イフリータ(エルハザード)
いふりーた
エルハザード世界の古代文明、『先エルハザード文明』が製造した戦闘用アンドロイド『鬼神』の内の一体。
ゼンマイ仕掛けであり、背中に大きなゼンマイ差して回すことで起動する。ゼンマイを回した相手を『主』と認識する、絶対服従回路が組み込まれている。ゼンマイはそのままイフリータが手にする杖のような武器になる。
定期的にゼンマイを巻くことが必要とされているが、実際はゼンマイが動力源というわけではなく、ゼンマイを巻く動作で主の精気をエネルギーとして吸い上げているようである。
OVA版とテレビ版では容姿や性格などが異なる。
王家の力に対抗する能力を持ち、核クラスの打撃力を有するのは同様。
小説版では3名登場し、下記の2人のキャラ造形及びもう1人別バージョンが登場した(下記参照)。
OVA版
(メイン画像)
こちらは外見も言動もクールで冷酷な女性で、奇襲攻撃で一瞬にして都市を蒸発させている。
主人公の水原誠達を異世界であるエルハザードに転移させた張本人。紫色のロングヘアを持つスレンダーな成人美女である。
最初はエルハザードにて敵として立ちふさがるが、先エルハザード文明の遺産(機械類)にアクセス出来る誠によって絶対服従回路が解除され、凍り付いていた心が溶けて誠を愛するようになる。
終盤、先エルハザード文明が遺した巨大最終兵器の暴走を止めるため、自らの命と引き換える覚悟で中心部に飛び込んで行く。結果的に暴走を止めることには成功するが、その膨大なエネルギーによってイフリータ自身は1万年前の地球へと飛ばされてしまう(それと同時に異世界召喚の術を覚える)。
残りエネルギーの少ない彼女は、1万年先の未来(誠達にとっての現代)で再び誠に出会える事を夢見て、誠から貰った『楽しい記憶』を胸に1万年の眠りにつく。
そしてOVA第1夜の冒頭にループし、誠が眠りから覚めたイフリータと初めて出会い、異世界召喚の術を覚えた彼女により誠(他3名を巻き添えにして)をエルハザードへ召喚することになる。
「数え切れぬ夜の狭間で、ただおまえの夢だけを見ていたよ」
「あの懐かしい世界についたら、私によろしく言っとくれ」
誠を送り出したことでエネルギーを使い果たしたイフリータは静かに終焉を迎えようとしていたが、そのイフリータの目の前にまばゆい光と共に現れたのは、青年に成長した誠であった。
TV放送版
コメディ色の強いTVアニメ版では、冷徹だったOVA版から打って変わって天然ボケキャラと化し、ビジュアルも成人美女から少女チックに、おっきいからぺったんこに。
可愛いドジっ娘キャラで、陣内の乱命に当人のドジも相まってあれこれドタバタしている。ルーン・ヴェーナスらを威嚇する目的で山一つを一撃で消滅(直前にルーンにおそらく無人であることを確認した上で)させた。
最初に彼女の姿の目に映ったのは、水原誠だったのだが再度眠ってしまった。 後に【魔神の矛】を手にした陣内克彦によって目覚めさせられたため 彼を主として共に行動する。
『美味しいですね! この【御茶】って飲み物。』 『うむ、陣内殿の世界の飲み物なんだそうだ・・・』 とバグロム要塞の茶の間にてディーバと一緒に御茶を飲んだり、煎餅を食べたりしている。
陣内が戻ってくると御茶を淹れたり、おしぼりを出したりして三人でちゃぶ台を囲んで御茶をしている姿は、どこか微笑ましい。
陣内の指令で町を破壊しようとするが、破壊の前に町の住人に避難勧告をしたり、バイザーを付けて変装し『お前達を滅ぼしに来たのだ!』と言って悪役らしく振る舞う。(この事を誠に指摘されると『私、兵器だもの! 兵器だから・・・・悪い事をするって決めたんです♪』と回答した)
性格がドジっ娘なのは、いわゆる「ネジが一本外れていた」ためで、クライマックスではその外れたネジが戻ったことで一瞬ではあるがOVAと同じ性格に戻っている(その後、再び元の性格に戻る)。
小説版
三体登場する。最初の一体はOVA版の、二体目はTV版の、それぞれの性格を踏襲している。
三体揃ったところで、「ややこしいので名前を付ける」事になり、一体目はそのままイフリータ、二体目はイフリーナ、三体目はイフリーテスと呼ばれるようになる。
一体目はファトラにより、二体目(イフリーナ)は陣内によりそれぞれ覚醒する。
三体目(イフリーテス)は、非常にあっけらかんとしたギャル然とした性格。こちらは誠により覚醒したが、いわゆる「おっさん萌え」「枯れ専」の趣味を有しており、覚醒直後は誠ではなく近くの藤原先生に勝手に言い寄った。
藤原先生から、すぐに誠が主だと伝えられたが、誠を「ガキ」と軽蔑し「一応従ってあげるけど、私の真の主はあの方(藤原)だからね」と言い放つ(当然ミーズと藤原の取り合いになり、ラブコメめいた喧嘩をする展開となる)。
イフリータ及びイフリーナとは、姉妹ゆえにすぐに仲良くなっていた。
最後にはイフリーナ以外の二体は大破し、兵器ではなく(特殊能力のない)アンドロイドとして修復され再生する。
再生後、イフリータは覚醒直後に、ファトラと別れた後に出会っていた少女の元へ向かう。
そしてイフリーテスはエルハザードに生きる一人の女性として、自分で相手を見つけるべく旅立った。
漫画版
OVA版のイフリータを踏襲しているが、誠に近い年格好に若干少女化されている。性格も序盤はOVA版とほぼ同じだが、誠と打ち解けることで徐々に性格が軟化していき愛嬌のようなものも見せるようになる。最後は主人である陣内の「誠を殺せ」という命令を拒否したことで絶対服従回路により人格が抹消されそうになるが、イフリータの誠を想う強い意志が打ち勝ち、絶対服従回路が解除されて自由の身となる
漫画版ではイフリータの他に、ガレスを主人とする「アブザハール」「ジニスタシア」の二体の鬼神が登場してイフリータと対峙する。
ゲーム版
TV版準拠。ゼンマイを巻いたのは陣内であるが、目覚めて最初に目に入ったのが誠だったため、誠を主人と早合点してしまう。その後、勘違いを指摘されるも誠の方が明らかに理想形であるため、陣内を「本来のご主人様」、誠を「心のご主人様」というダブルスタンダードを取るようになる。ゲームの進め方によっては誠がイフリータの本当の主人になる。