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概要編集

河神イナコスの娘で、女神ヘラの神職にあった女性。

日本では長音を省略してイオと記述されることが多い。


美しい乙女であったため例によってゼウスに欲情され、必死に逃げたがゼウスの発生させた黒雲によって視界を閉ざされ、その手に落ちてしまう。こうして浮気を楽しんでいたゼウスだったが、ヘラは一帯に不自然に立ち込める黒雲を見て夫の良からぬ行いを察した。ヘラは黒雲を吹き払って現場を押さえようとしたが、ゼウスはその寸前にイーオーを白い牝牛に変え、ヘラの追及にもシラを切り通す。


こんな姑息な手段でごまかされるわけもないヘラは、牝牛を気に入ったとして引き渡しを要求。拒否すればまともに浮気がバレて修羅場になることを恐れたゼウスは、非情にもイーオーをヘラの手に委ねてしまう。ヘラは牝牛の姿のままのイーオーを牧舎に閉じ込め、眠らない百目の巨人アルゴスに監視させた。


牝牛にされたイーオーは、父や姉妹が探しにきても自分のことを知らせることができない。知らせたくても牛の鳴き声しか出せず、言葉を話すことができないのである。困った末に、角や脚を使って砂地に『IO』と書くことで自分はイーオーだと気づいてもらおうとする。父親はこれを見て、ようやくこの牝牛が自分の娘の成れの果てだと気づくのだった。


ゼウスは腹心のヘルメスを送ってアルゴスを退治させ、イーオーを解放するが、なお嫉妬の炎をたぎらせるヘラは今度はを放ってイーオーを執拗に苛む。彼女はエジプトまでの逃亡を強いられるが、見るに見かねたゼウスはヘラに彼女には二度と手を出さないと約束し(二度と浮気をしないとは言っていない)怒りを解くように懇願。ヘラもようやく許してイーオーを元の姿に戻してやったという。


その後ゼウスとの間に生まれた子「エパポス」はエジプトの王となり、彼女はこの地にデメテルの像を建てた。エジプト人はデメテルとイーオーを合わせてイシスと呼んだという。

関連タグ編集

ギリシャ神話 イオ ゼウス 牝牛

エウロペ:ゼウスと牛に関連する伝承で似通った部分を持つ女性。イーオーの(ゼウスにとっても)曾孫にあたる。

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