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アートマン

あーとまん

アートマンとはヒンドゥー教における「真の自己」であり、輪廻の主体として設定されているものである。
目次 [非表示]

他の意味

1:『ARMORED CORE 4』の登場人物サーダナが乗る機体。

2:漫画『トラウマイスタ』において、トラウマイスタが使役する「具現化したトラウマ」。

3:ゲーム『シャドウハーツ』に登場する人外の存在。

ヒンドゥー教におけるアートマン編集

ありとあらゆる生き物がこれを持ち、宇宙原理であるブラフマンと究極的には同一のものとされる(梵我一如)。

それを知識としてだけでなく、真に認識することにより輪廻から脱出することができるという。


言葉としてのアートマンは「自分」「自己」「」という意味を持つが、

ブラフマンと一体であるところのアートマンには、記憶認識思考といった

一般的に「自己」と聞いて思い浮かばれる物を構成する要素を持たない。

肉体や精神をアートマンとみなすことは無明(無知)によるものであり、真理ではないとされる。

人格的要素を持たない、という意味で他文化における「霊魂」とも異なる。


上記は現行のヒンドゥー教メインラインの解釈であるが、ゴータマ・シッダールタが生きていた時代には

アートマンについて様々な解釈が流行していた。釈迦は、解脱ではなく輪廻をもたらす

真理ではない主張として六十二見を説いたが、その中にアートマンについての諸見解がある。

釈迦が生きていた頃のアートマンについての諸見解編集

アートマンの常住性(永遠性、持続性)についての見解編集

・常住論

アートマンと世界は永遠に存在し続ける、という主張。

・一部常住論

世界は滅びるが、アートマンは残る、という主張。

また、梵天に創造された存在であり、死ねば人格を失ってしまう(精神的な要素もアートマンと認める解釈である)ため、アートマンは常住ではないという主張。

アートマンの出自についての見解編集

・無因論

アートマンと世界とが原因なしに発生するという主張。

アートマンの性質についての見解編集

・死後有我有想論

死後にアートマンが存続し、精神的要素を持つという主張。

・死後有我無想論

死後のアートマンが存続し、精神的要素を持たないという主張。

・死後有我非有想非無想論

死後にアートマンが存続し、精神的要素を持つでもなく持たないでもない、という主張。


これらはさらに「物質的要素を持つかどうか」「物質的要素を持つと同時に持たないものでもあるか」

「有限か無限か」「有限でもあるし無限でもあるか」「有限でもないし無限でもないか」によって更に細かく分類される。

仏教におけるアートマン編集

仏教ではアートマンを認めない。輪廻の主体としては自相続、心相続が設定されるが、不変不滅のアートマンと異なり、カルマ)と縁起により変化し続ける。


上記の六十二見は認めていないが、単なるアイデアとも見なしていない。

各派の「聖者」(修行者)がその修行によって得た境地や神通によって中途半端に

過去生や異なる世界を「見た」結果、そのような誤解をしてしまったと『梵網経』等には記されている。

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