概要
漫画版における「片田舎のおっさん、剣聖になる」に登場する剣士。
なろう版などでもシュプールという同名の剣士は出てきているがその姓は明らかになっていない上に性格や背景など違っている。そのため実質的に漫画版オリジナルキャラクター。
人物
容姿
無精ひげを生やした粗野な風貌の中年
目元が髪で隠れていることも多い。
性格
日常では飄々とした態度を崩さないとぼけた人物で酒浸り。
どこか投げやりながら内に秘めたものがある者特有の言動をする。
バルトレーン教会の教会騎士として任務になると心を静めて己の責務の徹底を意識。
教会騎士の部下たちのことをよく見ており彼らのことをまとめ上げて信頼されている。
能力
刺突剣であるエストックを使って樹木や相手の身体を貫通する凄まじい勢いの突きを放つことが出来る。全身を脱力させ跳ね上がる反動で放つその突きは早さも間合いも並大抵のものではない。
そんな高い攻撃力とどんな体勢からでも攻撃に転じる強靭な体感、異常なまでの読みの精度が合わさった恐ろしいまでの達人。
奇跡(魔法)も使えるがある事情から戦闘でのケガを治すことぐらいにしか使わない。
もっとも肉体の強化や剣の強化も出来るようで作中でも実際に剣を強化していた。
動向
もともとはそこそこの腕を持つ我流の剣士。親がおらず生きるために剣士となり傭兵のようなこともしたが、ある時アイレンテール領にてモンスターに襲われて死にかける。
そのまま死も覚悟したシュプールだったが、その地を治めるアイレンテール家の者に拾われて良くしてもらう。なかでも一人娘であるラフィ・アイレンテールから気に入れられてつきまとわれた。
その後アイレンテール家に仕えて鍛え上げて数年後には隊長にまでなるシュプール。そんな中ラフィが治療の奇跡(魔法)の才能を示したことによりスフェン教会の本部に召し抱えられる話が出たが、ラフィは教会の思惑を拒否して旅の治療師になろうとする。
ラフィの旅に自分もついて行くという意思を示したシュプールはラフィから結婚を望まれて父親であるアイレンテール卿もシュプールを正式に騎士に叙して婿として迎え入れることを同意したため彼はアイレンテール家の者、シュプール・アイレンテールとなった。
しかし教会は“奇跡使い”としてとてつもない才を持つラフィを放っておけず刺客を差し向ける。シュプールは探りを入れられていたことも把握していたため刺客だけなら対処できる芽もあったが部下に教会と通じている裏切り者がいたため後ろから奇襲を受けて致命傷を負う。
それでもなんとか刺客を倒してラフィのもとまでたどり着くが、そこで死にかけていたラフィは自分の治療よりシュプールの治療を優先したために彼女はシュプールの腕の中で亡くなる。その際ラフィの魔力が彼に定着して彼自身も奇跡を使えるようになった。
怒りに任せて刺客を殺して教会騎士団ばかりを狙う連続殺人鬼となった彼は“騎士狩り”と呼ばれるようになる。
そんな彼にレビオス・サルレオネ司教が接触して死者を蘇らせる計画を持ち出したためラフィを蘇らせるため彼に協力することとなった。そのやり口に賛同してはおらず苛立ちを募らせることも多い。
日常ではベリル・ガーデナントと一時酒場で打ち解けることもあったが、基本的に隊長として己の任務をこなすことに徹底してレベリオ騎士団の者たちから狙われる可能性を危惧する。
実際にレベリオ騎士団や魔法師団の面々が攻めてくると少数精鋭であったため部下たちと共に迎え撃ち、自分は正体を隠したままベリルと決着をつけることとなる。
互いに全力を出し合う濃密な時間を過ごした彼らは死線の最中でながら戦いを楽しむ。しかしベリルの一閃がシュプールを切り裂き、シュプール自身ラフィに合わせる顔がないとして戦う気力を失ったため傷を回復することも出来ずに勝敗は決する。
そのままシュプールは自分の剣はなんの役にも立たなかったと思いながら意識を失っていくが、そんな彼の剣術を「すごい剣だ」「本当に……もっと見ていたかった」と評したベリルの言葉は確かに彼へと届くのだった。
余談
- 司教
死者への敬意が薄いレビオス司教に内心で反感を持っており、道具のように死者を利用した際にはお前も死体にしてやろうかと直接的に危害を匂わせることもあった。
レビオス司教の犯罪の証拠に繋がる巻物をミュイが盗んだ際にもそれを察しながら取り上げることはしなかった(そのことが司教の逮捕へと繋がる)