概要
いわゆる餓鬼憑きの仲間で、民俗学者の柳田国男氏によれば、「ジキトリ」とは「食取り」。
即ち、人のとり憑いて食物や栄養分を奪い取る魔物であるとされる。
山中でこれにとり憑かれると、急に空腹感に襲われ、手足が動かなくなったり、歩行が困難な状態に陥るとされ、もしそのような状態になった際は、飯粒1つでも口に入れれば回復する為、この地方では遠出をするときは、弁当などは食べ尽くさないで、2、3粒でもよいから、必ず残しておくことが教訓として伝わっているという。
また、山間部ではジキトリを山の神としてとらえ、山で弁当を食べる際は、山の神がひもじい思いをしないようにと、一番箸で取った飯粒を備えるという風習が伝わっている所もあるといわれている。