パルライユク
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ぱるらいゆく
アラスカのベーリング海峡周辺の水域に出没すると伝承される怪物。
パルライユク(Pal-Rai-Yuk)とはアラスカのベーリング海峡周辺の川、池、湖沼、ヌニバク島周辺の海岸に出没して人を襲うとユピック族に伝承される怪物で、狐のような双頭であるともいわれる頭部、全身を覆う分厚くきめ細やかな毛皮、イルカのような背鰭と魚のような尾に、短い六本足を持つ奇妙な姿をしているといわれている。
さらに蛇のような長い身体には胃袋を三つも持つともいわれ、水域に近づいたものに襲いかかる、もしくは不思議な力で岸などの地面を直接泳いでは獲物を沈めて喰らってしまうと恐れられた。
かつてこの地が温暖であった時代、ユーコン川とクスコクウィム川周辺の水域に多数が棲んでいたといわれ、胃が多いために非常に貪欲で人を含めた獲物を次々と襲いかかって喰らった。
しかしイヌイットとの闘争の末に絶滅寸前になり、最後の一匹は妻を食い殺された猟師によって退治された。
なお追い払うためのおまじないとして、カヤックやウミアクなどの舟の底や銛、お守りに姿が彫られており、シャーマンは船底や木造の桟橋を叩くことで召喚し、使役することで漁などを手伝わせることが出来たという伝承もある。
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