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カノアイ

かのあい

スパイラル~推理の絆~に登場するカノン・ヒルベルト×アイズ・ラザフォードのカップリング。
目次 [非表示]

概要にて紹介をしております。

ネタバレを含みますのでご注意ください。










概要編集


原作でのカノアイ編集


同じブレードチルドレンであり、幼馴染であり親友であり、異母兄弟でもあるカノン・ヒルベルトアイズ・ラザフォード

(ブレードチルドレン全員が異母兄弟だが、カノンが弟と思っているのはアイズだけであり、アイズが兄と思っているのはカノンだけだということが後に語られる)


アイズの初登場は2巻第7話で、カノンの初登場は5巻第21話だったのだが、

カノンは初登場にしていきなり「アイズ・・・共に滅びよう・・・」というモノローグを入れてくる拗らせっぷり。

初めての二人一緒の場面はその直後の第22話で、幼少期の回想シーンである。

母を喪っても泣かないアイズと、その隣に寄り添って歩くカノンというシーンなのだが、その時の会話を一部抜粋させて頂く。




「アイズ、君は優しすぎる。だから泣くべきなんだ。

 たとえブレード・チルドレンであっても、大事なものを失わないために」


「・・・泣いたところで何も変わりはしない。

 それにこの先運命と対決するには、血も涙もない悪魔にでもなった方がいい」


「しかし―――」


「その代わりお前は・・・

 俺とともにいて、俺のために泣いてくれるのだろう?」


「ああ、そうだ」


「なら十分だ。お前が共にいるなら、俺は大事なものを失わない。

 行こう、カノン」


暗黒の中でも二人でいれば迷わず進めるだろう






このような約束をしていた二人。

しかしその後、ブレードチルドレンの未来に絶望し自らの手で滅びようとするカノンと、希望を捨てきれないアイズは、考えの違いから離別の道を選ぶことになってしまう。

『ハンター』として来日したカノンは空港にて真っ先にアイズの胸を刺したものの、無意識のうちに手加減をしてしまい殺すことができなかった。

アイズが意識不明の重体でいる間も、自宅から持ってきたアイズとのツーショット写真をホテルの部屋に飾っては語り掛け、晴れた空を仰ぎ見てはアイズを想い、とにかく未練も甚だしい。


その後のカーニバル(ブレードチルドレン抹殺のためにカノンが月臣学園に立て籠もった)には意識が戻ったばかりのアイズが駆けつける。

そこで電話越しにカノンからアイズに協力を求めることとなった。

アイズを殺せなかったことで無理心中計画が上手くいかなかったため、駆け落ち計画に切り替えた形となる。

その際に、

「できるなら僕ももう一度キミを殺すまねはしたくない。……いや、もう一度殺せと言われても正気じゃできないな…」

と話しており、カノンにとってアイズがどれだけ大切な存在なのか窺い知れる。

(この会話を聞いていた鳴海歩は『二人の間にはそれだけのものがあるんだな…』と察しており、読者の心情を代弁するかのようなモノローグである)

しかしアイズはカノンの協力依頼を拒否し、希望を願う自分の信念を伝え、これまでずっと乾いたままだった瞳を初めて涙で濡らした。


電話を切った後、アイズもまた、

「俺が今カノンに会えば・・・必ず殺し合いになる。

 俺が死ねばカノンは狂気のまま殺人鬼になるしかないだろう。

 カノンが死ねば、俺が狂うだけだ・・・」

と発言している。


また、この後もカーニバルを続けるカノンを止めるために鳴海歩を中心としたメンバーで作戦を考え実行するのだが、

その作戦は『カノンはアイズを殺したくない』という前提込みである。

カノンの能力及びカノンとアイズの関係性を周囲が信頼してこその計画であろう。

(ちなみに少し時系列が遡るが、7巻第32話では浅月香介がカノンとアイズについて

「あの二人の仲は誰かが踏み入っていいもんじゃない!!」と述べていた)



カーニバル後は監視付きでカノンは軟禁されることになり、12巻第61話ではアイズがその部屋を訪れている。

『カーニバル後のカノンはどうしているんだろう…』と心配していた読者も多かったと思うが、その心配を良い意味で裏切るかのように軟禁部屋とは思えない豪華な部屋で穏やかに会話をしている二人が見られる。

アイズは笑いながら「今度やる時はもっとしっかり刺せ」と軽口を叩く余裕も見せた。

一方のカノンも生きることについて「それがキミを殺し損ねた僕の義務でもある」と優しい笑顔で発言しており、責任とって結婚しそうな流れである。

そしてここは軟禁部屋であり、全て監視カメラで見られ録画されていることを忘れてはならない。







事態は13巻のカノンの死によって一変する。

(死を選んだ経緯については詳細を省く。原作をご参照ください)

カノンの亡骸を前にしても、自分の感情を押し殺し、冷静でいるアイズ。

土屋キリエの言葉に「俺に何を言ってもらいたい?」と返し、PCのディスプレイを殴り割ったのが唯一の感情表出であった。

「俺は言葉に出すだけで取り戻せるものなど、持っていた覚えはない」という言葉の重みは相当なものである。

後の14巻では暗く沈んだ様子で独り物思いに耽っており、どれだけ気丈に振る舞っていてもカノン喪失の傷はやはり深いことが分かる。

しかし物語終盤に向けて真実を知っていく過程の中で、喪失感や葛藤を抱えつつも、カノンの死に意味を与えるために、希望へ繋ぐために、生きていこうとする姿が描かれた。

最終話では、カノンの墓参りをしていた様子もある。


そしてこれは余談となるが、最終話後のおまけページの4コマ漫画では幽霊となったカノンがアイズと一緒にいた。

この描写がカノアイクラスタの魂を救ったことは言うまでもない。









アニメでのカノアイ編集


カノンの声は野島健児さん、アイズの声は石田彰さんが担当だった。

アニメでもカノンとアイズの関係性は原作と相違ない。

ただアニメはストーリーそのものが途中から原作と異なるため、カノンとアイズに関してもアニオリのエピソードが含まれている。

幼少期にカノンがピンクの貝殻をアイズにプレゼントしていた…という内容のもので、アニメ最終回ではアイズがそのピンクの貝殻を大事そうにポケットから取り出す場面がある。

その他にも原作には無い台詞もあったりして、アニメも必見である。

ちなみにEDでは、二人とも目隠しの状態でカノンがアイズを背後から抱き締めている描写があり、お茶の間をざわつかせた。

(さらにちょうどその時の歌詞が『何だって言い合ってた遠い日の二人』なので狙っているとしか思えない)





スパイラル・アライヴでのカノアイ編集


スパイラル・アライヴはスパイラル本編の前日譚にあたる外伝のこと。

本編よりも2年ほど前の出来事を描いているため、15歳ごろのカノンとアイズを見ることができる。

二人一緒の登場場面は僅かだが、ハンターの拠点を一人で余裕たっぷりに襲撃するカノンの強さと、その後のフォローをするアイズの様子が描かれている。

二人のやり取りから、これが慣れたものであることを窺い知ることができ、この僅かな登場シーンに二人の信頼関係が凝縮されているようなものである。

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