横浜優勝
よこはまゆうしょう
\解説/
「横浜優勝」とは、文字通りの意味だと「横浜の優勝」という意味となり、「横浜に関連した事項が何かにおいて優勝すること」を意味する言葉である。
しかしネット上では、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)が試合に勝利することを意味して使用されている言葉となっている。
かつて、ベイスターズは弱かった。
とってもとっても弱かった。
その前身である「大洋ホエールズ」時代から横浜球団は弱小球団であり、ベイスターズ名義としては1998年(平成10年)に一度だけ日本一になったことはあるが、その後TBSオーナー時代は長い長いトンネル、いわゆる「暗黒時代」を味わう事となった。
連戦連敗、毎年毎年シーズン100敗さえも見えるほど敗戦を重ね、いつ終わるともわからない真っ暗闇の中でも、ファンはベイスターズの勝利を信じて応援を続けていた。
そんな中で生まれたのが「横浜優勝」というネットスラングである。
横浜ベイスターズが試合に勝てば「横浜優勝」。
あるいは、例えばWBCに日本代表としてベイスターズの選手がいて、もしも日本代表が優勝すれば「横浜優勝」。
または、他球団がリーグ優勝、もしくは日本一になって、もしもそのチームにベイスターズ出身者がいれば、それだけでもう「横浜優勝」。
つまり「横浜優勝」とは、勝利に飢えていたベイスターズファンの心の叫びなのである。
そんなわけでベイスターズファンは、いつかリーグ優勝する日が来ることを信じて、いつかは日本一になる日を夢見て、今日も「横浜優勝」と叫び続けている。
なお、現在では「横浜が優れて勝つ」という意味の言葉として解説されることもあるが、これはぶっちゃけ「後付け」であるので注意のこと。
\これまでの戦い/
2017年、アレックス・ラミレス監督指揮下のレギュラーシーズンは3位に終わるものの、クライマックスシリーズでは阪神タイガース、広島東洋カープを破り、下剋上でCSを突破して「横浜優勝」を果たした。
その後の日本シリーズでは福岡ソフトバンクホークスに対し、第5戦まで粘ったものの、第6戦で痛恨のサヨナラ負けを喫し、惜しくも日本一を逃した。
2023年、三浦大輔監督指揮下の交流戦では激戦の中、ソフトバンク、オリックス、巨人と同位1位に並んだものの得失点率差で優勝。レギュラーシーズンではなかったが、交流戦での「横浜優勝」を達成した。
\横浜日本一/
そして翌2024年。
引き続き三浦大輔監督のもとで戦った2024年のレギュラーシーズンは3位に終わった。しかし、ポストシーズンで突如覚醒。阪神タイガースと読売ジャイアンツと対戦したクライマックスシリーズを勝ち上がり突破し、再び福岡ソフトバンクホークスと日本シリーズで対戦。初戦と第2戦は敗戦したものの、第3戦以降は4連勝してリベンジ。
長い長い暗黒時代を乗り越えたベイスターズが、遂に26年振り、かつ史上2例目となるペナント3位からの大逆転としての日本一を掴んだ。
この年はリーグ優勝こそ逃したものの、ベイスターズの日本一を願っていたファンの夢は遂に叶うことになったのである。
\時には落ち込みながら/
近年では戦力的には充実し度々優勝候補に挙がりながらも怪我人の続出や機動力不足、早打ちによる出塁率の低さ(このことから攻撃は大味、繋ぐ意識が無く淡泊と評されることが多い)、選手起用、そして勝負弱さ等が原因で最終的に優勝を逃すシーズンが続いており、一部では12球団で最もリーグ優勝から遠のく現状への落胆や皮肉、フロントの経営努力との対比の意味をこめてこの言葉が持ち出されることもある。
\公式の扱い/
昨今では球団・選手側にもこの言葉が認知されていることが明らかになっており、三浦大輔政権以降は「横浜○○」(漢字四文字)という名の球団スローガンが作られたり、トレバー・バウアー選手等がヒーローインタビューで口にしたりしている。