っ取られてしまう。この為、ストーリー終盤までソニック達と行動を共にするという、奇妙な展開が発生する事となった。
「多少の犠牲は仕方ない」と嘯いてソニックから冷酷だと称されたが、真の企みがあった事を差し引いても、ソニックやテイルスを身体を張って助けたり、星のエネルギーを吸いすぎないように気を遣うなど、『カラーズ』や次作『フォース』に比べ、非情になりきれていない所が見受けられる。
「テイルスの代わりはすぐに見つかるさ……」
CV:岩田光央
『カラーズ』から引き続き出演した赤色の球体型ロボット。
本作でも主人の人使いの荒さに不満を抱いており、ソニックとテイルスの仲の良さを羨ましがっている。またソニックに対しても、キューボットと同じくタメ口で話すシーンが見られる。
なお海外版ではその際、エッグマンを呼び捨てにしている。
「おぃ、なんであのヒゲのこと言っちゃダメなの?」
CV:高木渉
オーボットと同じく引き続き出演している黄色の立方体型ロボット。
『カラーズ』では声設定を何度も変更させられた為に口調が安定しなかったが、今作では語尾に「〜ッス」と付ける口調となっており、エッグマンに対する態度も幾らかまともになっている。それでも一度力士になったが。
中盤では六鬼衆の攻撃に巻き込まれて頭部だけの姿となる上、更に応急処置としてオーボットの体に頭部を取り付けられてしまう。
六鬼衆
ロストヘックスに住む「ゼティ」という戦闘民族で、作中ではザボックを筆頭にした計6名の存在しか確認されていない。
詳細は「六鬼衆」を参照。
ゲーム評価
実はシナリオのせいでゲーム性まで否定されがちな作品である。これは新ソニとは逆転の現象と言える。
本作のシナリオはカラーズ以降の悪い空気を伴った内容で、ソニックから頼れるヒーローらしさが減少、テイルスがストレスから嫌な性格に、エッグマンもどこかイライラしているなど全体的にシナリオ中の空気が悪い。
エッグマンとの共闘はこれまでもあったが、本作では双方どこかツンケンしていて、見ていて気持ちの良い内容ではない。
カラーズ以降、メインの脚本家が変更された影響が本作には色濃く出ており、シナリオについては暦外最低評価と言って良いかもしれない。ちなみにこの評価はアメリカでもそんなに変わっていない。
ただ、六鬼衆のキャラ付け、エッグマン一味のコント、最終盤ではソニックよりよいところを見せるテイルスなど、ところどころではしっかりと見所がある。
シナリオを度外視すれば、3D版メガドラソニックとして完成度は決して低いわけではない。
スピードが遅くなった、と言っても普通のゲームと比べれば走行速度は早く、スプリングなどのギミックを利用するとすいすい進めるのでスピード感がないわけではない。
また、ステージも円柱型となっており、ルート選択の幅は広い。つまりいろんなルートでスコアアタックやタイムアタックを詰めることが出来、何回遊んでも新しい要素に気づける詰め込み型となっている。
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ソニックフォース:次作