概要
主な挿話としては、兄イガルク (Igaluk)との近親相姦に端を発する争いの物語が伝わっている。
イガルクとマリナの兄妹は幼少期には同じロッジで生活していたが、長じて後は他の住民と同様に男女別々のロッジで生活するようになった。
しかし、離れて暮らす事でイガルクは妹の美しさにどうしようもなく惹かれる自分の思いを拗れるところまで拗らせてしまい、とうとう寝込みを襲う暴挙に出てしまった。
三日三晩犯されて腹を括ったマリナは「寝床に忍び込んで自分の肢体を貪る暴漢」の顔にランプのススを塗って目印にし、事が終わって逃げ出す「強姦魔」を咄嗟にランプで照らしてその正体を知る。
怒り心頭のマリナは自身の片方の乳房をナイフで削ぎ落とし、兄の非道を詰り「私を存分に楽しんだならそれを食べるがいい!!」と削ぎ落とした自身の乳房を罵倒と共に投げつけて逃げ出し、やがて空に駆け上って太陽となった。
それ以来、彼女を追って空に駆け上がって月となった兄イガルクと終わりのない逃走と闘争を繰り広げているのだと言う。
余談
世界各地の神話には近親相姦挿話の一つや二つくらい伝わっているものだが、それ自体を罪として糾弾する挿話は割と珍しい部類であったりする。
イヌイット神話は日本では比較的知名度の低い神話体系であるため、日本では彼女をモデルにしたキャラクターは殆ど見られないが、かつてソーシャルゲームサイト・「にじよめ」にて配信されていたR-18指定の擬女化ソーシャルゲーム・「ばるはらばるきりーず」に姉妹揃って登場(擬女化コンテンツなので当然『姉妹』)。
同作のノホホンとした作風に合わせて、両者の確執の原因は「マリナが自身の巨乳をひけらかしてイガルクを馬鹿にしたせいで怒らせてしまった」と言う理非分別が逆転した微笑ましくもしょうもない挿話となっている。