『雪の女王』とは、アンデルセン童話のひとつである。
ただし、タグとしては言葉のイメージだけを借りて、雪女や雪の精に女王のイメージを重ねて描かれたものも多い。
概要
雪国に住む少年・カイとその友人である少女・ゲルダの物語で、表題の人物である「雪の女王」は意外にもほとんど出番が無いと言っていい。
主軸となるのはゲルダの冒険であり、要所をかいつまんで話すと物語自体かなりいびつな状態になってしまうという厄介な代物。ぶっちゃけてしまうと『ゲルダの冒険』のほうが題名としてはしっくりくるぐらいである。
しかしながら、この大雑把過ぎるともとれる内容はのちのメディア化に際して非常に大きな付加効力を生み、多分な解釈と追加要素を加えるには打ってつけの土台となったため、むしろメディア化のために生まれた童話と言っても過言ではない。
特にロシアで製作されたアニメ版『雪の女王』のは評価は非常に高く、日本アニメ映画を代表する巨匠・宮崎駿に強い衝撃を与えたと言われる。
あらすじ(抜粋)
悪魔の鏡
ある日、悪魔が『物事が捻じれて映る鏡』を作り、天使に悪戯をしてからかいに行こうとしました。しかし悪魔は天国へ飛んでいく最中に、鏡を落として割ってしまいました。
その破片は地上にいた人間の少年・カイの心臓に突き刺さり、カイの心を捻じ曲げてしまいます。心が捻じれてしまったカイは、仲良しだった少女・ゲルダに冷たく当たるようになり、雪の女王に会いに行くと言って町を出て行ってしまいます。そしてカイは雪の女王と出会い、女王もカイを快く受け入れて自分の城へと連れて行ったのでした。
ゲルダの旅
春になって雪が融け、ゲルダは町の人たちにカイの居場所を尋ねて回り、カイが雪の女王とこの町を去ったことを知ります。
ゲルダはカイを探す旅に出ることにしました。
道中の鳥や草花、太陽や風の声を頼りにカイの居場所を探して回るゲルダ。
そしてゲルダはある国に辿り着き、そこで出会ったカラスにカイによく似た王子様が王女様と近々結婚すると聞き、ゲルダはその王子様がいる城に向かいました。しかしその王子様は、カイによく似ていましたがカイではありませんでした。
ゲルダの事情を聞いた王子様とその許嫁の王女様は、女王の城の場所を教え、さらに立派な馬車を用意してくれました。
山賊の娘との出会い、そして――
馬車で女王の城に向かう道中、その馬車に目を付けた山賊にゲルダは襲われます。
ゲルダを金持ちの娘と思った山賊でしたが、一緒にいた山賊の娘によって誤解が解け、ゲルダの事情を聞いた山賊の娘は「北の家の女」と呼ばれる人物に会うことを勧めてくれました。
トナカイを用意してもらったゲルダは、北の家の女に会いました。女はこの先に女王の御殿があること、カイが今までのすべてを忘れてしまっていることを告げます。女は「悲しいことになってもいいのか?」と尋ねましたが、ゲルダはカイに会うことを決意します。
ゲルダは遂に雪の女王の城に辿り着きました。
そして広いお城の中を歩き回り、ついにカイを見つけ、再会の喜びを隠せずに抱きしめました。
しかし、カイは鏡の破片のせいで心までも凍りついて何も感じなくなっていました。
そんなカイを抱きしめて流したゲルダの涙が、カイの胸に沁み渡り、そして心臓に刺さった鏡の破片を洗い流しました。破片が取れたことでカイは正気に戻り、ゲルダとの再会を喜びました。
そして、手を固くつないで自分たちの故郷へと帰りました。
ゲルダの冒険~雪の女王と悪魔の鏡~
ざっとまとめてこの分量である。
昭和30年の新訳本はもっと長いうえに、内容も多い。
コレ一話で充分アドベンチャーゲームが一本作れる分量のストーリーがあり、童話の中でもなかなかに長い部類に入る。
この物語がメディア向けと考えられるもう一つの要素こそ、この物語の長さと登場人物やイベントの豊富さであり、一般的に認知される絵本の長さに留めると物語の前後関係や内容に齟齬が発生したり、やむを得ずカットするエピソードが出たりと、調整が難しい。
逆にある程度の長さを必要とし、山場やイベントを重要視するアニメや映画、ゲームなどの格好の題材となり得るのである。
アンデルセン童話以外の「雪の女王」
氷の女王という呼び名もある。
悪役サンタの奥さんが雪の女王と解釈されることもあり、セクシーな容姿をしていることが多い。
原作で登場数が少ない雪の女王が独立して登場するパロディも多く、「棘のある薔薇のような美しい外見に反して意地悪な心を持った人物」「整い過ぎていて冷たい架空の人物」の象徴としてよく登場する。
関連イラスト
関連タグ
関連作品
アニメ版
雪の女王/THE SNOW QUEEN(Lumikuningatar):1986年制作
雪の女王 ~THE SNOW QUEEN~:2002年制作
ディズニーアニメ
アナと雪の女王2(Frozen Ⅱ):2019年公開
アニメ映画
雪の女王と火の魔王(THE SNOW QUEEN 3:FIRE AND ICE):2016年公開
ゲーム
Lobotomy Corporation/Library of Ruina:同名のアブノーマリティ(幻想体)が登場する。