概要
マダニ等とは違い、土壌中で腐植を餌にしている。
種類によって背中にでこぼこがあったり、表面に稜が並んでいたり、それぞれに独特の姿をした様々な形のものがあり、種を同定するときの特徴として利用されていることが多い。ある種のササラダニで、この形が「ささら」(竹や細い木などを束ねて作製される道具)の様に見える事から、この仲間全体を指す名前の元になっている。ちなみに種類数は日本だけで800以上。
生活環境
一般的に落葉だが、菌類を食べる種もいる。
都市の道路沿いの植え込みや、ブロックの隙間に生える苔にも、少数ながら生息する種がある。出現する種は限られるが、森林には出現しないものも存在する。それらは、本来の自然界では、海岸の岩場などに生活する種であったらしい。そのため少数ながら水底で藻類や落葉を食っているこのダニが生息する。
同じ種類に見えて森林の植生が異なれば、ササラダニ相に違いが見られる。二次林や人工林、草原や畑地では、森林性のササラダニは次第に減少し、乾燥に耐えると思われる種が増加する。また、森林伐採が行なわれれば、出現する種構成も変化する。そのためこの種類構成を、環境に対する生物指標とすることが試みられている。
基本的に人間には無害、落ち葉や菌類を分解するのでむしろいないと困るが、他のダニの餌にもなり、家の中でこのダニが発生すると食物連鎖で他の有害なダニも増えることになる。(カビなどが餌になるので…後は言わずもがな)
その他特性
東南アジアのアリの一種には巣にこのダニを飼育しているものが発見されている。このササラダニはほとんど運動せず、アリに運ばれ、アリによって餌を与えられる。産卵時も、アリが卵を引っ張り出すという。ダニは体が柔らかく、時にアリの餌になっている。人間以外の動物が家畜を飼育する例として注目されている。
この種類の中には雄が交尾直前に用意したエサを雌にプレゼントするという洒落たことをするものもいると言う。また近縁種のフリソデダニは雄と雌がペアでデートすることもあるとか…何、このリア虫?