OVA『ジェノサイバー 虚界の魔獣』の主人公。
CV:平松晶子
概要
生まれながらにして生体エネルギー“ヴァジュラ”の力 を秘めた少女。
先天的に知能に障害を持っており、言葉を喋れることができずに野生児のような行動をとっている。
しかしその一方では驚異的な超能力を持ち、サイコキネシスで物体を浮かせたり破裂させたりできる。
のちにテレパシーで会話ができるようになる。
知能の障害の件だが、これは母親であるタニヤ・モルガンの胎内に居た頃に父親のグエン・モルガンと助手のケネス・リードの手で「超能力増幅装置『マンダラ』」によりヴァジュラエネルギーの増幅が行われた結果、限界を越えたヴァジュラに対処する為に(自然発生的に)双子に分裂、その際に(制御を司る)知能が姉のダイアナとして分離、エレイン側は膨大なヴァジュラの「器」として機能した事に因る(だが、ヴァジュラの負担の大きさからダイアナの首から下の身体機能がエレイン側に再吸収される形で安定する事となり、結果ダイアナは頭部以外の「身体を持たない(ヴァジュラエネルギーでかろうじて生命を維持していた)」状態で誕生する事となり、ダイアナがエレインに近親憎悪を抱く一因となっている。一方でヴァジュラを介して母胎内からモルガン夫妻の「我が子への愛」やケネスの裏切り等、自身が産まれ落ちる前の真実を知っていたエレインはケネスを「敵」と認識、ダイアナにもヴァジュラ同調実験の度にそれを伝えようとしていたが、先述の事情と身体的問題に因るケネスへの依存心からダイアナがエレインからの呼び掛けを遮断していた事から事態が悪化する事になる)。
双子の姉のダイアナと共に虚界からヴァジュラエネルギーを呼び込むことができる数少ない人間であり、作中でヴァジュラエネルギーを応用してダイアナと強制的に融合した事により超生命体“ジェノサイバー”へと変身する。
第1部では普通の衣服を身に着けていたが、第2部ではジェノサイバーとしての融合時にダイアナの身体情報を受け継いだ事も有り、人間体としての再実体化時(ジェノサイバーへの「変身」は正確には「変身」では無く、虚界に潜むジェノサイバーと現界への「門」となるエレインの身体が「入れ換わり」エレインがジェノサイバーの精神寄生体となる事で成立する)にダイアナと色違いのサイバーボディとなっている(これを「ダッチドール」と評する「アレキサンドリア」クルーも正直如何なものか、とは思うが…そりゃマイラも怒るわ)。第3部では「対ジェノサイバー世界大戦」の回想を除き、エレインは虚界(と巨大ジェノサイバーからメルを分離して地上に脱出させた際)以外の出番が無い為、生身のフルヌードになっている(精神体の為。因みにダイアナは相変わらずサイバーボディだが、これは彼女がその出自からサイバーボディを「自らの肉体」として認識し、それに合わせて精神体の形状が固定された為である)。
余談
ラストの解釈を「ハッピーエンド」とした場合、「九竜最終兵器」を粉砕しつつ地上の被害を最小限に留める意味合いも含める形でジェノサイバーの力を分離(最終兵器の残骸がジェノサイバーを象る形でオブジェ化してたのはエレインとダイアナの二人が、この形でジェノサイバーを「封印」した為とも採れる)、メルとリュウの元で二人の娘としての双子として再受肉、人生を(仲良しの姉妹として)やり直しているとも採れる(?「リュウは廃人にされてただろ?」ヴァジュラの性質からメルが再受肉して―バリヤーで保護されながらリュウと共に―地上に戻された際に彼女と深い繋がりを持っていたリュウにもダイアナとエレインに因る「保護(と心身回復)」が行われていた可能性が高い。メルにしても視力の回復「だけ」が再受肉時に行われた訳ではあるまい。胎内の赤子も恐らく蘇生されている)。
キャラデザインの山形厚史氏による宣材用イラスト(ジェノサイバーの角と「超能力炉」を生やしたエレインとラットのツーショット)のメイキング記事が月刊ニュータイプ誌に掲載された事が在る(1992年後半の話)が件のイラストは残念ながら実際の宣材には用いられなかった。発売延期が影響していると思われるが、詳細は不明。
第1部でのラットとの行動時の衣装は都合二種類存在するが、二着目の出所は不明。只、ラットの魂とエレインの精神体の再会と別れに際してエレインは件の二着目を着た姿であった事から、ラットが見立てエレインも気に入っていた物である可能性が高い。