キ字架は磔柱(磔刑の拘束架)の一種。主に、日本の中世~江戸期の男性に対する磔刑に用いられた。
一本の縦柱を主軸に二本の横柱を通し、その形はちょうど「キ」の字になる。
股間に体重を支える板状の張り出しが添えられることもある。
上の横柱に広げた両手を、下の横柱に大股開きに開脚させた両足首を固縛し、
受刑者は大の字状に拘束される。江戸時代の法制における磔刑の正式な作法では
男性の磔刑には「キ字架」を、女性には脚を閉じた姿を許す「十字架」を用いることが定められている。
一方、開脚を強いる姿から、フィクション・妄想などを絵に表す際に、
女性の磔刑をキ字架で描くことがある。西洋の磔刑でこの形状の柱が用いられるケースは少なく、
西洋の磔刑において開脚を強いる場合は聖アンデレ十字と呼ばれるX字型の刑架が用いられる。