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概要編集



にれさくとは、漫画『WINDBREAKER』に登場する楡井秋彦桜遥のカップリングの略称。

風鈴高校1年1組の同級生。

後に桜が級長、楡井が副級長という間柄になる。



原作第2話。桜が風鈴高校入学当日、喫茶ポトスで朝食をとっているところに、店員・橘ことはに楡井が制服姿を見せに来店したことで二人は出会う。

ドア前で段差に躓き顔面から転ぶ、制服の上着とズボンの取り忘れたタグを転びながら外すというドジっぷりを見せる楡井に桜は「ええ……これも風鈴なの?」と疑いの目を向ける。

楡井も桜の特徴的な見た目に対し「ストレスっすか?」と投げかけたり、風鈴高校がどういう学校かを説明した上で街に縁もゆかりもない街の外でも無名な桜が何故風鈴高校にやって来たのかと疑問をぶつける。桜の「てっぺんとるため」という理由に楡井は「できっこない」「ハゲるっすよ」と返す。

桜も楡井のことを「クソダセー」と言い放つ。「腐るほど見てきた、見た目ばかり作りケンカになれば逃げ出すヤツらと同じだ」と。


ことは曰く楡井の言動に悪気はなく、桜もまた自分の経験則に基づいての発言であったが、第一印象はお互い決して良いとは言えないものだった。


喫茶店を出た桜は一人の女性に呼び止められる。不良に絡まれたところを楡井が庇ってくれたものの、その不良に楡井が一方的にやられてしまっており、同じ制服を着た桜に助けを求めたのだ。

駆けつけた桜は実力差があり殴り飛ばされ、それでも不良に果敢に立ち向かう楡井を目の当たりにする。

腐るほど見てきたヤツらと楡井は同じだと決めつけていた桜だったが、風鈴生に憧れる理由を語り、強くなりたいと、けれど現実の不甲斐なさに「全然ダセェなぁ」と涙をこぼし嘆く楡井の、腕っぷしは強くなくとも格上相手でも逃げ出さない勇気と真っ直ぐな思いに触れ、こう答える。


「ケンカが弱ぇうえにめそめそしてんなよ」

「よけい弱く見えるぞ……」

「でもまあ……」

「ダサくはねぇんじゃねぇの?」


楡井も桜のケンカの強さと助けてくれたことへの感謝。何より自分をちゃんと見てくれた、受け入れてくれた心の優しさに触れ決意する。


「ケンカでは力になれないかもですが……」

「町のこととか、人のこととか、案内しますよ!」

「てっぺんまで!」


この楡井の言葉を桜の声の人は「ひとりで歩いてきた桜にとって隣に誰かがいてくれるということは、とても心強かったのでは」と語っている。



本誌ネタバレ含む編集



特徴的な容姿も相俟って孤独に生きてきた桜だが、クラスメイトや先輩、街の人々と接し優しさに触れることで変化しているように、楡井もまた桜の一言が大きな変化に繋がっている。



原作第37話にて、衆幹部の顔合わせのため屋上に集まった生徒を見、全員の顔と名前を覚えるのかと言った桜に、

(級長としてできることを模索し、まず顔と名前を覚えようとしたため)

「大丈夫っすよ桜さん」

「わからない人がいたら教えるので」

これに対し全クラスの級長わかっているのかと訊かれ、

「あ……いえ」

「学校全員の顔と名前がわかってるってだけです」

桜の学校生活がスムーズになるだろうと考え、楡井は前日に名簿を借り記憶したとのこと。アニメ内で1年1組の出席番号が44まであることが確認できる。1学年4組まであり、各クラスに同数いるとすると3学年合わせ相当な人数が在席していることが分かる。この人数をたった1日で、かつ1年の中でもトップクラスの強さを誇り同じ副級長である蘇枋隼飛をもってしても「短時間では無理」と言うことを楡井はやってのけている。

(本人はこの凄さを自覚していない)



原作第67話にて、楡井の顔に湿布らしきものが貼ってあるのに桜が気づく。「どうした、誰かにやられたのか?」と訊く桜に「転んでしまって……」と返答する楡井。この怪我の理由は次話にて判明する。

 

原作第38話から第55話までのキール戦編にて(⚠キールという単語が出てきた話数からカウントしています)クラス全員が苦戦しボロボロになってしまったことに体調を崩すほど責任を感じてしまった桜。そんな桜の自宅に見舞いに行った楡井は彼の暮らす部屋があまりに殺風景なことと様子に心配し「道に迷って困ってる時くらいは助けたい、少しでも役に立ちたい」と、共に見舞いに行った蘇枋に思いを口にする。

しかし桜はクラスメイトに自分の気持ちを全て話し、自分で答えと居場所を見つける(原作第60話)

この出来事後、楡井の元気がないと気づいた蘇枋が声をかける。桜は困った時でも自分の力で前に進めるんだと、自分にできることは何もないと気を落とす楡井に蘇枋は「そんなわけない」と言おうとするも、その言葉にかぶせるように、


「でも、同時に思ったんです。それはいやだなって」

「オレは……オレがそこにいたい」

「桜さんの傍で桜さんがてっぺんになるのを手伝いたい」


桜の「ダサくない」という言葉に恥じない自分でいるために、楡井は蘇枋にケンカの仕方を教えてほしいとお願いする。蘇枋から教わった身を守りつつ相手を倒す戦法で楡井はケンカで相手を倒すことに成功。しかしまだスマートにとは呼べず、本人もかっこ悪いとこを見せたと話すが、そんな楡井に桜は「かっこ悪くはねぇんじゃねぇの?」と返した。


このように桜がくれた「ダサくない」の一言は、作中の楡井の行動全てに影響を与えているのが分かる。



桜の楡井への印象は「ビビリでケンカが弱いくせに、お節介でやたらと首を突っ込む」というもの(原作第145話)

楡井の明るい性格と強引さに戸惑うことも多いようだが、楡井の桜を思う言葉には何度も助けられている。


原作第86話で、元風鈴生・棪堂哉真斗に「お前みたいのは風鈴にいていい人間じゃない、とっととやめちまえ」という言葉に表情を無くすほどショックを受けるが真っ先に楡井が「そんなことあるわけない!」と言い返す。


原作第146話、棪堂との戦いを仲間たちから託された自分の敗北は風鈴の敗北と話す桜を「そんなことどうだっていい!」と反論。


「そんなに一人で……抱えないでくださいよ」

「一緒に背負わせてくださいよ」

「オレだって桜さんが大事なんです!!」


この場面で初めて桜の瞳が潤んでいる。楡井の涙を流しながらの訴えは桜の追い詰められていた心を解すのに十分な言葉だったろう。


ただ桜にとって楡井はあまり良くない影響もあるようで、キール戦での負傷姿はフラッシュバックし過呼吸になるほどトラウマになっている描写がある。

(原作第137話)



その他編集



原作と、にいさとる先生のイラストで、楡井が箸の使い方を桜に教えたり、桜の服を楡井が選んでいたり、夏祭りにはこんな食べ物があると紹介していたり、単行本おまけのポストカードで楡井が選んだであろう服装で出かける二人が描かれていたり、桜が先輩などに褒められたりプレゼントを貰うと我が事のようにニヤニヤする楡井がいる。


原作でも怯えた楡井が桜にひっつく場面が多々あるが、原作では手を添えるにとどまる場面がアニメでは密着度が高く描かれている。獅子頭連戦にて、蘇枋の煽りに腹を立てた桜を楡井が抱きつくような形で制止している。副頭取・十亀条との戦い後、負傷しよろけた桜を楡井が真正面から抱き受け止めている。

またアニメ2話から13話まで『こぼれ話』というおまけ内で桜と楡井のコミカルな掛け合いが楽しめる。


何の縁か桜の声の人と、楡井の誕生日が同じ9月21日である。

また、桜の声の人と楡井の声の人は掲載先が別の作品のアニメ版にて兄弟を演じた事がある。




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