概要
カナダ北東部にあるバフィン島やアラスカ州、グリーンランドに居住するイヌイットたちの伝承に伝わる魔物、若しくは精霊の一種。
病気をもたらす悪霊的存在で、その姿は犬に似ているが、耳や口、足、尾の先端にしか毛が生えておらず、他の部分は皮膚が剝き出しになっているという異様な見た目をしているとされる。また、大型犬の様な姿をした怪物であるともいわれている。
伝承によると、キキルンは人や犬に癇(ひきつけ)を引き起こす原因とされており、突然痙攣が起こるのはキキルンの接近によるものだと考えられていた。
この様に非常に恐ろしい精霊ではあるものの、キキルンは臆病な性格をしている為、イヌイットの呪術師や祈祷師にあたるアンガコックが人睨みするだけで退散するといわれているほか、キキルンは自らの名前を呼ばれる事を嫌っている為、キキルンに襲われたと思ったら、すかさずこの怪物の名を呼べばよいとされている。