「がんもどき」は豆腐の加工品の一つである。
決して
「ガン(ダム)もどき」や
「癌もどき」ではない。
水気をしぼった豆腐にニンジン、ゴボウ、ヒジキ、すったヤマイモ、シイタケ、コンブ、ギンナンなどを混ぜ合わせて丸く成型し油で揚げたものであり、一説には「雁」の肉に味が似ているためこの名前になったとも言われているが、そう言われても釈然としないよな。
すべて植物性の原料からも想像できる通り、肉食が禁忌の禅寺で考案された食物。こんにちでも精進料理の代表的な具材で、一般には煮物やおでん種として好まれている。
関西を中心に別名を「飛竜頭」(ひりょうず、ひろうす)とも言うが、ポルトガルの揚げ菓子filhósが語源らしい。
おでん屋などでは縮めて「がんも」と呼ばれる。
余談
芸人波田陽区の高校時代のあだ名は、まんま『がんもどき』らしい。『ギター侍 有名人斬りバージョン』の歌詞の最後に記載。(理由は不明)
落語「浮世根問」で、なんでも知っていると豪語するご隠居に、八っつぁんが「がんもどきの裏表は?」とたずねると、その答えは
「裏でない方が表で、表でない方が裏だ」